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 動揺する私をみて、フッと笑い。フェンリルの姿に戻ったシシに抱えられてモコモコオオカミ、精霊たちが待つ村へ降りると、チェルがトコトコ走ってきて私に抱きついた。


「ママ、ママ、みんなをこまらす黒い霧は消えたの?」

 

「えぇ黒い霧は消したから、もう安心しても大丈夫よ」


 ほんと! よかった! と笑うチェル。その後ろから、古老のモコモコオオカミが現れて、私に頭を下げた。すると他のモコモコオオカミ、精霊たちが「ありがとう」「たすかった」「森がキレイになった」とたくさんのお礼を言ってくれた。


「みんなもお礼を申しています。ありがとう、誰もが太刀打ちできなかった……黒い霧を浄化してくださり、助かりました」


「キュ、キュ!」


「ウンウン、この黒い霧で両親を亡くした……孫のナナもお礼を言っております。あなた様が現れなかったら、この森は黒い霧に覆われて、我々は消えていたでしょう」


 涙する古老のモコモコオオカミ、ナナと呼ばれたモコモコオオカミと精霊たち。彼らはかけがいのない人を、多くの精霊をなくしたのだろう。


「私の浄化が間に合って、よかったです。何かありましたら力になります、私たちに遠慮なく言ってください」


「ありがとう」と精霊たちがもう一度頭を下げた。もうしばらくキレイな精霊たちと、この地に居たかったのだけど。約束を交わした、シシカバの冒険者ギルドに向かわなくてはならない。


 精霊の地へは。私たちの浄化の旅が終わったら、また来させてもらおう。私は古老のモコモコオオカミに。


「このあと用事がありますので、これで失礼します」


 と伝えた。


 

 私たちは「また会いましょう」と精霊の地を離れて。シシ、チェルと、シシカバの冒険者ギルドへ向かっている。精霊の地で浄化魔法をつかい魔力切れの私に、シシは本当に動けるだけの魔力しかくれていない。だからホウキにも乗れず、転移魔法も使えない私は、チェルとシシの背に乗って移動していた。


「アーシャ、チェル、飛ばすからしっかり捕まるんだよ!」

 

「わかった、パパ!」


「ありがとう、シシ。でも、シシカバまでは距離があるから……疲れたら言ってね」

 

「あぁ、ボクの大切な2人を乗せてる。無理せず、ゆっくり向かう」

 


 

 途中で休み、お昼過ぎにシシカバの街へと着いた。


 冒険者ギルドに向かうのは3時。まだ時間があるから広場でお昼をとろうと、2人にアイテムボックスから持ってきた服を取りだして渡した。

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