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僕は9ボルト  作者: 大友 鎬
A Harried Red
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悩んで、紅(8)

「これ、どうぞですぅ」

 伴がジムで運動していると、縁が苦情をまとめた資料を手渡してきた。

「そこにおいておけ」

 言って、ちら見した伴はその多さに少し驚く。

「あのぅ、桃山さんがこの資料も持っていけってぇ」

 持ってきた資料の山をふたつに分けて縁はベンチに置く。ふたつに分けた資料の比率は四対一ぐらいだろうか。

「資料を分けたのはどういうことだ?」

 理由をたずねると縁は比率が四の資料を指し、

「えぇと、桃山さんが言うにはぁ、こっちのは感謝のメールなんかをまとめた資料だそうですぅ」

「ハッ」

 伴は鼻で笑った。桃山はまだ伴が苦情を気にして落ち込んでいると思っているのだろう。

 だから縁にそれと対になる資料も持たせたのだ。

 ――余計なことを。

 と思いつつも、その思いやりが嬉しくて

「グワハハ!」

 笑いがこみ上げてくる。

「どうしたのですかぁ?」

「桃山には心配ない、と伝えておけ」

 苦情の資料に目を通して、平然と投げ返す。

 昨日とは打って変わって、何も堪えてないようだった。

 突如、鳴り出すアラーム。今日も機人が現れたようだ。

「さあて、今日も行くか」

 汗だくの伴はサウナスーツをわざわざ脱ぎ捨ててパンツ一丁で司令室へと駆け上がっていく。

「……」

 それを目の当たりにした縁は声にもならない悲鳴をあげて、目を伏せた。

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