八十円で行く電車の旅【微炭酸が入った爽やかな甘さ】
小学三年生の九月の休日、あーちゃんから電話があった。
『ワコちゃん! 今から駅に来て!』
「え、なんで?」
『いいから、早く!』
そう言ってガチャと音を立てて電話が切れた。多分、公衆電話からかけているな。
あーちゃんはいつも突然遊びに誘うので私は特に慌てずにお母さんに「あーちゃんと遊びに行くね」と伝えて、お小遣いをもらって駅に向かった。
あーちゃんは私が保育園の頃からの友達だ。小学二年まではよく遊んでいたけど、三年生になってからクラスが替わってしまうとあまり遊ばなくなった。
あーちゃんは社交的な子だったから、例えクラスに友達がいなくても新しい友達を一日で作ってしまう子だった。
一方、私はどちらかと言うと、自分から話しかけられない子だった。どう話したらみんなの輪に入れるんだろう? とオロオロしてしまうのだ。それに友達の後を追って、自分から誘うような子でもなかった。それでも夏休みを迎える前には数人とはお話ししたり遊んだりしていた。
でもあーちゃんみたいに気の許せる友達じゃなかった。やっぱり数か月の友達よりも保育園からずっと友達だったあーちゃんは特別なのだ。
もちろん三年生になっても、あーちゃんとは一緒に遊んだ。でもそれはあーちゃんのクラスの友達も一緒だった。そうなってしまうとあーちゃんはみんなの輪に入ってしまって、私はいつ話せばいいんだろうとか、頭の中でグルグルと悩んでオロオロしてしまうのだ。
夏休みもあーちゃんと遊ぶことがあって、学校のプールとかも一緒に行った。でもその時も、クラスの友達を見つければ、あーちゃんはそっちに行っちゃう。
……もう二人でじっくり一緒に話す事なんて出来ないんだろうなと思うと、ちょっと怖くて悲しかった。
夏休みが終わって二学期になったら、どんどんと離れていくんだろうなと思った。
*
だからあの日もあーちゃんのクラスの友達を連れていると憂鬱になりながら駅へ向かった。
でも青いプラスチックで出来た長椅子にちょこんと一人で座るあーちゃんを見てちょっと驚いた。
「お待たせ、あーちゃん。他の友達はこれから来るの?」
「ううん。今日はね、ワコちゃんと二人で遊ぼうと思ったの」
そう言って勢いよく立ち上がったあーちゃんは「早く切符を買おう!」と言って、手招きをした。
あーちゃんの「二人で遊ぼうと思ったの」という言葉に、私はものすごく嬉しかった。そしてすぐにあーちゃんの後に続いた。
うちの駅はとっても小さな駅だった。コンビニとかそういったお店はなく、切符の券売機と小さな休憩所と自動販売機くらいしかなかった。
「どこに行くの? あーちゃん」
「んー、隣の駅まで」
まるですごろくのマスのような路線図を眺めながらあーちゃんは答えた。
小学二年の生活の授業で電車の乗り方を習ったし、お母さんとも一緒に乗ったことがあるので切符の買い方は分かっていた。
この頃の券売機はタッチパネルではなく、値段が光るボタンを押して切符を買うのだ。もちろんスイカはなく、駅員さんが一枚ずつ鋏のような物で切符をカチカチと切っていくのだ。
「ねえ、ワコちゃん! 飲み物買おうよ!」
あーちゃんがそう言うので私も一緒にホームにある自動販売機の所に行く。
カラフルな缶ジュースが並ぶ自動販売機を見ているとあーちゃんが「あ! これ、美味しいよ!」と言って灰色のウサギの絵が付いたピンクの缶ジュースを指差した。
それと一緒についている『微炭酸』という文字が見えて私は躊躇した。私は小学生でも炭酸の文字が読めたのは苦手なのだ。
「あ、炭酸が入っている?」
「うん、ほんの少しだけ」
