仲間が増えました!
地面が揺れたかと思うと、地面から建物ががせり上がってきた。
「わ、わ、なななんだこれぇぇぇえ!?」
「いちいち驚くな」
「いやいや、こんなの初めて見たら驚くだろうが!」
地面の揺れも収まり、目の前に家が完成した。
「…おい、これでかすぎんだろ」
「え?そうかな?」
「当たり前だろ!なんでマンションいきなりたてんだよ!」
「ま、マンション経営者は一生安泰って聞くから…」
目の前に現れたのは高層マンションだった。カタログの中で一番目を引いたため建てたんだが…まずかったか?
「入居者どころか暮らしてるやつなんか俺らしかいねぇだろ…」
「あぁ、そっか」
忘れていた。俺らしかここにいないんだ…。
「で、残り何ポイントだ」
「あ、残りは1500ptだよ」
「すくねーな!?1400もかかったのかよこれ!?」
え、ポイントってそんなに貴重だったの!?
「チッ、こいつ計画性なさすぎんだろ」
「な、なんだと!」
「おい、次何か建てるときは俺に相談しろ、お前じゃ直ぐにポイントがなくなっちまう」
「りょ、了解」
そこから俺らは残りのポイントを使い「水源」「農地」「植林場」を作り、生活の基盤となるものを揃えた。
しかし、こうも簡単に作れてしまうとは魔王軍の力とは恐ろしいものだな。普通の人間がここまでつくろうと思えば何年かかることやら…。
「よし、こんなところか」
「なぁ、なんで農地とか植林場ががあんなに遠いんだ?」
「ん?あぁ、あれは住人増えたらわかるけどよ、近くに作っちまうと住人たちから苦情きちまうんだよ」
「苦情?」
「あぁ、畑を耕すために『肥やし』を使わなきゃなんねーから、どうしても臭うんだよ」
「こ、肥やしってなんだ?」
「馬とか牛の糞だよ」
「げ!?そんなもん使うのか!?」
なんで家畜の糞を使うんだよ!きたねーな!
「あぁ、栄養が豊富で作物の成長が早いんだ。街作りレベルが上がれば『肥料』ってのが作れて使わなくてすむんだがな」
「街作りレベル?」
なんだかどんどん置いてかれるんだが、コイツはなんでこんなに詳しんだ。
「あぁ、どんどん大きな街にして一定の条件を満たしていくといくとそこの『レベルアップ』ってのが使えるようになるんだ。そうすると作れるものが増えたりする」
玉で確認してみると確かに条件が表示されており、最初の条件が書いてあり、『住人を10人に増やす2/10』と表示されていた。
「10分の2ってことは、俺たちが住人ってことか?」
「あぁ、そうだ。とりあえず、残り5人は欲しいから残りのポイント500pt使って召喚しろ」
「げ、もうそんなにポイントないの」
「主にあのマンションのせいでな…」
反省してますよ。まぁとりあえず召喚してみるか。
玉をタッチし、召喚を5回押した。
すると目の前に
狐の尻尾と耳がが生えている人間『獣人』。
美しい尾ひれを持つ『人魚』。
小さいが力持ちの『ドワーフ』。
妖艶な姿の『リリス』
ぷにぷにした『スライム』
の5体が召喚された。
「最初に引いて助かるやつはドワーフと獣人ぐらいか…。リリスとか人魚なんて今いらないだろ…」
「ちょっといきなり召喚しておいてひどい言いようね」
「そ、そうですよ、サタン様…」
「なんだいここは!ぼ、僕はどこに来てしまったんだ!?」
「ぶわっはっはは!これはこれはサタン様!わがはいに期待して下さるとはおめが高い!」
「……(ぽよんぽよん)」
急に召喚されそれぞれ不満や感謝を言ったりぷにぷにしている。まぁ無理もないだろう、いきなり召喚されて意味もわからないだろうし。
とりあえず俺たちはここがどこで今の現状を説明した。