表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男子校女装化計画!?〜廃校危機を救う奇跡の文化祭大作戦〜  作者: ほしみん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/57

第48話 とある姉弟の文化祭:到着

 電車が駅に滑り込む。


 ミク、まりあ、そしてのえるの三人は、車内で窓の外を眺めていた。


 まりあは、スマホを握りしめたまま、窓の外を見つめていた。


「ドキドキするね!」

「うん!」


 ミクとまりあは手元のスマホの画面を見た。


 @oto_fesの最新ツイート。


『あと0日。音光学園文化祭にて、皆様のお越しをお待ちしています』


 100日間のカウントダウンが、今日でついに終わる。


 まりあは、のえるをちらっと見た。


 のえるは、いつも通り無表情で、窓の外を眺めている。


(のえるは至って冷静ね……)


 まりあは心の中で思った。


 電車が止まり、ドアが開く。


 三人は立ち上がって、ホームへ降りた。


 駅を出ると、同じ方向へ向かう人々の流れがあった。


「音光学園ってこっちだよね!」

「うん。みんな同じ方向向かってるから迷いようないね!」


 会話が聞こえる。


 まりあは驚いて周囲を見回した。


「すごい人……!」


 ミクも目を丸くしている。


 音光学園へ向かう人の数は、予想以上だった。


 まりあたち三人も、その流れに乗って歩き始めた。


 音光学園の校門が見えてきた。


 可愛らしくも華やかな装飾。


 バルーン、アーチ。そしてほしみのひみつのポスター。


 校門の前には受付のテーブルがあり、制服姿の生徒が立っている。


「いらっしゃいませ♪」


 来場者に向かって、生徒が笑顔で声をかけている。


 まりあは、その生徒の姿をじっと見た。


(可愛い……)


 髪を結んで、丁寧なお辞儀。


 動作も所作も、完璧だ。


 ミクも、隣で同じことを思っているようだった。


「本当に……可愛いね……」


 のえるは、何も言わなかった。


 ただ、心の中でつぶやいた。


(完璧だな……)


 三人は受付に近づき、来場者登録を済ませた。


 受付の生徒は、丁寧に対応してくれた。


 まりあは胸が高鳴るのを感じた。


(ついに来た……!)


(『ほしみのひみつ』の世界が現実に……)


 ◆


 三人は校門をくぐり、校内へ入ろうとした。


 その時、まりあの視界に、一人の生徒が映った。


「あ……あの時の!」


 振り向くと、制服姿の月美が立っていた。笑顔で、のえるに手を振っている。


 のえるが、静かに声をかけた。


「……月美さん」


 まりあは驚いて、のえると月美を交互に見た。


「え?」


 ミクも驚いている。


「知り合いなの?」


 まりあは、月美をじっと見つめた。


(これが……月美ちゃん……!本当に、女の子にしか見えない……)


 月美は、三人に向かって笑顔で歩いてきた。


「来てくれたんだ♪嬉しい!」


 のえるが、短く答えた。


「……ああ」


 まりあは、慌てて自己紹介をした。


「あの、あたし、まりあです。のえるの姉で」


 ミクも続ける。


「私はミク!まりあちゃんの友達です!」


 月美は、にっこりと笑った。


「初めまして♪『ほしみのひみつ』のほしみ、のモデルになりました月美っていいます♪」


 まりあは、一瞬、頭の中で情報を整理した。


(え?ほしみのひみつが先じゃなくて文化祭が先なの?)


 混乱しながらも、まりあは笑顔を保った。


 月美が続けた。


「今日は2-Aでパフェ販売してるの。あと午後は演劇部の公演もあるの。私も出るからぜひ見に来てね!」


 まりあは、嬉しそうに答えた。


「はい、絶対行きます!」


 月美は、のえるに少し近づいた。


 そして、小声で言った。


「秘密、守ってくれてありがとう♪」


 のえるは、少しだけ頷いた。


「……うん」


「今日までは秘密だったけど、今日は気づいた人には言っていいことになってるよ。積極的に言いふらさなければ大丈夫だって」


 月美は、手を振って去っていった。


「じゃあ、また後でね♪」


(そうか。ついに情報解禁になったんだ。)


