↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
冒険者の夢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/144

ブルーノ

 エリナと、いつもの温室裏に降りたオレ。


「ありがとう、クリティ、だんだん、私のこと信頼してくれるようになってきた、ってことでもあるのですわね?」


「信頼はずっと前からしていますよ。私の魔法、ちょっとヤバ過ぎというか、妄りに見せるものでもないかな、と考えただけです。でも、これから長くご一緒する予感もしますし」


「まぁ! 嬉しい」


 また、抱きつかれた。アレ、また、グニャるんだが……。


《主様、気をつけた方がよいぞ》


《うん?》


《こうなるのは、妾ら、悪魔の性、契約者に全てを捧げたくなる、らしい》


《「らしい」、って、なんだよ?》


《妾は、卑小な人間などと契約したことは、なかったからのぉ》


《じゃ、ディアはオレに処女を捧げたってことかい?》


《イヤン!》


《なるほどな、オレと君の結び付きから、類推せよということだな。善意を示してくれる相手に過剰な思い入れを持ってしまうのは、必ずしもいいことばかりではない、という意味か?》


《その通りじゃ、マサヨシの性格も相まって、思わぬアキレス腱になるやもしれぬ》


「姫様が、いらっしゃらなかったら、ほんと、恋人にしたいくらいですわ」


「ああ、アハハ、では、姫を迎えに行ってきます!」


「ねぇ、そもそも、二人乗りって、無理なの?」


「うーーん、原理的には十人だろと、百人だろうと、問題ないのですが、なんだか、掴まってもらわないと不安で」


「ウフ、クリティらしいわ」


「ああ、キスはダメ、ダメですぅぅ!」


 ということがあって、ほんと、充実した休日となった。うん、いいな、こんな日が、ずっと続けばいいのに! あ゛立てたね、今、オレ、フラグってヤツ。


 それからしばらくは再び平穏な日常、授業は三人並んで聴講し、ほぼ毎日のようにルルファンクラブをご招待したお茶会、いやぁ〜 茶葉がなくなるなくなる、めちゃくちゃなくなる。


 休日には三人でお買い物、ここは大学だけど、なんかJKっぽいというか、そんな日々が続いた。


 もちろん、オレの剣術・体術講座も適宜、開催している。二人は実技成績もかなり上がって来たようだし、オレはいまいち気乗りしないが、冒険者への道もステータス、レベルの上では十分にクリアできたと思う。


 でも、さぁ〜 マジでやんのかよ? 冒険者。まぁ、まだ、よく分からぬ神のミッション、探るには好適な職業ではあるけれど、それはオレ一人でやればいいことで。


《いや、そうでもないぞ、神が与えたこれからのミッション、実は主様ではなく、ルル姫へのもの、と考えた方がいいのではないかのぅ》


《ああ、そうか、オレは、彼女の道具だということを失念していた》


《こら、こら、非建設的な自嘲はやめよ。じゃが、姫の命令がないと主様は動けぬ、というこでもあるからのぉ〜》


《ま、あと一回くらいで終わってほしいものだが》


《じゃな》


 という感じで、ディアと話していた、ある日の夕刻。


「ねぇ、クリティ、お話中のようだけど、学園長が呼んでいるわよ」


「え! なんで分かる?」


「だって、集中していて管内放送も聞こえてないみたいだし」


 姫と二人で学園長室に向かう。ドアの前に立つと何やら言い争う声が聞こえて来た。一人はエリナじゃないか? もう一人は中年男性のようだが。


コンコン


「どうぞ」


「失礼します」


「あ! 貴女がルルメリア姫ですね! なんの意図があって、娘に妙な入れ知恵をなされたのですか!」


 うん? 話が見えん? ああ、エリナ、冒険者になる旨を父に言ったのか、で、お父様は、姫がそそのかしたと誤解している、ってところ?


「ブルーノ殿、どうか、落ち着いて」


「ああ、私としたことが、ルルメリア姫様に対し大変失礼な物言いをしてしまいました。姫様、どうかお許しください。私はエリナの父、ブルーノ・ルメールと申します」


「ルルメリアです、こちらは、私のメイド、兼、護衛を務めますクリティです」


 うん? ルル姫、一瞬にして、この場を読んだ? 何か、策ありとみた。ひとまず黙っていよう。


「誓って申し上げます。私が一番の親友であるエリナを(そそのか)すなど、あり得ぬ話です、ですが」


「ですが?」


「私の大望をお手伝いいただきたいと、お願い申し上げたのは事実です」


 お! 上手いな、微妙にニュアンスを変えつつの反撃。


「そうよ。お父さん、私はね、ただ、政略結婚から逃れたいだけの理由で冒険者を目指していた、だけど、お二人に会って、自分がいかに矮小な考えに囚われていたかを思い知ったわ」


 エリナもさすがだ。姫の誘導を見事に利用して、瞬時に理屈立てを考えた。


「クリティさんは、王さえも足下に跪かせる力をお持ちなの! お二人は世界の救世主たるべき人、そんな方々のお手伝いができるなんて、なんて光栄なことなのでしょう」


 ああ、確かにドルトニア王の禿頭を靴で踏みつけたことはあるが、いや違うぞ、あれは、むしろご褒美だったはずだが。


「世界の救世主だと! こんな場で、荒唐無稽な話は止めてくれ」


「そうでも、ない、と私は思いますが」


「が、学園長!」


 救世主、今までの流れを知っているオレたちからすれば、違和感のない作り話だが、ブルーノにとっては、妄想レベルの話に聞こえるだろう。


 で、それを学園長が是認してしまう、虚を突かれた彼の顔には驚愕の色が浮かんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。