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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
この世界は

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姫との休日

「じゃ、クリティ、何か食べに行きましょうか?」


「はい」


 オレたちは道具屋を出た、屋外にパラソルを立てて営業しているカフェに入る。


「私にはアイスティーとワッフルを」


「では、私も同じものを」


「て、大丈夫?」


「なにが?」


 出てきたもので納得した。いや、甘い物は嫌いじゃないけどさ、なに、このデカさ。ワッフルということなのだが、その土台が見えない。生クリーム、チョコレート、苺などのフルーツが、これでもかっ! というくらい盛られていた。


「クリティ、普段は少食だからさ」


「この魔法の体、食べてもMPに変換されるだけなのです」


「羨ましいわ、全然太らない、ダイエット不要ってことでしょ?」


「それはそうですが、成長しない体というのも、なんだか」


 何気ない会話をしながら秋の午後が過ぎていった。この町は学園からの税収で豊かなのだと思う、よく整備された街路には、ポプラ、イチョウなどの木々が、そろそろ紅葉の準備を始めていた。


 木々を渡る風にベルガモットの香が混じる。心安らぐ時間だが、いつも、常に、オレの心には、これでいいのか? という貧乏神が顔を出す。


 でもな、姫の安らいだ顔を見ろ! どうだい? な、大丈夫、向日葵に言われたろ? オレなんかで、という台詞は禁句だ。


 それに、それにだ、オレたちには、まだ、やるべきことがある、さっき、それを知ったばかりじゃないか! 前向きに、前向きに……。


「そろそろ、できたかな? 道具屋さんに戻りましょう」


 道具屋に戻ると、すでに手袋へのエンチャントは完成していた。


「どうだい、我ながらいい出来だ。嵌めてみてくれ」


 なるほど! 手袋の履き口のところのボタンをうまく改造して、ピオニークリスタルを嵌め込んでくれたようだ。軽い付け心地が心地よい、軽く板を殴らせてもらったが、反動を吸収し、なかなかの高性能に仕上がっている。


「ありがとうございます!」


「気付いたかい? 可愛いお嬢さんだからさ、香水付き」


 あああ、なるほど! 微かにピオニーの香りがする。て、コレ、猪寄ってこないの?


《問題ないと思うぞ》


《そうなのか?》


《クリスタルまんまの時は、その香りに人の嗅覚では感じられぬフェロモンが混じっておったが、加工後はただの香水になっておる》


《なるほど!》


「すばらしいです。で、お代の方、本当にいいのですか?」


「ああ、全然大丈夫。そうだ、まだまだ余るから、今度来た時にもタダで何か作るよ」


「さすがに、それは、申し訳ないし」


「いや、なんだか、アンタ、ああ、クリティと呼ばせてもらおう、を見てるとさ、血が騒ぐんだ。計り知れない高レベル魔道士に道具を提供できるなんて、職人冥利に尽きるってもんよ。せいぜい、ご贔屓に」


「アハハ、それは買い被り過ぎでは? でも、また、よろしくお願いします。ゼッドさん」


「今日は、いろいろありがとうございました」


 二人は軽く会釈をして道具屋を出た。


「さて、姫、戻って夕食ということですが、私、もうお腹一杯で」


「まったく、だらしないわね。スイーツは別腹でしょ?」


 と言いつつも、今夜の夕食は一人分を二人でシェアした。夜、部屋に戻ってシャワーを浴びる。


「姫様、指貫グローブの方を仕舞ってこようと思いますが、何か持ち帰る物はありますか?」


「特にないかな。じゃ、いってらっしゃい」


 部屋の窓を開け、オレは夜空に飛び立った。姫の私室の魔法陣の中にワープする。結界を切り、魔法陣から出て、箪笥にグローブを片付け、ふと、後ろを見るとテーブルの上に何か載っている。


 うん? クッキー缶? 付箋が付いていた。


〜**

 クリティ、お帰りなさい。折角、戻ったのだから、お茶でもと言いたいとろだが、何かと忙しいのだろう。このクッキーはルルメリアの好物だ。一緒にお茶を飲む時にでも。

**〜


 ルル姫の父、なんていうか、王様らしくないよな? 普通の父さんぽい。きっと、エルフと人族というのは、権威というものの考え方が根本的に違うのだろう。オレはクッキー缶を持って魔法陣の中に入り、結界の作動を確認した後、学園に戻った。


 コンコン


 部屋の窓を叩くと、ルル姫が開けてくれた。


「おみやげ、部屋にクッキー缶が、置いてありました」


「あら、お父様、気が利くわね。このクッキー、シンプルなバター味だけど絶品よ、お腹一杯の今、食べるのはもったいないから、ちょっと特別な日に」


「はい。では、寝ましょうか?」





 翌日からまた座学授業が始まった。この世界、前世の中世によく似ているが、それは見た目だけ。魔法が存在し、我々がいる惑星、いや、宇宙までもが、オレの知る「常識」とは異なる何か、だろうと思っていた。


 だから、今までは何もかもを、そんなものだ、と受け入れることができていた。だが、ここが地球の一万年後だと知ってしまうと、いろいろな点で、違和感を感じてしまう。


 授業では、地球、この星が丸いとは教えていない。こんなにも文明が進んでいるのに未だ地球平面説で、世界地図は旧地球のヨーロッパ近辺のものしかない、なぜだ??


 そもそも、世界人口が全ての種族合わせて五千万。ペスト大流行と百年戦争で人口が激減した、15世紀初頭のヨーロッパ並みだ。いや、ここ、医療技術は21世紀なんですがっ。


《この違和感、どうやって、姫に伝えればいいと思う?》


《ま、慌てるでない、おいおいな》

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― 新着の感想 ―
[一言] う"。そうか、クリちゃん排泄できないから、 全て身になるのか。 なんて可哀想な状況。。。 燃費がいいと喜ぶべきか、 多くを味わえないと嘆くべきか。。。
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