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 シシカバの広場で、昨夜作った2人が好きなハンバーグとコーンスープ。今朝作ったおにぎりと目玉焼きを詰めた、お弁当をアイテムボックスから取りだした。


 チェルはワクワクしたからお弁当箱の蓋を開き、大好きなハンバーグをみて、満面な笑みを浮かべた。


「あ、ボクの好きな、ママのハンバーグだ」

「ボクも、アーシャのハンバーグ好きだ」

「フフ、2人とも好きだものね。待って、いま……私はできないわね、シシ温めてくれる」

 

「いいよ、まかせて」


 シシはうれしそうに魔法でハンバーグを温めて、他に温めるご飯は? と聞いてきた。いつもは私が温めていたけど……。


(すごく嬉しそう、シシも頼られたかったのかな? だったら甘えちゃおう)

 

「ありがとう、シシ。コーンスープもお願いできる?」

「おう、いくらでも頼って」


 ニシシッと可愛く笑い。温めた料理を並べて、チェルと私の料理を先に取り分けてくれる。「さぁ食べよう」とみんなで「いただきます」をして食事をはじめた。


 チェルはお子様用の木製のフォークで、シシは大人用で、2人ともハンバーグを口いっぱいに頬張った。


「ハンバーグ、美味しい!」

「うまいな。コーンスープもいい」


「ほんと美味しい……やっぱり、みんなで食べるご飯は美味しいわ」


 昨日。1人で食事をとっていたとき、昔をふと思い出した。婚約者、王太子妃の頃から、公の場以外での陛下と王妃との食事はなく。


 殿下は執務、視察だと一緒に食事を摂ることが、段々と少なくなっていった。1人の食堂、1人の部屋での食事は、段々と味がしなくなっていったし。前世もそうだったと思い出した。


 殿下と離縁をして。カサロの森でシシと出会い、食事の楽しさを思いだせた。たくさん食べるシシ、好き嫌いなく食べてくれるチェルと、食べる食事は楽しくておいしい。



 食事を終えてた私たちは広場でまったりしていた。広場の中央に建つ、時計台の時計がボーンと鳴った。時刻は2時半、そろそろ冒険者ギルドに行く時間だ。


「シシ、チェル、冒険者ギルドに行ってくるわ。2人はここにいる? それともローレルのケーキ屋で待ってる?」


「んー、ボクお腹いっぱいだから。パパと、ここでママを待ってる」


「ボクもお腹いっぱいだ。チェルとこの広場で待っているよ」

 

「わかった、ギルドでポーションと無限ボックスを渡して、ギルドマスターと話が終わったら、すぐに戻ってくるわ」

 

 シシとチェルに広場で持ってもらい、私は冒険者ギルドへ向かった。


 


 アーシャを見送り、ボクは広場でチェルと遊具で遊んでいた。とつじょ、シシカバの街入り口から……なにか、変な感じがした。


 それをチェルも感じたのか、遊んでいた遊具から降りてボクに引っ付いた。


「パパ! パパ、変だよ」


「そうだね。でも、パパがいるから大丈夫だよ」


(この嫌な感じは……何者かが、魔道具を使用している?)


 ボクは怯えるチェルを、抱っこした。

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