side雪 男子がいる!
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タイトルを変えて、あらすじも少し書きました。
前回のあらすじ
咲雪てぇてぇ
「咲、忘れ物はない?」
「雪が準備してくれたからだいじょうぶ~」
玄関のカギを閉める。私たちの両親は中学生になってからというもの、家にほとんどいないからいつも鍵の戸締りをしている。私と咲は血縁関係じゃない。私たちの父親は1人いて、母親は2人。私と咲は別の母親から同じ年に生まれた姉妹。顔も違うから、親友と勘違いされることも多い。実は私たちは父親にまだ会ったことがない。
約300年前に正体不明のウイルスが全世界に蔓延。ウイルスの蔓延および拡大によって、男子の出生率は大幅に低下し、4人に1人の確率で男性が生まれるようになった。長い年月を経て、全世界の男女比は出生率と同じ割合になった。最近の社会問題として、先進国である日本は少子高齢化も見られ、新生児の割合の低下も起こっていて、日本だけで見るならばもっと男性の人数は少ない。過去に政府は男性に必ず月に一度を保険機構にそれを提供する法律を整備したけれど、男性側からの激しい反対を受けて成功しなかった。最近では新改革として一夫多妻制の導入がされ、男性が複数人の女性の結婚できるような法体制を確立された。しかし男性側は賛成的な意見が多いはずもなく、極一部の男性が一夫多妻で家族を作っているという状況である。そういう意味では、私たちの家庭は珍しい可能性もあるのか。
もしも父親がかっこよくて、内面もよかったら父親に恋してしまうかもしれない。そんないけないことを想像もしてしまう。私たちは高校生だ。今までに男性を見たことはあるけれど、同年代の男性に出会ったことはない。高校生なんだからいい加減恋愛をしたい、そう思って頑張って勉強して受かった青葉高校だ。絶対に彼氏をつくる。それは多分、咲も同じだとおもう。
通学路を歩いていると、
「ねぇ、ちょっと!?雪見て!男子がしかも制服姿の…」
ひそひそと咲が話してくる。公園の方を見ると男子が自転車をとめていた。
人生で初めて同年代の男子を見た。制服姿の男子を見て思ったことは、今すぐにでも連絡先を聞いて、お話したい。彼女になりたい。
彼は、黒髪短髪で体型はマッチョでもなくガリガリでもないし、最高にかっこいい。
私は彼に夢中になった。すると彼は、急いで公園にある公衆便所に入っていく。
「トイレに入ったよ!雪?」
「入ったわね、しかも公衆トイレ」
「公衆トイレ男性って利用するの?」
「いや、ぜったいしないと思う…。というか、女子トイレじゃない?」
「え、ほんとだ、もしかして今の彼は女の子だったってこと?それはそれで…いいのかも」
公衆トイレに男性が入るそんなことがあるのか。ましてや女子トイレに入った男性がその後どうなってしまうか容易に想像できる。公園にある公衆トイレのほとんどは女子トイレだけだ。男子トイレがあると、男子が来るかもしれないと思って待ち伏せする女性が多発したことがあったかららしい。今では、外出した時にほとんど男子トイレを見かけない。
「でもさっきズボンはいてたよね、でも最近は女子もスカートじゃなくてズボンのときもあるし…」
「雪、ここで隠れててもしょうがないよ、まだ時間あるし、ちょっとあのトイレに入ってみようよ、もし男子だったらラッキーじゃんね!」
「え、でもまるでストーカーみたいじゃない?」
「雪君、今の私たちの様子のほうがよっぽどストーカーみたいな感じになってるよ」
私たちは茂みから公衆トイレを覗き見るようにしゃがんでいた。
「そうね、咲。このままだと私たちは変人だわ、誰かに見られたら今後の学校生活終わりよ。あたかも普通にトイレしに来た感じにしてトイレに行こう」
「らじゃ!」
私たちはトイレに行く振りをする。
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