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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
世界の果て

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海辺の昼食

 メイドが運んで来た昼食、テーブルへの配膳をエリナの父は自ら手伝っている。彼、見かけによらず、偉ぶらない性格なのかもしれない。皿を並べつつブルーノは。


「エリナ、来るのなら、旅の書で知らせてくれればいいものを」


「あんな高価なもの、緊急事以外で利用するなんてあり得ないわ」


 エリナの父は、旅の本、フルシュ王と学園長が電報サービスで使ったのと同じものを彼女に渡していたようだ。旅の本はとても高価な魔道具で、個人所有している人などめったにいない。


 それを預けるというのは、父として娘を随分と気遣っているのだろう。


 このお父さん、実はツンデレさん? エリナがかつて言っていた、味噌っかす扱いなど見かけ上のことでしかない、彼女はとても愛されているのだと思う。


「まぁ、まぁ、この砂浜なら、私、直接ワープしても大丈夫なようですので、今後は先触れメッセンジャーを務めます」


 あ、今の発言、厚かましかった? それとなくリゾート利用をお願いしちゃってる? でも、いいじゃん、森と海、気分によってリゾート地を一瞬で行き来できるって、超贅沢だと思わない??


「クリティさんにメッセンジャーをやらせるなど、失礼ですので、そこまでは……。でも、本当に何かあったら必ず連絡するのだよ」


「分かってるって」


「いいじゃないか、心配してくれる家族がいるってことは」


「あら、ジャン、意外なことを言うわね。親離れできない娘とか言われると思った」


「ま、ま、みなさん、お話は、お食事を食べつつで」


 ふーーん、ブルーノの気配りが入ってしまい、会話が途切れたが、そういえばジャンの家族のこと、ちゃんと聞いてなかった気もする。


《楽しいのぉ〜 いや、楽しくて仕方ないのじゃよ、主様やその仲間といることが》


《次の転生もご一緒しますかな?》


《そうありたいが、難しいじゃろうなぁ。原則、妾とマスターとなる人との関係は一期一会と決まっておる》


《それは、オレがこの世界で死んで転生する時、記憶を無くし別人格としてどこかに生まれるという意味か?》


《そうなるのぉ〜 ま、悪魔とペアを組んでミッションを達成せよ、ということだから、神から見れば罰を与えているように感じるのじゃろう》


《なるほどなぁ、神と人、その視点は全く異なる、それは分かるが、少々、KYセンスに感じるな。オレも結構楽しいぜ》


《うむ、そう言ってくれると、嬉しいのぉ〜 記憶を失い転生というのも、神から見れば救済、人から見れば、ありがた迷惑かもしれん》


《いずれにしても、向日葵と関われる人生に三度目はないと考えた方がいいんだろうな》


《本来、一度きりの出会いが二度あったわけじゃ、それだけでも主様は幸運じゃろうて》


《そうだな、エルフの寿命、千年間を全力で支える! 今は、そう考えておくよ》


 で、本日の昼食は、急拵えとは思えない凝った料理だった。まず、ピサラディエール、ピザ生地によく炒めた玉ねぎ、アンチョビ、こちらの名物、オリーブを乗せ焼いたもの。玉ねぎの甘さとアンチョビの塩加減が絶妙だ。


 さらに、ピストゥ、バジル、オリーブオイルから作る冷たいソースをかけた、ニョッキ入りパスタ。もちろん、サラダ、スープ付き。まるで、ディナーのような豪華さだ。


 たっぷり食べて、少し眠くなったので、浜辺で昼寝。水平線に夕陽が沈んで行く。


《あの結界、どこまで続いているのかは、分からんが、夕陽は見えるんだな》


《あの結界には光学迷彩のような魔法がかかっていると考えればよかろう。夕日は結界外の景色をこちらに映し出している蜃気楼のようなものじゃろう》


《まぁ、とはいえ、地上に結界がある場所もあるはずで、誰も不思議に思わないというのは謎だな?》


《うむ、王、ギルマス、学園長、あれだけの教養人が、主様の「地政学」をコロンブスの卵だと言う。それも含めた推測じゃが、この世界の人々、神による心理操作を受けておる、と考えて間違いないじゃろ》


《だが、その心理操作は、ちょっとしたことで簡単に解ける、ごく弱いもの》


《じゃな、神はいずれ真実を知らしめるつもり、ということになるかのぉ》


《この世界の謎を探るというミッションには好都合だが、妙なタイミングで中途半端に解けた者がいると、やっかいかもな》


《宝珠盗難の犯人のプロファイリングか?》


《根拠のないただの勘だが。宝珠を集めれば「よいことがある」と勘違いしている奴》


《なるほど、それは一考に値する推理じゃのぉ〜》


「さ、そろそろ、お(いとま)しましょう。あまり長居すると、夕食の心配までさせてしまうわ」


 さすが姫君。「いいですのに」という、エリナとブルーノの誘いを丁重にお断りして、オレたちは海の家完備のシャワーを浴び、って、いやぁ〜、魔法のシャワー最高! 塩も砂も綺麗にとれちゃってスッキリ。着替えを済ませ、2号に乗り込んだ。


「お世話になりました! また、遊びに来てもいいですか?」


「ええ! いつでも、どうぞ」


 オレは砂浜から2号を十メートルほど上昇させ、ステラの格納庫までワープした。


「楽しかったね! また行こうよ」


「だな、エリナ、ありがとう」


「あ、うん」


「私も定期的に休暇を取るよう、注意していますね」


 姫さんは姫さんだね。常に他を気遣う、って、コレ、向日葵の性格ということでもあるな。

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