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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
卒業

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ゲンチアナクリスタル

 その場で宙返りしたオレ、ゆっくりと竜が落下したあたりに着地した。うん? 今、パンツ見えた? 下に人いないよな?


《ほら、ディア、履いててよかった、フリルのドロワーズ》


《うむ、この体、尿道や肛門はないが、ま●こ、はきっちり、あるからのぉ》


《て、さぁ〜 そういえば、こちらに来てから、女の子の日がある訳でもなし、そもそも、コレ何のためにあるの?》


《うん? 魂を食べるための消化器官?》


《て!! ま、いいや、とはいえ、公衆の面前に晒すのは、さすがに、悪魔とてNGだろ?》


《白木屋火災の二の前になるところじゃったかのぅ》


 すでに竜は、その体が薄く透け、光の泡に変わり始めていた。さぞや、どでかい魔石に結晶するんだろな? アレ? なんだ、おかしいぞ、光の泡が、高密度に凝縮していく。


 薄暗い夜の森、月明かりに照らされて見えたものは、瑠璃色に輝く直径三センチくらいの球体だった。なんだろ、コレ、強い魔力を感じるのだが、とんでもないレアアイテムかもしれない。オレはその珠をエプロンのポケットに入れ、再び空に飛び立った。


 随分と離れてしまったようだが、遠くにバンガローの灯りが見える。近くまでワープした。うん?


 下界を見ると、外に出て空を見上げる人が三人。えーーっと、スカートの中が見えないように、少し離れた位置に着陸した。予想通り、三人は、学園長、姫、エリナだった。


「お疲れ様」


 夜帰宅したリーマンの夫を迎えるかのように、平静な姫、ご飯にする? お風呂? それも、わ・た・し、とか?


「聞きしに勝る強さ、さすが、救世主様」


 エリナも冗談を言えるほどに落ち着いている。


「あのさぁ、エリナ、誉め殺しは止めて」


「いやはや、あれは神龍、世界に五匹しかいない魔獣の王ともいうべき存在ですよ! それをいとも容易く片づけてしまうとは……。そういえば、あの竜、何かドロップしませんでしたか?」


「ああ、コレですか?」


「おおおお! それは、ゲンチアナクリスタル(竜胆(リンドウ)クリスタル)という、宝珠に次ぐ強い魔力を秘めた魔石です。この色、瑠璃はヒーラー用ですから、ルルメリア姫の杖でも作れば、いいのではないでしょうか?」


「いただいてもよろしいのですか?」


「もちろんです、だって、クリティさんが倒したのですから」


 確かに、今回は「正当防衛」なのだから、ギルドに申請する必要もないはずだ。


「では、遠慮なく」


「さあ、もう安全ですから、学園長、みんなを呼んでバーベキューの再開を」


 この状況で、気付き早々にこう言える、姫、如才ない。


「そうしましょう。ですが、クリティさん、こんなところに、最強級の魔獣、やはり宝珠盗難絡みでしょうね?」


「学園長の仰りたいこと分かりますよ。私とて世界の綻び、放置できません、冒険者をやりつつ、調べますって」


《それは、それとして、あの竜、オレ目指して飛んで来たとしか思えないのだが……》


《あのクラスの魔獣となると、強い魔力を持つ好敵手を求め、襲ってくるということも、あると思うのじゃが》


《そいう単純なことかな? そもそもオレ、レベル偽装の指輪してるし……。これも神の計略?》


《さすがに考え過ぎじゃろ》


 そんな話をしている間に、姫とエリナが気を回して、皆を呼んできてくれた。幸いにして、避難のどさくさ紛れてしまい、オレが飛び立ったところを目撃した人はいなかったようだ。


 で、学園長お得意の情報操作だろう、本件、ちょっとだけ強い魔物が来たので、職員の中のハイパー魔道士が倒した、ってことになっていた。


 いずれにしても、バーベキューパーティは、以降、滞りなく終わり、バンガローに戻った皆は、テーブルゲーム、この世界にも人狼っぽい遊びがある、に興じ、少々夜ふかしをした後、それぞれの部屋に入って就寝した。


 オレ、姫、エリナは四人部屋に三人、オレと姫は二段ベッドの上下に寝た。


「ねぇ、クリティ、下、行ってもいい?」


「ちょ、姫、エリナがいます」


「違うわよ、エリナもよかったら、もう少しお話しません?」


「はい!」


 姫はオレたちに、世界の真実についての推理、彼女が思い描く仮説を、熱く、熱く語った。なんか、分かるよね、こういうところに来ると気分がハイになるし、あの竜退治も見たわけだしな。姫の一方的な饒舌多弁は明け方まで続いた。




 翌朝、朝食は持参したパンとハム類などで軽く済ませて、一行は帰途につく。さすがに寝不足でつらそうな姫とエリナだが。


「PKで浮かして運びましょうか?」


「ダメよ、変な歩き方になるからバレると思うわ」


「クリティは辛くないのです?」


「悪魔の体ですから、睡眠も本来不要なようです。だって、夢を見ないですし」


「寝ていても、周囲のことが分かる感じ?」


「当人は熟睡しているつもりで、翌朝、記憶がある訳でもないのですが、なんとなく音も気配も感じているというか……」


 そんな話をしながら、オレたちは無事学園に戻った。ふと、見渡せば明るい春の日差しの中、学園の花壇に植えられたパンジーの花が揺れている。


 お家に帰るまでが遠足です。いろいろあったが、卒業前のイベント、キャンプも無事終了した。


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