表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
メディス魔法学園

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/144

学園長

 学舎の造りはルネッサンス建築に相当するだろうか、燕児色の屋根と白く塗られた壁が美しく、半円状のアーチが印象的な建物だ。


 オレたちは学舎の正面玄関を抜け、真っ直ぐ学園長の部屋に向かった。無垢のチーク材製ドアをノックする。


コンコン


「どうぞ、開いてますよ」


 学園長は女性のようだ。静かなアルトが聞こえてきた。


「失礼します」


 白髪まじりの黒い髪にブルーアイ。コーカソイド系にも見えるが、やや肌が浅黒く、前世でいうところのアラブ人に近い気がする。歳の頃は五十代後半か。小柄で上品な感じのする女性が、にこやかに迎えてくれた。


「そちらにおかけください」


 学園長は執務机から立ち上がり、オレたちにソファーを勧めつつ、向かいのシートに腰掛けた。


「貴女がクリティさんですね。アグスチヌス王から、お話は伺っております。初めまして、私は、この学園の(おさ)を務めます、アミーナと申します。どうぞ、遠慮なさらず、お掛けください」


「いえ、私は、姫様の使用人でございますから」


「貴女が姫の使用人というのはフルシュ王国内のお話です、学園での貴女は聴講生、生徒ですよね? 我が学園に学ばんとする者、皆平等というのが、ここでの決まり。ですから、どうぞ」


「では、お言葉に甘えて」


 オレは、姫の横に座った。だけど、学園長、なんで、オレの名前はおろか、事情まで心得てるの?


《ディア、この世界に電話とかないよね?》


《ああ、それはのぉ》


 ディアによると、この世界に電話というものが存在しないのは、確からしい。だが、電話に代わる通信手段、魔法の通信本というものがある。二冊セットになっていて、一冊に記入した文字が、もう一冊に現れ出るという魔道具だ。


 これを使った電報屋が各街に存在するとのこと。ルルの父、王様はこのサービスを使って、学園長に事前の根回しをしてくれたのだろう。


「改まして、クリティでございます。ルルメリア姫様のメイド、兼、護衛としてお仕えさせていただくことになりました」


「まぁ、貴女、冒険者でもいらっしゃるのですね。お若く見えますが、頼もしい護衛さんですこと」


「学園長、この度は、私の我儘で、大変なご迷惑をおかけしました……」


「もう、それ以上、仰らなくて結構です。お父様から、ちゃんと事情を伺っておりますから。ルルメリア様はこれから、遅れた分、頑張って勉学に勤しんでください」


「ありがとうございます」


「お二人とも着いたばかりでお疲れでしょう、今夜はお部屋でゆっくりなさってください。ああ、クリティさん用のベッドと机、すでに準備しておりますので」


「あの、折角のお取計なのですが、警護の関係がありまして、ベッドは一つで問題ございません」


 ちょ、姫様、何、言ってるの?


「左様でございますか、では、ベッドは片付けるとしましょう。お国同士のお話、私などが口を挟む立場にはございませんが、姫君様のお立場では、何かとご心労も多いと拝察いたします。ですが、ここは学舎(まなびや)、国際条約により、その自治はもちろん、治外法権が認められております、どうかご安心ください」


《何度も申しておるじゃろ? 妾は、なんの問題もないぞ。あれは、あれで悪くないからのぉ〜》


《って、ディア、唐突に出てきて、妙に含みのある言い方、言いたい事は他にあるんじゃないのか?》


《ああ、この学園長、見た目はソフトじゃが、なにか食わせ物の匂いがするぞ。気を付けておけ》


《宝珠の件、知っているような口振りだな。だが、ここは教育機関だぞ。彼女と王が親しいが故、内情を包み隠さず話しただけ、ではないのか?》


《いやいや、主様は、まだこの世界の事、知らなさ過ぎる。地球の学校とはちと違うのじゃよ。主様に危害が及ぶという意味ではないがの》


《オレに危害が及ぶ事態って、もはや戦争だろが!》


《アハハ、そうじゃな、妾もそれを忘れておったわ》


「では、まだ少し早いですが、食堂で夕食でも召し上がって来られてはいかがですか?」


「はい、そうさせていただきます。では、学園長、引き続き、よろしくお願いします」


 オレたちはカーテシースタイルのお辞儀をして、学園長室を出た。


「ねぇ、クリティ、一歩下がって歩くとか、なんだか、メイドの仕草が板に付いているわね」


「あの、それは……」


「言えないということは、前世の知識かな? だけど、改めて言っておく、貴女が私に仕える身だというのは、あくまで建前、そう言わないと、貴女が生きる選択をしてくれなかったから、止むを得ず命じたこと。いいわね、愛は対等、私の気持ちに変わりはないわ」


「ありがとうございます」


「もぅ、そういうところよ! だから、借りとか貸しとかは、ナシ! ね。ところで、その服、活動的な前のに比べ、ヒラヒラして歩きにくくない?」


「それは大丈夫です。私、正確には歩いておりません。僅かに浮かんでいるのです」


「そうなんだ! 道理で足音がしないはず。でも、メイド服姿のクリティ、とっても可愛いわ」


「そうですか?」


「あ、赤くなった。ますます、可愛い❤︎」


「ああ、人目がございます。ここで、そのような……」


「じゃ、お部屋でゆっくりね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりんこ( ´罒`*)✧" 学園ですか。 学園いいですね! 私もできる限り、授業内容とか書きたいんだけど 想像力がついていかなくて(ᐛ;) 精進あるのみですね。。。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