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『024』
自分の部屋で紅茶と軽食をしつつ、エマは調合のことを考えた。
(クローゼに私のスキルを見せる準備をしよう)
クローゼが来る前に部屋で薬草を出しておき、テーブルに並べる。
調合に必要な道具は王都から持ってきているから、道具も並べた。
作る薬は薬草の種類によって決まる。
今日は採取した薬草は毒消しの薬草だったのがあり、毒消しの薬を調合しようと思う。
準備をしたらクローゼが来た。
「入るぞ」
「どうぞ。調合する準備はできました。これから開始します」
笑顔はなく入ってくるクローゼ。
室内で待つエマは緊張する。
「これが採取した薬草か。けっこう採取したんだな」
「うん、近くの森は初めて入った。薬草は豊富にありますね。また行きたいです」
「その話は後にしよう。まずは薬草の調合を見たい。俺の婚約者がどんな仕事をするのかは確認しておくのは俺の役目でもあるからな」
「開始しますよ」
クローゼは調合をしっかりと見たかった。
エマの近くに行って、立ったまま見つめる。
冷たい顔はいつものことだが、集中して見ることで余計に冷たくなった。
エマは緊張しつつ、テーブルにある道具を使い調合を開始。
(無言のクローゼに見られると緊張するなあ)
作業は緊張したけど、いつもの通りに落ち着いて作業をする。
いつものように作業しているようで、普段とは違っていて、エマの手元は震えていた。
震える手で道具の皿を持っていると、手が滑ってしまう。
皿がテーブルから落下してしまう。
(ああああ! 皿が落ちちゃう!!)
エマが慌てて手を伸ばすも皿は落下する。
「危ないぞ」
「わあああ、ありがとう」
落下していく寸前でクローゼがキャッチ。
皿は割れずにクローゼの手に。
割れなかった皿はそれでいいとして、エマは安心した。
(クローゼが皿を掴んだ! ナイスキャッチです!)
エマはクローゼが皿を掴んでくれて嬉しくなる。
この家に来て初めて優しくされたようにも感じた瞬間だった。
だがそれで終わらなかった。
クローゼが掴んだ皿をエマに渡してきたから。
皿をエマの方に向けて接近し,急激にエマに接近した。
「皿は大事にな」
「え、え、え、え、え、あ、はい、大事にします」
あまりの急接近にエマは完全に固まった。
(ち、ち、近いです辺境伯。近くで見ると凄い綺麗な顔。トーマスと互角な美しい顔です!)
思わず見入ってしまうほどの美しい顔をしているクローゼ。
近すぎるのはとても危険だった。
エマからしたら森で出会ったキラービーよりもクローゼの顔が危険すぎた。
そんな危機に面したエマとは違い、クローゼは平然と皿を手渡す。
そのまま薬を調合する作業をエマは続行となった。
見つめられても手元は確実に薬師スキルを使い、薬を調合した。
毒消しの薬草から、毒消しの薬を作った。
(よし、完成した! 毒消しの薬です)




