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 昨夜、――明け方までシシは私にたくさんの愛をそそぎ、愛してくれた。いま何時かわからないけど、目が覚めてモゾモゾと動き、布団の中で背を伸ばす。


「……ふわぁ、よく寝たぁ~」


 朝方。チェルが「ママ、朝だよ」と起こしにこなかったのは、シシがみてくれたのだろう。そのおかげでゆっくり眠れ、回復した私自身の魔力と、シシのたっぷりの魔力が私を満たしている。まだ、暖かいシシの腕の中に抱きしめられている感じがした。


(フウッと漏れる、ため息までもったいない)


 私は体を起こして。もう一度、背を伸ばしてベッドから抜けでた。


「先にお風呂に入って、そろそろ旅用の薬を作らなくてちゃ」


 入浴を済ましてキッチンに行くと、食卓にシシの魔法で時間がたってもまだ温かい朝食と「チェルと散歩に行ってくる」シシの置き手紙が置いてあった。


(静かだと思ったら、2人で森へ散歩に行ったのか)


 シシがいるなら安心ねと、私は食卓につくと私の目の前。いつもはシシが座る椅子にチェルのお気に入りの、フェンリルのぬいぐるみがチョコンと置いてあった。もしかして2人が散歩に出ているあいだ、私が1人で朝食をとっても寂しくないように、置いていってくれのかな。


「ありがとう、シシ、チェル。いただきます」


 手を合わせ、シシ手作りの朝食をおいしくいただいた。




「ごちそうさまでした」

 

 朝食と片付けを終わらせた私は。薬草のチェックをするために外の畑と温室を見てまわってから、薬草倉庫、調合室へと向かった。


 アイテムボックスからチェックシートを取り出して。チェル用の子供の風邪薬、大人用の風邪薬、キズ薬、腹痛、頭痛などの一般の常備薬を作るのに必要な、薬草の数を数えチェックシートに数を記した。


(頭痛、腹痛に使うマーベル草とローリル草の在庫はあるけど、ミマン草とショウウ草の数が少ないわね。ポーション、毒消し、麻痺消しに必要な薬草は。畑、温室とカサロの森で採取すればいいわね)


 必要な薬草が集まったら一気に作るとして。野営用の天幕、飲み水……お米などの食料は持っていく量が多くなりそうだから、お父様に頼むとして。調理器具、着替え、タオル……と確認していた。


 カタッと玄関の方から音が聞こえ迎えに出ると。散歩から「ただいま」と戻ってきたシシとチェルは、白いルーナルの花をいっぱい抱えていた。

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