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告白@彼女

  告白@彼女



 私たちが付き合い始めて、もうすぐひと月が経つ。時間が過ぎるのって、早い。


 あの時、私はどうかしてたんだろうな。酔ってたのかも。でなきゃあんな事しないし、出来ないし。

 それほど、気が変になるほど好きだってことかな。だとしたらどっちみち重傷なんだけど・・・・



  七月十八日 曇り、後雨。

 今日、初めて、告白した。すっっっっっっっごい嬉しい!

 返事もいい返事だった! こんなに嬉しい事があってもいいんだろうか?

 そのときは、ホントに何にも考えられなくて、真っ白い世界に彼だけがぼんやりと浮かんだような、そんな、そんな感じ!

 もう、もう、もう! ああぁぁぁ〜! 私もうだめかも! とけちゃいそう!顔が熱いよー!

 告白の言葉!『あなた、だいきらい』・・・・

 きゃー! しぬぅ〜! はずかし〜!

 うふふ、幸せにひたって寝るぞ!


  ***


 いつだって、目線はどこかに浮いてる。

 特に何もないのに左やや上に顔をそむけて。


 ほら、今も。

 私の事なんて見てもいない。いないのと一緒なんだね、きっと。


 話しかけても笑いもしない。

 手にした本から目を上げもしない。

 私の話はそんなにつまらない?


 ねえ、聞いてる?

 答えはいつも、『きいてるよ。』



 椅子に横向きに腰かけて、足を組み替える。

 手にした本から目を上げて、窓から外を見渡してる。

 ・・・早朝の教室。


 おはよう、に対する返事はいつも『うん』


 ねぇ聞いて、こないだの模試悪くてね。

 久々にミサに抜かされたんだ。

 笑って、平均六十点くらいだったんだ・・・笑えるでしょ?

 ・・・ねぇ、聞いてる?


『きいてるよ。』


 ・・・聞いてないくせに。

 ばかみたい。

 私の中はあなたでいっぱいなのに。

 あなたの中に、私はいない。


『・・・あの日は雨だったしな。しかもあんまり寝てなかっただろ?頭痛薬も飲んでたし。ま、次、しくじるなよな。』


 え?

 知ってるの?

 聞いてたの?

 ・・・気づいてたの?


 雨の日は血圧が下がっていつも貧血気味な事。

 あの日眠れなかったこと。

 頭痛薬飲んでたこと。


 見てないようで、ちゃんと見てる。

 気のないふりして、気をかけてくれる。

 聞いてないようで、全部覚えてる。


 なんか、腹立つな。

 ばかにしてるみたいで。


 だから。

 仕返し。

 背中にまわって。静かに。

 静かに。

 抱きしめて。


『あなた、大キライ』



 ・・・ほら。

 なんでもないふりして。

 そんなの無駄だよ。


 だって、ほら。


 鼓動の音は、隠せない。


読んで頂き、誠にありがとうございました。

気に入って頂けたようでしたら@彼もよろしくお願いします。

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