表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
ハーピィ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/144

木の葉落とし

 この状況を、一番、気にするのはエリナってことになるよな? 二つのベッドと仲間の顔色を順に見回した彼女は。


「大丈夫です。姫、クリティ、ドロシーは一つのベッドで、ジャン、しかたがないから、横で寝てあげるわ」


「いやいやいや、こう見えて俺、紳士でね。確か、荷物にシュラフがあったと思う。床で寝るよ」


《紳士? DTともいう》


《あのなぁ〜》


 前世、DTを恥ずかしがらない若者が増えていた。男性の未経験者は半人前と見做されるのに、女性の処女は珍重される。変じゃね? 男女同権になったってことかもしれない。


「遠慮しなくていいのよ」


 どこかホッとしたような表情でエリナが返した。


《彼女も? オイ! ディアが変なこと言うから、妄想が膨らむじゃないか》


《主様、それは、幻肢というヤツじゃな。失くしたアレが疼くのじゃろう》


《そこまで! 18禁じゃないからな》


 ということもあって、一つのベッドで、姫、ドロシー、オレ、もう一つはエリナが使い、ジャンは床にシュラフを敷いて寝た。




 翌、朝まだき、オレたちは暗い内に起き、ビスケットと水の軽食を食べ、ログハウスの外に出る。


 表では長のヨナ、その子のヨブ、孫のエリフ、さらには十名ほどのハーピィ族が緊張した面持ちで迎えてくれた。瑠璃色、金糸雀色、萌葱色……、皆、光り輝く美しい翼を持っている。


「お待たせしました!」


「では、行きましょう!」


 オレたちはカラマツの森を抜け、打ち合わせていた「迎撃拠点」に到着した。このあたりは高木が多く、すでにボーガンを抱えたハーピィたちが数十名、木の上で待機している。到着した一行も所定の位置についた。


「ああ、大丈夫、私につかまって」


 飛べないジャン、エリナ、ドロシーは、立ち上がって空を狙えるよう、丈夫そうな枝を探し降ろした。


「わーー、こんな高い場所、ワクワクしますね」


「なんか、高いところ、気持ちいいね。あ、ジャン兄ちゃん、気をつけて」


「ちょっ、ええええ! 下見ちゃダメですね」


「ジャン、高いところは苦手?」


「あ、ま、少々、でも頑張ります!」


 一旦、着陸したオレ、姫と長の二人は司令塔として地上に残っている。


「じゃ」


「気をつけてね、クリティ」


「くれぐれも、ご無理なさいませんように」


「ありがとうございます、では、いってきます!」


《あの石がいいかな?》


《じゃな》


 オレは、そのあたりにあった差し渡し一メートルほどの大石をPKで持ち上げつつ空に飛び立った。何をするのか? だって、まぁ、お楽しみということで。


 東の空に赤みが差してくる、そろそろ夜が明けるのだろう。オレは魔獣ザクルが寝ぐらとしている木々の上空に到達した。


 このあたり、トネリコだろうか樹齢を経た立派な木が多い。よりによって魔獣のヤツ、ハーピィたちが神域としている場所に巣を作ったようなのだ。


 だからさぁ〜 無闇にヨグソトースをぶっ放すわけにもいかない。オレはエプロンにいつも挿している、ミョルニルハンマー(改)を抜き、準備してきた大石を軽く叩いた。大石は粉々に砕け魔獣の巣に降り注ぐ。


 さぁ! 戦闘開始だ!


 アレ? 一気に一万羽の群れが襲いかかる、ということはなかった。彼らはなかなか賢い、いきなり上空から襲いくる敵、只者ではないと判断したようだ。


 千羽ほど五グループに分けた一団が、右から左からオレを目指してきた、ひとまず逃げる。


 飛行魔法は、時間と重力操作を同時に行なっている感じだ。なので空気抵抗はある、だが、体が焼き切れない程度までの加速ならできるはずだ。


 スピードでは絶対に負けないが、攻撃を受けず敵が見失わない距離を保つのは、なかなか難しい。


 三グループを引きつけながら、少しずつ、少しずつ、味方が待機する場所方向へ誘導していく。本来、敵に自分を追わせるというのは戦術として下策だ。魔法というものは詠唱するにせよ無詠唱にせよ、目標物を視認しなければならない。


 機関砲が前に付いていたレシプロ戦闘機のようなもの、と考えればいいだろう。後方につかれたら一方的に攻撃を受けてしまう、ということだ。敵もそれを知って、追いかけて来るのだと思う。


 残り、二グループは、どこ行った?


 ええええええ!!!


 ヤツらとんでもなく聡い。いつのまにか、二グループはオレの前方に回り込んでいる。囲まれた!!


 ピィーーンチ! でもないのだな、むしろ、この展開を待っていた。


 オレは瞬時に九十度機首を上げ急上昇に転じる。もし、オレがレシプロ機なら、あっという間に失速し、落下しているはずだ。コレ、木の葉落とし(マニューバ)という空戦技なんだよね。


 敵機にバックを取られた時の起死回生技、故意に無理な急上昇をして失速、落下することで、突然、敵の視界から消えたように見せる。


 そのまま落ちれば墜落ってことになるが、そこはパイロットの超絶テクニックで立て直し、今度は下から敵を襲い反撃に出る。


 だけど、重力魔法で飛んでいるオレは失速しないんだよね。五グループが追って来るのを確認し、十分な高度、三千メートルくらいになったら。


 フフフ、反則技のワープ!!!


 敵集団の真下に転移したら、もう遠慮することはない! ヨグソトースを魔獣集団のど真ん中に作る。黒より黒い、真の闇、禍々しい球体が現れたと思ったら、瞬く間に肥大化、その直径は五百メートルに達し、敵を包み込んだ。


ブーーーン、キュン!


 耳をつんざくような高周波を残し、五千羽の魔獣は跡形もなく消え去った。


 ヨシ! これで半分。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