終章:国王夫妻は相思相愛である
それから――オフィーリアさんの聖獣は、他者の聖獣を支配下におけるということが判明した。
その力はとても危険だけれど、オフィーリアさんによる精神攻撃の被害はまだたいしたことがなく、本人もとても反省しているということから、聖獣の力を封印するだけで落ち着いた。
あの日から、オフィーリアさんに嫌われるかと思った私は、むしろオフィーリアさんから尊敬の眼差しを向けられるようになった。
「ティファナ様はとても心が広くていらっしゃいますね。私にはどうしてあんな、変態が好きなのかわかりません」
「リオス様は変態じゃないです……私だって、リオス様のお写真をあつめたアルバムをつくっていますもの……」
「それは可愛いです。殿下は怖いです」
「オフィーリアちゃんは、人からちやほやされすぎて、人を好きになる気持ちがわかんないのよ」
「よいですか、オフィーリアさん……あなたの顔立ちなど、十人並み……本当のモテ、とは、聖獣の力に頼らず、自分でもぎ取るものなのです……私は数多の男の心を、自分の力でもぎ取ってきた女……」
「そもそも、どうして男にもてなくてはいけないんだい? 私は女性たちからよく告白されるが、嬉しいものだよ」
最初のころはオフィーリアさんに怒っていたリリムさんやエミリーさんだけれど、今では普通に話しかけているし、お友達の仲間に加えてくれている。
リオス様がいらっしゃる時は、オフィーリアさんは逃げるけれど――きっとそのうち、いいお友達になれるような予感がしている。
私とリオス様が愛の力で、王国を滅びから救った――みたいな話は、いつの間にか王国中に広まっていた。
かなり湾曲された話だけれど、ともかく愛の力で支配の聖獣を退けて、王国を救った、みたいになっていて。
王国の滅びを予言したもふまるは、予言の聖獣として皆にたたえられて、その羽根つきうさぎマスコットは、王国の子供たちの間で大人気に。
私とリオス様を愛らしく描いたプリントシャツも大人気になったらしい。
エミリーさんとリリムさんが「実家がまた儲かってしまって……お金はあればあるだけいいですからね……」「ありがとうティファナちゃん。ガッツリ儲けてるわ」と言っていた。
リオス様のご趣味については、一部の人たちしか知らないけれど。
私たちの間に入ろうとするような強者はもう現れないだろうとディオン様は言っていて、「ティファナちゃんがティファナちゃんだったから、王国の平和は守られてるんだよ」と笑ってくれている。
リオス様の愛はとどまるところをしらなくて、愛情いっぱいの学園生活を、私はとても楽しく幸せに送ることができた。
それからの話を少しすると――。
私の処刑はおこることなく、無事に学園を卒業して私たちは結婚をすることになる。
それからも、もふまるはいくつか王国の危機に関する予言をした。
私はそのたびに、リオス様と学園で仲良くなった皆と、それを退けた。
私とリオス様は王国民の方々から、愛の力で王国を守る国王夫婦として広く皆に親しまれるようになり――。
リオス様のお部屋には相変わらず私に関するコレクションが増え続けることになる。
子供が産まれると、子供に関するコレクションも増えに増えたけれど、お城は広いので収納には事欠かなかったのでそんなに問題はなかった。
後世の人々は、賢王と呼ばれたリオス様の残した詳細な私に関する記録について『予言の聖獣を持つ王妃を、特別に大切に扱っていたのだろう』『しかし、服を全て保管する必要はあるのか?』『服にも何か、神秘の力が宿っていたのかもしれない』と、語り合うことになる。
それがただの、リオス様のご趣味だと判明することはないのだろう。
だってそれは、私たちがいなくなったずっと先の話だからだ。
思いのほか長くなってしまいましたが、お付き合いくださりありがとうございます!
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