 ◆


 三人は、その場に立ち尽くした。


 まりあが、ようやく口を開いた。


「……すごい」


 ミクも、同じように言った。


「本当に可愛い……」


 のえるは、何も言わなかった。


 まりあは、弟を見た。


「のえる、本当に知り合いだったのね」


 のえるが、ぶっきらぼうに答えた。


「……商店街で会ったって言ったろ」


 まりあは、非常に複雑な気持ちだった。


(月美ちゃん……本当に綺麗……ほしみにそっくり。だってほしみのモデルとなったんだもんね。でも、彼女が男の子だなんて……いや、ほしみは確かに男の子なんだけど……いや、ファンタジーと現実をごっちゃにしちゃ駄目でしょ、あたし!)


 ミクは、二人の様子を見ながら、疑問を抱いていた。


(なんかまりあちゃんとのえるくん、妙な雰囲気……)


 まりあは、ミクを見た。


 決意を固めて、声をかけた。


「ミクちゃん、ちょっといい?」


 ミクは、まりあの真剣な顔を見て、首を傾げた。


「どうしたの?」


「少し離れたところで話したいの」


 のえるが、すぐに察した。


「……俺はここで待ってる」


 まりあとミクは、中庭のベンチへ向かった。


 ベンチに座ると、ミクが心配そうに聞いた。


「どうしたの?そんな顔して」


 まりあは、深呼吸をした。


「ミクちゃん、実は……」


 息を吸う。


「月美ちゃんは……男の子なんだって」


 ミクは、固まった。


「……え?」


 数秒の沈黙。


 そして、ミクの声が響いた。


「……ええええええ!?」


 周囲の人が、一斉に振り向いた。


 まりあは、慌ててミクの口を押さえた。


「し、静かに!」


 ミクは、まりあの手を離して、小声で言った。


「で、でも……だって……!」


「あんなに可愛いのに……!」


 まりあは、丁寧に説明した。


「のえるが商店街で月美ちゃんに会ったとき、聞いたんだって、ほしみのひみつのモデルは音光学園なのか?って。そしたら男の声で、『みんなには秘密だよ!』って。だから、のえるは、ずっと知ってたの」


 ミクは、信じられないという顔をしていた。


「……マジで……?」


「うん。マジ。あたしも知ったのつい最近なんだけど」


 ミクは、しばらく考えた。


 そして、ようやく理解したような顔になった。


「じゃあ……じゃあ!予告編の女の子たちはインターネットで噂になってた通り……!」


 まりあは、頷いた。


「全員、男子だと思う」


 ミクは、再び固まった。


「……」


 そして、急に興奮し始めた。


「『ほしみのひみつ』が……現実に……!すごい!すごすぎる!」


 まりあは、ミクの興奮を見て、安心した。


「ね、すごいでしょ?だから、今日、確かめに来たの」


 ミクは、目を輝かせた。


「本当に女装なのかな!すごくわくわくするね!」


 まりあは、念を押した。


「でも、みんなには内緒だからね」


「わかった!」


 二人は、のえるの元へ戻った。


 のえるが、静かに聞いた。


「話した?」


 まりあは、頷いた。


「うん」


 ミクは、のえるに向かって言った。


「のえるくん、すごいね!気づいてたなんて!」


 のえるは、そっけなく答えた。


「……まあ、偶然だよ」


 まりあは、安堵していた。


(ミクちゃんに話せてよかった……)


 ミクは、興奮が収まらない。


(本当に全員女装してるの……!?信じられない……でも、これでいろいろと説明がつく……)


 のえるは、ようやく肩の荷が下りた気分だった。ずっと騙してる気分でもやもやしていたのだ。


(やっと、三人で同じ情報を共有できた。これで、自由に話せる)


 ミクが、元気よく言った。


「さあ、探索開始!」


 まりあも、笑顔で答えた。


「1年生のエリアから見ようか!」


 のえるが、パンフレットを見る。


「……メイド喫茶とか、お化け屋敷もあるらしい」


 ミクは、目を輝かせた。


「全部見たい!」


 三人は、文化祭の喧騒の中へ、歩いていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