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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
エリナ

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文化祭

 ということなのだが、冒険者の話はひとまず置くとして、エリナという存在は、姫の学園生活を大きく変えた。


 この学園は二年制で、姫が復学したのは一年の秋、すぐ二年に進級して冬を迎えたってことになる。


 で、やはりここは学校、前世のそれと同じようなイベントが存在する。ただ、日本と違い、秋入学ということもあって、それらは冬から春にある。冬休みはないが、文化祭のようなものが年明けに行われている。


 ちなみに、ここメディス学園がある地域は、旧地球でいえばフランス北部あたり、本来、冬はかなり寒く、雪が降ることだってあるはずだ。


 同じ地球と聞いて、このあたりは不思議なのだが、日本でいえば沖縄並みの暖かさがあり、この種のイベントには相応しい気候ではある。


 「文化祭」は、隣接する学園都市メディスタウン住人への謝恩イベントという意味合いもあるようで、学生や職員がフリマや屋台を出して彼らを持て成すというものだ。もちろん、楽器演奏や演劇なども有志によって行われている。


 また、ある夜のお茶会の時。


「ね、ね、ね、三人で演劇やりましょう!」


 予想通り、エリナ嬢、来るよね、これは読んでいた! すかさず、オレは。


「あの、演劇というのなら、脚本、それから、照明も必要ですよね。私、そっちをやりますから」


「クリティ、に・げ・た・なぁ〜」


「まんまは無理だと思いますが、私の頭にある前世の物語、脚本にできる気がするのです」


「え! それは楽しみかも」


 よし! うまく言いくるめられた!


「え、前世って?」


「ごめんなさい。まだ、エリナには説明してなかったわね。クリティには前世の記憶があり、どうやら、私と縁があるらしいの」


「ああ、なるほど……。二人は、ただならぬ関係だと思っていたけど」


「ですが、私はその記憶を話すことができないのです」


「ふーん、なるほどねぇ」


 って、アレ、エリナあっさり受け入れたな? ああ、そうか、魔法があって、稀ではあるが、転生者というものがリアルに存在する世界、前世の記憶なんて、超常的でもなんでもない、普通にある話ってことだよな。


《それは、そうと演劇だが、まんまじゃなければ、イケると思わない?》


《うむ、限界を試す実験という意味でも、面白いかもしれんのぉ》


 二人でのお芝居だよな? 二人といえば「ロミオとジュリエット」はどうだ? 二人で演じる名場面といえば「ああ、ロミオ、どうして、あなたは、ロミオなの?」


 でも、キャピュレット家の庭園だけじゃ、なにがなんだか分からないよな? 少なくともロレンスとティボルトくらいは出てこないと、ストーリーが繋がらない。


 二人、二人の物語?? 意外に難しいな。。。ああああ、そうだ!! 思い出した!


 よし、書ける、大丈夫、そのものズバリではなく、あのストーリーのイメージだけ活かして、オリジナルの物語にしてしまえば、書くことができる!


《寓話化するということかのぉ?》


《たとえ話にしてしまえば、行けるんじゃないかな? いや行けると思う》


 ということで、オレは前世の記憶を元に脚本を作成した。照明は魔法で動く学園設備があり、一人でも簡単に操作できるが、問題は音。ゼッドに依頼して効果音を出せる魔道具を作ってもらった。


 この世界、さすがにPC、ワープロのたぐいはないのだが、魔法のペンはスペルチェックもしてくれるし、消したり書き直したりも自由自在。


 コピーについても魔法があるので、あっという間にできてしまう。ちなみに、この世界に活版印刷は存在しないが、魔法コピーの威力で写本は簡単に作れる。


 ネットがないため情報流通速度は遅いが、「本好き●下剋上」とは違い、書籍はごく安価で、識字率はほぼ百パーセント、平民に至るまで基礎教養レベルはかなり高い。


 で、魔法の力で台本をコピーしての本読みから、立ち稽古、学園長の計らいもあり、事前に人払いをして、小屋入り、場当たり、ゲネプロまで、キッチリ準備した。




 そして、そして、演劇本番の日。


 学園にはニ百人ほどの観客が入れるホール、舞台付きの施設がある。生徒や職員、街の住人を中心に、満席となった午後の部、ついにオレたちの劇が始まった。


 タイトルは「人形の涙」。


 背の高い姫には男役をお願いした。こちらの世界にも男装の麗人という言葉はあるようだ。髪を後ろで結んで長髪風にし、黒っぽいスーツ姿のルル姫、なかなかカッコいい。


 胸を「潰して」平に見せるタンクトップ、いわゆる、ナベシャツも存在するので、着込んでもらっている。


 相手役のエリナはメイドという設定なので、姫の実家に戻ってメイド服を借りてきたのだが、オレの趣味というか、たっての希望で、空色ロングヘアーのウイッグを着けてもらった。


 さて、舞台の幕が開く、万雷の拍手。二人とも落ち着いてるじゃん。クラ……なんとか、突然、声が出なくなって、お父さん飛び込んでくる、な〜んて、ないからな? 


 オレさぁ、前世で気になってたことあったんだよね。アニメで時々、声優さんじゃない声の出演あるじゃん? ま、アニメもビジネスなんだから、俳優やアイドル使って宣伝するってのはいいんだけどね。


 出演する人の姿勢というか、アニメ舐めてんのか! みたいな人、いるよね。その棒読みなんだよ! 真面目に練習してこいよ!


 ということもあって、かなりマジで演技指導したんだよ。うん、うん、うまいうまい、腹から声が出てて、滑舌もいい、マイクなしでも最後列まで声が届いてる! あれ? 魔法? かな。


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