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06エルフの街

 家から少し離れた場所に、巨大樹が生える森があった。

 その森のさらに奥にエルフの街がある。


 エルフという種族は元来、自然と共に生き、自然と共に死ぬ。

 

 そのため、この巨大樹の森はエルフにとっては格好の住処なのだ。


 街に入って驚いたのは街の景観とエルフの美男美女の多さだった。

 

 まず街の景観は、木の上に家がある事だ。

 エルフは樹上で暮らすらしくて、木の上には沢山の家があった。


 ただ店などは地面にあった。

 これは観光客などに配慮しているらしい。


 そして美男美女の多さ。

 これは元の世界でも良く聞いた話だったのだが、エルフは想像以上に美男美女が多かった。

 美人美少女、男ですら美人に見えるほど顔が整っている。


 この街では観光客向けにエルフ族の特産品なども売っているらしく、楽しみでやって来た。


「で、何でお前も来てるの?」

「なっ、別にいいだろ!」


 何故かアリエスまでついて来たのだ。


「だって、エルフの街なんて来た事がなかったし……」


 小指をつんつんしながらぼやく。

 

 残念ながら俺は軟調系主人公ではないのでハッキリと聞こえてしまった。


「……はあ。置いて行くぞ」

「あっ、待って……!」


 すぐに後を追って来た。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 エルフの街には珍しい物が沢山売っていた。

 

 エルフの多くは野菜が主食なので新鮮な野菜が沢山売っていた。


 野菜はかなりの数を購入する事が出来た。

 ちなみに選んだのはアリエスだ。


 少ないが、エルフの中には肉を食べる者もいるので肉も売っていた。

 

 エルフは狩りで大量の獲物を仕留めているが、エルフ達にとっては需要も無いため安く手に入った。


 その後は観光だ。 


 エルフの特産品には多くの綺麗な装飾があり、その前でアリエスが立ち止まった。


「綺麗だ……」


 その中の一つ、首飾りが気に入ったみたいだ。


「欲しいなぁ……」


 ちらっとこちらを見られても困る。


「買わねぇぞ」

「……別に、分かってたし」


 拗ねてしまった様だ。


 面倒なので無視して、アリエスが機嫌が直らないまま、露店を見回っているとある物が目に入った。


 それはどんなお宝よりも輝いて見えた。


「米、だと!?」


 正確には玄米か。

 それが店頭で大量に売られていた。


「店主! これはいくらだ!?」

「一つで銀貨六枚だ」

「全部くれ!」


 俵一つで銀貨六枚はそこそこ高いが、即決で全て買った。


 もちろん、全てアリエスの金だ。


 ただ買ったところで俺に料理が出来るか?


 出来るわけがない。


 だが、ここには料理が上手い奴がいるではないか!


「アリエス!」

「ひゃあ!?」


 ガシッとアリエスの肩を掴む。


「お前の力が必要だ!」

「わ、私が必要……?」

「そうだ! その料理の腕前で、美味い料理を振舞ってくれ! 頼む!」

「い、いいぞっ!」


 よしっ! これでうまい飯が食えるぞ!


「そっかぁ。私が必要かぁ」


 意図したつもりは無かったが、アリエスの機嫌が直った様だ。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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