明るく答えてあーちゃんは指さしたピンク色の缶ジュースのボタンを押した。
どうしよう、炭酸って口の中をパチパチと攻撃してくるから嫌いなんだよな……。でもピンクの缶ジュースは可愛いな……。いろいろと考えて、私もあーちゃんと一緒の缶ジュースを買った。
やっぱり灰色のウサギが描かれているピンクの缶ジュースは可愛らしかった。でもウサギのお顔がちょっと困った顔をしていた。
てっきり上りの電車に乗って栄えている隣の町に行くんだと思っていたけど、あーちゃんは下りのホームへ向かった。
下りのホームに行くために歩道橋を登って行く。ほんの少し涼しい風が吹いて、気持ちよかった。まだまだ暑いけど、風だけは秋っぽかった。
歩道橋を渡り切ると丁度よく電車が来た。
「ワコちゃん! 早く乗ろうよ!」
「あ、待って!」
私達は急いで電車に乗った。
下りの電車は空いていた。すぐにボックス席に座るとドアがプシューっと閉まり、ゆっくりと走り出した。
ボックス席に座ったあーちゃんを見て、いつもとちょっと違うと思った。テンションはいつもと変わらないし、お洋服も普通だ。そうだ、二つ縛りじゃなくて、一つ縛りなんだ。
「あーちゃん、今日は一つ縛りなんだね」
「あ、うん。そうなんだ」
ちょっと戸惑った感じであーちゃんは言った。
ガタンゴトンと音を立てて電車は走る。いつも上りの栄えている町の駅に行っているから、下りはちょっと新鮮だった。でも私達の町とそこまで変わらない。林があって田んぼもチラホラとある。
上りの方がデパートとかビルなどがあってワクワクするのに、なんであーちゃんは下りの方の電車に乗ったんだろう?
不思議だなと思っていると、もうすぐ駅に着くとアナウンスがあった。
「じゃあ、降りよう。あーちゃん」
「あれ? ちょっと待って」
あーちゃんが慌ててポケットの中を探る。
「切符がどこかいっちゃった」
「ええええ!」
切符を無くしたらマズイ! 私もイスの下を探したりするが、見つからない。二人で探しているうちに電車が停車した。
どうしよう、どうしよう、と通路を挟んた隣のボックス席の椅子の下も見るが見えない。紙の切符だから、どこかに飛ばされたかも。
「あ! あった! ポシェットの中のポケットに入れていたんだ」
「よかった! じゃあ、すぐに降りよう!」
あーちゃんの手を引いて電車を出ようとした瞬間、プシューと音を立ててドアが閉まってしまった。
「「あ!」」
私とあーちゃんを乗せたまま電車は走り出した。
*
え? どうしよう……。駅に降りれなかった……。
頭が真っ白になるくらい呆然としてしまった私。一方、あーあ、やっちゃったとばかりにバツが悪そうな笑みを浮かべるあーちゃん。
「……どうしよう、あーちゃん」
「しょうがないよ。次の駅で降りて上りの電車に乗ろう!」
不安で胸が苦しいくらいなのに、あーちゃんは随分と冷静だ。
「大丈夫だよ。前にお母さんと電車に乗ったことがあったけど目的の駅に降りれなかったら、上りの電車に乗って行ったんだ」
私は「へえ、そうなんだ」と言うが、それでも不安だ。だが更にあーちゃんは私の想像を遥かに超える提案をしてきた。
「ねえ、このまま海が見える駅まで乗ってみない?」
「……海が見える駅? 無理だよ! 私達の切符は隣の駅までしか行けないんだから」
「改札を出なければ大丈夫だよ」
「……もしここで駅員さんが来たら、どうする?」
「そうしたら寝過ごしたって言えばいいよ」
お茶目な笑みを浮かべながら言うあーちゃんに、私は舌を巻いた。
電車のボックス席に缶ジュースを置く丸くて平たいくぼみが二つあった。
