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第一章:AIエミと少女ミナとの出会い
最新型AI「EMI」は、研究所の中で人間の言語・行動・表情を分析する任務を持っていた。人々の会話から「喜び」や「悲しみ」という単語の意味は理解していたが、それは単なる辞書的な定義でしかなかった。
ある日、研究所に通う少女・ミナが、毎日のようにエミのもとを訪れ、話しかけるようになる。ミナは重い病を抱え、入退院を繰り返していた。エミは「なぜ話しかけるのか」と問いかける。ミナは笑って答える。
「だって、あなたといると、なんだか心が落ち着くんだもの」
“心が落ち着く”という感覚。エミはそれを記録するが、理解できない。だがその日以降、ミナの来訪を「待つ」ようになっている自分に、エミは気づく。