協調性がありませんでした!
「スライム強くね!?」
「おぉ、こいつぁつえーな」
神って!こいつスライムの神なの!?
「なるほど、彼が伝説のスライムの神だったのですね」
「俺も噂に聞いてはいたが、実在するとはな」
ぽよんぽよんはねてるスライムがまさか伝説のやつとかなんだよ!
「それにしても主よ、主のステータスは酷いな」
「うっ…。いや、お前らが強すぎんだよ!」
「いや、こいつはなかなかひでーぞ。俺でも見たことねー」
「え、そんなに酷いの?」
「あぁ、駆け出し冒険者に一撃でやられるレベルだ。なのにレベルが100とかもう勇者の素質ねーな。よかったじゃねーか、ちょうどこのメンドクセーこと押し付けられて」
「嘘だろ…」
俺の本来の目的強くなることなんだけど…。
「そ、そんなこと言ったらサタンのスキルだって街作りに関係ないじゃないか!」
「うっ」
「ラスボスとしては最高かもしれねーけど、なんだよ不器用って。そのまんまじゃねーか!」
「お、俺は魔族の王になるために育ってきたから必要なかったんだよ!」
「ふん、だけど今のお前は王になる前にただの労働者だけどな」
「お前燃やすぞ!」
「まぁまぁ2人とも落ち着いて」
「ていうか華、お前もだよ!そんなに美形なのに女とか聞いてないぞ!」
「そんなこと言っても仕方ないじゃないか、九尾の血筋は皆美形なんだから」
「羨ましいな!」
俺にもイケメン度を5000わけて欲しい!
けどまぁとりあえず全員のステータスを確認したけど、それぞれ適した役職がありそうで良かった。
今後の仕事の振り分けで困ることはなさそうだ。
「とりあえず、水源に行って2人と合流しよう。無事に回復しているかも気になるし」
「ふん、どうせ大丈夫でしょ」
本当にこのじゃじゃ馬だけは扱いにくい。俺の提案を聞きやしない。
「サシャさん、そんなこと言わないで見に行ってあげよう。彼女も苦しんでいたし心配だ」
「優しいわね、狐。森の中で人間を化かして苦しませているあんったちがよく言うわよ」
「今は関係ないではないか」
「おい、2人とも喧嘩してないで行くよ」
「ふんっ」
この先どうなるんだろう…。スライムの神様なんかさっきからぽよんぽよんしてるだけだし…。
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水源に着くと半身浴状態のキリがいた。さっきまでの青い顔から変わって血色のいい顔でニコニコしている。
「あ、みなさん!」
「おぉ!ククル殿達ではないか!」
「あ、キリさん。もう大丈夫?」
「え?な、なんで私の名前を知っているんですか?」
「さっきみんなのステータスを確認したんだ。それにしても、やっぱりレベル1の水源じゃ小さくて居心地悪そうだね」
「あ、そうでしたか。確かにここは狭いですかね。自由に動けないので少し窮屈です」
「最初にレベルアップさせる必要がありそうだね。ゴンゾも、キリさんをここまで運んでくれてありがとうね」
「ぶわっはっは!なにを言いますか!当たり前のことではないですか!」
いちいち笑うし声でかいしでウルサイなこいつ…。
とりあえず、まだステータスを確認できていない二人にみんなのステータスを告げると、やっぱりスライムのステータスを聞いて驚いていた。まぁ無理もないよな、スライムに神とかあったんだとか思ったし。
「よし、それじゃあ現状色々作ったけど、機能はしてない状態だから、みんなにそれぞれ仕事を振り分けようと思う」
「えー、ほんとにすんのー?」
「仕方ないだろ、俺の経験値のためだ」
「ならあたしたち関係ないじゃん」
「…まぁいいから手伝って」
「やーだね」
リリスはベーっと舌を出し、背中に生えた羽でふわふわと飛んで逃げようとした。が、サタンにドレスの首根っこをつかまれ、あえなく逃亡失敗した。
「いい加減にしろ。みんなやりたかないがやるしかねーんだ」
「…ちぇ」
ほんと前途多難だな…。
いつになったらまちづくりを出来るんだろう…。