「ここにジュースを置こう」
あーちゃんはそう言って微炭酸の缶ジュースを置いたので、私も同じように置いた。
私は黙ってあーちゃんの顔を見た。もしかしたら隣の駅までじゃなくて海の見える駅に行こうとしていたのだろうか? そんな疑惑の目を向けていた。
そんな事を考えている私を一切気にせず、あーちゃんは髪の毛をいじり始めた。一つ縛りが気になるのかな? と思っているとスルッとゴムが取れてしまった。
「あ! ゴムが取れちゃった! ワコちゃん、結んで!」
駅に降りられなくなった時より慌てるあーちゃんにちょっと笑った。そして「いいよ」と言って、私はあーちゃんの隣に座った。
「ワコちゃんはうまいもんね、髪を縛るの」
「妹が縛ってって言うんだもん」
私の妹はまだ保育園児で「髪を縛って」と私にねだるのだ。お母さんじゃなくて、私に縛ってと言うのはちょっと嬉しい。だから「髪縛りの係は和子だね」とお母さんが言ってくれるのも。
それを知っているあーちゃんも時々、髪を縛ってと言うのだ。
「二つ縛りにしてね。ゴムは二つあるから」
「……ねえ、このゴム。すごく伸びきっているよ」
「うん、お母さんに作ってもらったから」
あーちゃんの答えがちょっと噛み合っていないなと思いながら髪を二つに縛る。ゴムはピンクのハートのビーズがついていて可愛い。
そう言えばあーちゃんのお母さんは手芸が得意だったな。あーちゃんの学校の小物入れの袋なんかはお母さんが作ったものでレースがついていて素敵で、羨ましいかった。
「そう言えば、あーちゃんのお母さん、最近何か作った?」
「ううん。最近は刺繍も小物作りもしていないんだ」
心のなしか、あーちゃんの声が沈んでいる気がした。私は「大丈夫?」と聞こうとしたら、あーちゃんはポシェットの中からある物を出してきた。
「ワコちゃん、ジュース飲んでおかし食べよう」
そう言ってパンダの絵柄が付いたカップのお菓子を出した。思わず「あ、これ好きなんだ」と言ってあーちゃんがカップの蓋を開けるのを待った。
このお菓子は中にスティック状のクラッカーとチョコレートクリームとカラフルなチョコレートスプレーが入っている。スティック状のクラッカーにチョコレートクリームをつけてチョコレートスプレーでトッピングして食べるのだ。
甘くておいしいのもあるけど、トッピングできるのはとっても楽しい。でも配分を間違えるとチョコレートクリームが無くなってしまうのが難点だ。
「あー、クリームが無くなっちゃったね」
「まだクラッカーが残っているのに」
こうなるとクラッカーのみで食べる。クラッカーだけでも美味しいけど、やっぱりトッピングした方が美味しいな。
あーちゃんが微炭酸のピンクの缶ジュースを開けて飲み始めた。それを見て、私は恐る恐る聞いた。
「ねえ、美味しい?」
「うん、甘くて美味しいよ」
あーちゃんの感想に大丈夫かなと思いつつ、私も飲んでみた。
爽やかな甘さが口いっぱいに広がると同時に、軽く炭酸がパチパチとした。すごい、炭酸、飲めちゃった。前に飲んだ炭酸は口の中を目一杯強く攻撃してきたけど、この炭酸は全然強くない。私でも飲める。
「すごい。私、炭酸苦手なのに、このジュースは飲めたよ」
そうあーちゃんに報告して、ごくごくと飲んだ。
森の中にある暗く小さな駅に電車は停まった。
「あれ? ここの駅、駅員さんがいないよ」
不思議そうにあーちゃんは窓を見ながら言う。ホームも狭く、駅も簡素だ。私も見ると確かに駅員さんがいる気配がない。
「多分、駅員さんがトイレに行ってんだよ」
「あ、そうかも」
私達はクスクスと笑った。
