終わりと始まり
こんにちは
近頃寒くなってきて冬眠のための準備を始めました
『Hope for freedom』
変わらぬ朝の道。変わらぬ太陽の眩いほどの陽光、変わらない友との会話。そしてそれら全てをまとめてくだらない日々。
天は二物は与えぬなんて言葉があるが俺は天に一物も貰えないゴミなんだ。
優斗はそんな日々に嫌気が差し始めていた。
そんなある日。
死のうかな、、、俺の中にある1つの邪念が感情が湧き出てくる。
『ちょっと良い?』
進級して2年になった5月の中旬。
唯一無二の親友の桐山 直也に4時間目終了後すぐに話をかける。
『おう、なんだ?昼なら誘わなくてもお前の席に行く予定だから安心しろ!』
と、直也はいつも通り優しく接してくれる。
直也は俺とは違いバスケ部に入っていたり、色恋沙汰は聞かないがかなりモテるらしいので勝手な推量だが多分彼女はいる。
そんな直也に身勝手な事をさせてしまうのは重々承知の上で屋上で食べようと話を切り出すと満面の笑みでオーケーと帰ってきて早速屋上に向かう。
『それにしても《最近良い天気》だよな』
『そうだな』
直也と共に屋上に向かう途中な廊下にて窓から外を眺めつつそんな話をする。
確かに直也の言ってた通り最近快晴が続いていて4月と言うのに夏の頭くらいの気温を記録している。
正直冬愛好家の俺からすれば今の気温は暑い。
『それでどうしたんだよ、』
屋上に着くと直也は俺の奇行に何かを感じたのかいつもとは相違な顰蹙した顔で尋ねてくる。
『あぁ』
言う事はもう決まっているし簡単な事なのに何故か口を閉ざしてしまう。
少し沈黙が続くと
『なんだよ、、はぁ、まあとにかく昼も無限じゃないし飯にするか』
直也は俺の様子から簡単な話じゃないと悟ったのか問い詰めてくるわけもなく昼を進めようと提案してくれて『うん』と、小さく返す。
やっぱり直也はすごい、俺とは違い相手の様子からどうすれば相手が悲しまずに済むかを察してすぐに行動できる、この直也の優しさにこれまで何度も何度もつまらない日々から俺を助けてくれた。
だがらこそここで言わなければと思い、三度口をさっき言えなかった言葉をしっかり声にだす。
『その直也に聞いて欲しいんだけど、』
『おう!なんだ』
『そ、その』
直也なら何を言っても多分大抵受け入れてくれる大丈夫。
『その、俺さ死のうと思った、、』
後半に連れ消え入るような声で母さんの作ったご飯に目をやりながら言葉を連ねる。
それから少し沈黙が続く。
俺はこの沈黙が何故か嫌で直也に目をやる。
直也は端的に言えば泣いていた。
その光景にとてつもない罪悪感が湧いてきてすぐさま『なーんて、冗談言ってみたり』と、笑顔を繕い『なーに泣いちゃってるんだよ』と、続ける。
自らの言葉で心に薔薇の棘が刺さっているかのような感覚に陥る。
また、俺は嘘を付くんだな、、、、、
『理由を教えろよ』
少しして袖で目を擦り涙を拭った直也がこちらを伺いながら尋ねてくる。
『いや、その』
また言葉が伝える前に地面に堕ちる。
理由そんなのもとよりわかっていた。生きれる価値を見失ったそれだけ。
だけどそれは俺の日常の画面に常に居てくれた直也の存在を否定している事でもある。
『それすら教えてくれないのか?』
そう言われ背筋が凍る。直也の言葉は、寂寥感が含まれておりとても今の状況を作ってしまった自分に嫌気が差す。
『それは、そのなんか俺はさ多分いや絶対にこの先、生きててもなんもないんだよ』
主語述語ごちゃ混ぜで初めて本音を友に伝える。
『そんな事思っていたのか?』
直也は少し怒りを含めた強い声色で咎めてくる。
『あぁ、多分死ぬべきなんだ』
『やめろって言って止まるか?』
『多分それはないかな、』
直也は、やめろとは言わず俺の意思の強弱を尋ねてきたのですぐに意思の強さを主張した。
『なら、お前の人生を少しレンタルさせてもらえないか?』
『えっ?』
さっきまでは心配してこちらの容態を伺う感じだったのに対して唐突に駆使させてくれと言われて呆気に取られてしまいつい惚けた声が漏れてしまう。
『だから、死ぬのは変わらないんだろならさ少し長生きして俺の為に動いてくれよ』
直也はいつもより残酷的な心身と声色でスラスラ言葉を並べる。
『そうか』
『なら約束なこの1年いや、俺の夢が叶うまでお前は俺の為に生きていてくれよ。』
『うーん、考えてもいいか?』
『いや、すぐに決めて欲しい。もし、手伝ってくれるならお前の『願い』も叶える』
え?直也はそんな意味深い事を言う。しかし、俺はその事がなんとなくわかる。
『なら、わかったその契約なら手を貸すよ。俺の人生の最後少し直也にやるよ』
『じゃあ約束な!』
『で?何だよ何を達成すれば願い叶えてくれるん?』
