サタンが仲間に加わりました!
「おいお前、ここはどこだ」
出てきたのはなんとも偉そうなローブをまとった赤髪短髪で強面な男だった。
「こ、これが召喚?」
しょっぱなから頭の悪そうなやつが出てきたな…。
「もっとレアキャラみたいなやつだせよ…」
「あ!?なに急に人のこと見下してくれてんだ!?」
「わ、わるい」
「つうか、人の質問に答えろや。ここはどこだ」
「えっと、ここは西の国の端にある王国の東側にある小さな町のさらに…」
「なげぇよ!」
「ご、ごめんなさい!」
こいつ超怖いんだけど!!!
「おめぇ、俺が誰かわかっていてこんな辺境の地に呼んだんだろうなぁ」
「えっと、全くわからないので自己紹介してください」
「いいだろう、俺の名前はサタン。現魔王候補の一番手だ」
「サ、サタン!?」
「ふ、驚いただろう。まぁ無理もない。俺の名前を聞いたら怖がらない奴なんか…」
「ごめんなさい、そんな偉いんですか?」
「なんだと!?」
「いや、すいません。僕村から出たことないんで…」
「くっ!この田舎っぺが!人のことをこけにしやがって!」
頭にきたのかサタンは手のひらに炎をだした。
「焼き尽くしてやる!」
「ひぃ!ごめんなさい!」
「あ!?お前!その玉!」
「へ?」
とっさに盾として出した玉を見てサタンは目を大きく見開いた。
「お、お前その玉どこで!」
「え?うちの村にいた嘘つきじいさんこと魔王さまにもらいました」
「あのクソ親父!!!」
「え!?親父!?」
「そうだよ!俺の親父だ!クソ親父、家の家宝をなにさらっと人間にくれてんだよ!」
「え、これってそんなに凄い玉なのか!?」
「凄いっていうか、それは通称『玉』って言われてるんだが、正式名称は『侵略セット』っていう人間界侵略に使った古代兵器なんだよ…」
「そんなにすごいのこれ!?」
「はぁ…つまりは俺はお前に召喚されたのか…」
「え、いや、そうだけど」
「なら今お前が俺のご主人っていうことか…」
「え、そうなの?」
「クソ、なんでこんな冴えないヤツに…」
なんかすごい失礼なこと言ってないかこいつ。
「まぁ仕方ねぇ、契約は契約だ。ほら、玉を貸してみな」
「お、おう」
恐る恐る玉を渡すとなにやら入力し始め、しばらくすると『契約完了です☆』と可愛らしい声が聞こえてきた。
「ほら、これで契約できた。で、最初に何をすればいい?」
「ごめん、むしろ俺が何をしたらいいか知りたいんだ」
「はぁ!?」
「いや、俺も街作れとは言われたんだが、実際何すればいいかわからないんだ」
「本当に何も聞いてないんだな…。しかたねぇ、とりあえず家を建てるってところを押して、適当に家を建てろ」
「家を建てる…。これでいいか」
すると目の前に緑色の枠が出てきた。
「これは?」
「その緑色のところに家が建つんだよ」
「へぇ、楽だな」
魔界の建築って楽なんだな。
玉に表示されている『○』をタッチしてみると地面が動き出した。
「な、なんだ!?」