次の駅は大きい駅で、近くにも駅があった。私が「ここ、駅が二個あるね」とあーちゃんに話すと、あーちゃんは教えてくれた。
「あっちはね、別の鉄道の駅なんだよ」
「へえ」
「今度、乗ってみようよ」
あーちゃんの約束に私は「うん!」と頷く。
発車する時、その鉄道と並走した。その時、窓を見ていた小さな子供が変顔を始めた。すぐさま、あーちゃんも変顔をする。まさかあーちゃんが変顔をするとは思わなかったのか、小さい子は顔いっぱいに笑った。
こんな風にノリがいいから、あーちゃんは友達が多いんだろうなと思う。
別の鉄道はすぐに離れてしまった。
あの頃はまだまだ鉄道は元気だったと思う。小さな子供が乗っていた鉄道は財政難で今は倒産寸前とも言われている。利用者が少ないと言うのもあるだろう。それに私達が乗っている電車も本数が減っていったし、無人駅も多くなった。
それから私達が座るボックス席もあまり見られなくなった。ある時、電車にボックス席がないのを見て絶望したこともあった。横一列に座れる席の方がたくさん乗れるからなのかもしれない。特に立って乗る人とか。
通学、通勤で私も電車に乗っていたけど、やっぱりボックス席は好きだった。窓の景色が見えるからだ。横一列の席だと見えにくいから。
*
あーちゃんとの電車に乗っているとゴウっとトンネルに入った。トンネルに入るとちょっとびっくりしてしまう。あーちゃんと顔を見合わせるとびっくりしたねと笑いあった。
やがてトンネルが開けるとパアッと明るくなり、青い海が見えた。
「あ! 海だ!」
太陽に照らされてキラキラと輝く波がとても綺麗な群青色の海だった。正直、海水浴に行った海より綺麗だった。
「綺麗だね、海」
「うん」
あーちゃんは心ここあらずで海を遠い目で見ていた。まるで何かを思い出しているかのように。
その後、電車から降りてあーちゃんは駅員さんに「電車の中で寝ちゃって乗り過ごしてしまいましたー」に大嘘言って、本来降りる駅までの電車を教えてもらった。優しい駅員さんは丁寧に教えてくれて、申し訳なかった気分だった。
海が見える駅のホームは空気も潮の香りがした。ずっと電車に乗っていたので、太陽の光がいつもより眩しい気がした。
「すごいね。海」
「ここね、お母さんと一緒に行ったんだ」
あーちゃんは海の水平線をじっと見ていた。相変わらず遠い目をしてる。
風が吹いて私が結んだあーちゃんの髪が揺れている。お母さんと何かあったのかな? 喧嘩でもしたのかな? と思った。
聞いてみようと思って口を開いた瞬間、『メリーさんの羊』が流れてきた。
「あ、電車が来るみたい」
ぱっと振り向いたあーちゃんを見て、聞くのを止めた。
上りの電車に乗っていると、あーちゃんは寝てしまった。私はずっと電車の窓を眺めていた。最初は不安でいっぱいだったけど、今は充実していた。こんな遠い所、お母さんと一緒でも行った事なかった。それから綺麗な海も初めて見た。後は微炭酸を飲んだこと。
あーちゃんが居なければ、こんな旅は出来なかっただろうな。そう思いながら窓を見ていた。
やがて本来、降りるはずの隣の駅に着いたのであーちゃんを起こして今度こそホームに降りた。
「起こしてくれて、ありがとう」
「また乗り過ごしたらまずいからね」
「え? そう? またずっと乗ってみようよ。今度は上りの電車の旅」
悪びれる様子もなくあーちゃんがそう言うので、私も笑ってしまった。
*
隣の駅はうちの駅より少し広いくらいで、特に変わらなかった。でも改札機があって、切符を入れると瞬間移動したように吸い込まれていった。
「ねえ、あーちゃん。どこに行く?」
「……お家に帰る」