『同じクラスに桜山 美奈って女子いるじゃん』
『桜山?あーなんか去年の学園最美トップ5にいた人?』
学園最美トップ5とは学芸祭に行われる行事で、クラスから男女2人ずつこのクラスの美少女、美男子はこいつらだ!と決め、そして選ばれた2人が承諾したら学園祭で出場するという、まあ所謂1つの学祭イベントである。
『そうそう、俺、俺さ美奈さんが好きなんだよ』
えっ、唐突に言われて少し慄く。彼女がいなかった事実と直也は去年の学園最美トップ5に選ばれているので俺に助け舟を求める理由がわからず
『それ俺必要?』
と、自分的に正論をぶつける。
『あ、当たり前だろ?』
『いやいや、直也。多分告れば1発okだよ』
『そ、そんなに世間は甘くねーよ』
何故か怒鳴られ気分を害した。いやいや、知らねーよ世間なんてこちとら今nowでこの世間いや世界からログアウトしようとしてんやぞ、そんな奴が世論だとか下世話とか気にしてねーよ。と、言ってやりたかったが心の奥底にしまい『はいはい、そうですね』と適当に答える。
『お前ほんとにわかってる?』
半適当に答えると直也は眉間にしわを寄せ問いただしてくる。
『あぁわかってるわかってる。』
『本当かよ、、、まあ良いや』
『それで何すればいいん?』
『あぁ、そうだよなうーん、、、、』
暫く沈黙が続く。
直也は両手を組みつつ雲一つない晴天の青空を眺めて考え込む。
『なんかいい案無い?』
『はぁ?』
流石に声が抑えきれずに出てしまう。
それもそのはずこんなに長考して結果が人任せって、、、でも、待てよ。直也が告白できない=付き合えない=約束が果たされない=俺の願いが叶わない!!。そう思い俺は少し体が震える。それからかつて無いほど必死に
『あー、まず関わりを持つことからじゃないか?』
『なるほど、それで』
え?まだ続けるの俺のアドバイスここらへんが上限なんだけど、、、、
『あー例えば美奈さんって案外1人を好む感じやん。』
今言った通り桜山 美奈という少女は授業の合間時間などはカースト上位のグループに混ざってわちゃわちゃと楽しそうに話しているが昼とかはその面子と食べることなく何処かに行くし、放課後はてきぱきと一縷も無駄な動きはせずにみんなより少し早く1人帰宅する。
それに多分カースト上位の人と話をしてるって言っても主観的に貴族が国王に媚を売る感じで多分半強制的に美奈さんは参加せざるを得ない感じである。
『そうなんだよな、だからなんか話して良いのかわかんなくて』
と、直也らしく無く少し弱々しい声色で語る。
『でも、それってラッキーじゃね?』
『なんでだよ?』
『だって、いつも団体行動を好むハイエナみたいな女子よりも、狼みたいに1人行動をする女子の方が昼誘ってみたり放課後たまたま装って帰ったり出来るやん』
『た、確かに、、』
俺の提案に和也は目を丸くして頷く。
『それでどうやって、誘えば良いの?』
『えっ』
またもや腑抜けた声が漏れた。
いやいや、そこまで聞くとかこれ和也がギャルゲーの主人公で俺がそれを操作するプレイヤー見たいになってるじゃん、ダメだろ流石に、と自己完結しうんうんと頷き
『それは、うーん』
いやいや、言える訳ない。だってここで分からんと一点張りして蒼太の恋が実らなかったら、2次被害で俺にもダメージがかかる。
『ならさ、真斗がさそれとなく誘ってくれよ。そうすれば流れ的に俺も参加しやすいじゃん』
『はぁーーー?』
多分今年一大きな声が出た。
それもそのはず考えて欲しいが新しくゲームを買ったとして最初だから初級のモンスター狩って武器揃えるかと初期装備で序盤討伐モンスターを倒しに行ったら突如超難易度クエスト必須のモンスターが現れて即死するレベルに不可能かつ無謀な、クエストが目の前にしかも超強力モンスター出るよ!と書かれているクエストに強制的に行かされそうになっているのだ。
無理、不可能、無謀、無茶、やだ。
『なんだよ。大きい声出して、良いだろだってどうせ死ぬんだから』
そう言われ、確かにと自分の置かれている状況を思い返す。
そうか死ぬんだ俺早くて1年後にだったら確かに羞恥とか罪とかどれだけ重ねても結局死ぬんだから関係ないのか。ヘッヘッヘならまず強盗とかでもなんてね。
まあ、犯罪とかは親に迷惑かけるからしないけどね。
『まぁそれくらいなら良いけど。俺が下手で不審がられたりしたら無理だからな。』
『あぁ安心しろ!そこまで期待せずに待つ』
こっちが期待すんなよと言うのは良いが言われると少し頭にくる。
『そうだな!』
顰蹙した顔で言うと
『冗談、冗談』
とわなわな笑いながら言われ『そうかよ』とぶっきら棒に答える。
誤字脱字があったら教えて下さい!!
拙い文章ですが最後までありがとうございます!!