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春の世界  作者: こだわりパセリ
序章.異世界の幕開け
7/19

7.槍術、ギルドマスターの耳

 

「エルマンはどんなスキルを持ってるんだ?」


 エルマンにスキルを見せてくれと頼む。


「僕のスキルはこんな感じだよ」


 エルマンが宝石に手をかざす。快諾してくれたようだ。


 ――――――――――

 保有スキル 《翻訳》《槍術Lv.9》《持久力成長Lv.10》


 スキル枠 4

 ――――――――――


 率直に感想を言おうか。


「なんか強そう」


「これでも衛兵だからね」


 ドヤっとした感じでエルマンが言った。


「《槍術Lv.9》ってどれくらいの強さなんだ?」


 俺はエルマンに説明を求める。


「Lv.9は中級者くらいで、冒険者ランクで言うとCくらいかな」


 またわからない表現をされてしまった。


「Cって言われてもわからないんだけど……」


「じゃあ、冒険者登録する時までのお楽しみということで」


「なんじゃそりゃ……」



===============



 ……というわけで、到着しました!冒険者ギルド!


 いや〜、《翻訳》便利だわ。文字が読めるし書ける!ホント、どういう仕組みなんだ?たぶん俺なんかには想像のつかないモノなんだろうなぁ。


 冒険者ギルドまではエルマンに案内してもらいました。教会に寄ったから場所がどこかわからなくなったんだよね。


「ここまで来たらもう1人で大丈夫だね。よし、行ってこい!」


「ああ!行ってくる!」


 冒険者ギルドの大きな扉を開ける。

 そこには、机で料理を食べている人。

 カウンターで受付嬢と話している人。

 掲示板を見ている人。

 色々な人がいた。


 えーっと、空いているカウンターはあるかな?お、金髪ロングのお姉さんのとこが空いてるな。


 真っ直ぐ右から2番目のカウンターへと進む。


「冒険者ギルドへようこそ。ご用件をお伺いします」


 笑顔で俺に問いかけてきた。モデルをやってそうなくらい綺麗な人だ。笑顔が眩しいですね。


「冒険者になりたいんですけど」


「では、この用紙に記入をお願いします」


 一枚の紙とペンを渡された。


「ここで書いていいですか?」


「ササっと書けるのなら構いませんよ」


「あー……わかりました」


 俺は冒険者ギルドに併設されている、食堂の様なところの机で記入することにした。


 用紙には名前、保有スキル、使用可能魔法、経歴の四つの欄がある。俺の視線はある一つの欄に釘付けだった。


 使用可能魔法……この世界には魔法があるのか!?魔法があるなら是非とも使ってみたいな……。


 取りあえず用紙の空欄を埋めていく。もちろん字は異世界のものだ。


 だが経歴を埋めようとしたところで、ペンの動きが止まる。こちらの世界での経歴はほぼ無いに等しい、というか無いからだ。


「まぁ、記憶喪失でいいか」


 そして金髪ロングのお姉さんに用紙を渡した。お姉さんはサッと用紙目を通した後。


「ではソガミさん、こちらへどうぞ」


 と言ってくれた。俺はエルマンの時に学習したのだ。名前が先で苗字が後だとな!見事に苗字で呼んでくれたよ。だけど記憶喪失には何も触れないのか……プロだな。その方がこっちとしても助かるからいいか。


 そのままお姉さんに案内されて行くと、広い場所に出た。


「ここは?」


「訓練場です。冒険者になるとここを自由に使うことができますよ」


 確かに数人の冒険者が何かをしている。


「では、実技試験を始めるので準備をお願いします。武器はこちらで用意した物を使ってください」


 お姉さんが手で示す先には、木製の武器たちが並べられていた。


「試験があるのは初耳なんだけど……武器は剣でいいか……」


 呟きながら木製の剣を拾う。


「準備が整いましたら、訓練場の中心でお待ちください」


 そう言われたので中心に向かう。そこには老齢という程まででは無いにしろ、肉体のピークは過ぎたであろう男が立っていた。


 周りで何かしていた冒険者たちは訓練場の端に行き、見物を始める。


「おい坊主!頑張れよ!」


 大柄な男から声援を貰った。面白がっている声色だった。


「それでは実技試験を行います。教官、お願いします」


「よし……早速始めるか。儂も久々で気合が入る」


「ちょっと待ってー」


 今から説明を始めようとしていた教官の言葉を遮り、訓練場の外周から細身の男がやってきた。


「今回もギルドマスターが相手を?」


「うん。そゆことー」


「ギルドマスター……これ儂の仕事……」


「教官はいるだけで頼りになるからねー」


 しょんぼりした顔で教官が肩を竦めて訓練場の端へと去って行った。


「では、お願いします」


「はい、お願いされました。アストルと申します。冒険者ギルド聖都南支部のギルドマスターやってまーす」


 挨拶を済ませて距離を取る。少し引いた目線でアストルさんを観察した。


 なんとなく軽薄そうな印象を受ける男性だ。身長はエルマンより大きいな……髪の色は緑がかった黒で、森が似合いそうだ。顔のパーツは整っていて、耳が尖っている。うん、イケメンだ。羨ましい……さて、もう一度この男性の特徴を言おうか。肌は白く、耳が尖っている。そう、耳が尖っているのだ。


「アストルさんはエルフなんですか?」


「ああ、僕はエルフだよ。珍しいかい?」


聖都には冒険者ギルドが東西南北で四つ存在します。

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