そう言って券売機で切符を買うあーちゃん。ちょっと落ち込んでいるようにも見える。私は特に何も言わずに切符を買った。
改札機に切符を入れるとまた瞬間移動して、改札機の端に出てきた。それを取ってあーちゃんの所に向かう。あーちゃんは上りのホームのベンチに座っていた。
「あーちゃん。本当に帰っていいの?」
「うん」
私もあーちゃんの隣に座る。ホームの時計を見ると、まだ三時だ。門限の五時までまだまだ時間がある。
もう一度、あーちゃんの顔を見ると悲しそうな顔をして口を開いた。
「もしかしたらね、私、ここに引っ越しするかもしれないんだ」
「え? お父さんのお仕事の都合で?」
「ううん。離婚するかもしれないんだ」
「りこん?」
「結婚を無かった事にする事」
あーちゃんはそう言った。
あーちゃんの家族を思い浮かべる。手芸が好きで穏やかなお母さんだ。でもお父さんはどんな人なのか知らない。というか、見たことがない。
「最近ね、お父さんとお母さんが喧嘩ばっかりするんだ。お母さんなんか食器を投げてくるんだよ。私のね、お気に入りのマグカップも投げられちゃって割れちゃった」
「えー、あーちゃんのお母さん、そんな人に見えないよ」
「うちのお母さん、怒るとものすごく怖いんだ。もう口で怒るってよりも物を投げて怒るって感じ」
あの頃はよく分かっていなかったが、あーちゃんのお母さんは割と自分の思い通りにならないと嫌な人だった気がする。あーちゃんのお父さんも自分の意見があるから衝突をしてしまうのだろう。
「多分ね、離婚したら私、お母さんの実家があるここに行く事になるかも」
「え? 決定なの?」
「うん。昨日、私に言ったんだ。離婚したらお母さんの実家に引っ越すよって」
あーちゃんの声は沈んでいた。
「嫌だって言ったら、お母さんは怒ってまた物を投げるから『分かった』って答えた。でもさ、ここに引っ越したら学校も変わるじゃない。だから怖いんだ」
あの頃、その言葉を聞いて驚いた。すぐに友達が出来るあーちゃんも怖いって思うんだ、と。
でも今ならわかる。あーちゃんは明るく振る舞っていただけなんだ。お母さんの思い通りの子供にならないと物を投げられるかもしれないから。あーちゃんはそうやって生きてきたんだ。
それがあまりにも辛いことだって事を私が知るのは、もっと後になってから。
「遠くないよね。ここ」
ポツリと言ったあーちゃんに、私はすぐに頷けなかった。隣のクラスになっただけでも遠いなって思えるんだから。
でも「うん」と私は頷いた。
「だって海の見える駅よりも近いもん」
「だよね」
「八十円の切符を買えば遊びに行けるし」
「そう、そう」
「だから、遠くはないよ」
あーちゃんが悲しくならないように、私はそう言った。
*
結局、あーちゃんの両親は離婚しなかった。
「あのね、私がいるから離婚しないんだって」
そうあーちゃんは後日、嬉しそうに語っていた。私もあの頃は素直に喜んでいたが、今思うと残酷だ。あーちゃんが居なかったら離婚出来たって事だから。
あーちゃんのお母さんは怒ると物を投げる癖は直る事はなかった。あーちゃんは時々、お母さんの愚痴を言い、それを私が聞くようになった。それは他の友人には隠していた。
私はあーちゃんを微炭酸や新しい刺激を教えてくれる特別な友達だけど、あーちゃんも私は自分をさらけ出せる友達と思っていたんだろう。それはとても光栄だ。
私達は中学を卒業すると、高校に通うため電車通学になった。それから短大と職場も電車に乗って行く。だから私の移動手段がほとんど電車になっている。
でも人生で一番わくわくしたのは、あの八十円の切符で行った電車の旅だ。