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第119話 『その味やいかに!?』


 それは、市販の携帯補助食品に激似であった。

 礼二郎も、コンビニでよく買っていた


 オリジナルは〝カロリーマイト〟。

 こいつは〝メガミーメイト〟。


 はぁ……。

 ひねりなさいよ、少しくらいさぁ。


 しかも、味のレパートリまで丸かぶりって、あんた……。

 まるで隠す気のない泥棒根性。

 こいつは〝盗人猛々しい〟って言葉がお似合いだ。


 最後の〝メガミルク〟も、どうせ何かしらの紛い物だろう。

 とあるアニメの守銭奴ネズミでなくとも、即訴訟ものだ。

 そして、被告弁護人の第一回口頭弁論が始まった。


『ちょっと! パチモンって失礼じゃない? パチってるつーんなら、まずは証拠を出しなさいよ、しょーこを! これは天界で5万年も前から販売している売れ筋商品よ? 言うなれば、この世界側の方が偽物なの! これ以上難癖つけるなら逆にこっちが訴えて、大金をむしり取ってやるから! あ、ちなみにベジタブル味とポテト味もあったんだけど、不評につき製造中止になっちゃって、今では幻の味ってことで、プレミア価格がついてるわね。〝メガミルク〟? それに関しては黙秘よ! 完全黙秘させてもらうわ!』


 ペラペラとよく回る舌だ。

 携帯のくせに。


「どの立場から、誰の味方してものを言ってんだ、お前は。はぁ、もういい……」

『文句言うのは食べてからにしなさいな。君の亜空間収納にサンプルが入ってるはずよ。ちなみに、あたしのおすすめは、断然〝フルーツ味〟ね』


 平面体が、どうやって食うんだよ。

 なんて突っ込むのは、負けた気がする。

 なので、あえて無視。


「《次元収納》」


 ステータスウィンドウに現れた。アイテムリストを操作する。

 目的のものは……あった。

 リストの最下部だ。


 礼二郎は本物(?)のフルーツ味が好みである。

 さらに、おしゃべり携帯のおすすめもフルーツ味。

 なので、以下をタッチした。


〝メガミーメイト(チョコレート味)〟と〝メガミルク(濃縮還元)〟


 お察しの通り、礼二郎はへそ曲がりだ。


 すると空中にサナダと同じサイズの、黄色くて四角い箱が現れた。

 まんまカロリーマイトである。

 その横に現れたものは、まんまパック牛乳だった。


「ここまでパクると逆にすがすがしいな」

『違うつってんでしょ! だいたいこの世界の商品は元々天界にあった……』


 うんちくを垂れ流す携帯電話は無視。

 礼二郎は黄色い箱の裏側を見る。

 記載された成分表を読んだ。


 マンドラコラ 4mg

 トライアド粉末 0,2mg

 マタンゴエキス 12mg

 ユニコーンのツノ 0.03mg

 ウコン 5mg

 ……などなど。


 驚いた。

 珍しい材料が、ふんだんに盛り込まれている。

 向こうの世界でレア素材と呼ばれる物だ。

 これって普通に買ったら10万超えちゃうのでは?


 箱を開けると、二つの袋が入っていた。

 本物(?)と同じだ。

 その袋に立方体状のものがそれぞれ二つ。

 これも本物(?)と一緒。


 袋を開け、一本取り出す。

 少し迷う。

 なにせ、クソ女神プレゼンツなのだ。

 だが背に腹は変えられん。

 えいままよと口へ放り込んだ。


 すると、


「っ!?」

『どう? お味の方は?』

「もぐもぐ……もぐもぐ……ゴックン……めちゃくちゃうまい」

『でっしょー?』


 意外や意外、なんと絶品だった。


 予想に反し、その味は極上だったのだ。

 風味は表記の通り、チョコレートだ。

 だが、この味の奥深さときたら……。

 頬が落ちるとは、このことか。

 礼二郎は、残りの3本も一気に食べ尽くした。


「ふごっ!?」


 すると口の中の水分が一気に無くなった。

 むせそうになる。


『ほらほら、慌てンボさんねぇ。早くメガミルクをお飲みなさいな。ほらほらほらほら』


〝メガミルク〟なる牛乳もどきの口を開ける。

 言われるまま、喉に流し込んだ。


「ッ!?」


 脳みそにガツンときた。

 なんだ、これは!?

 なんだ、なんだ、なんだ、なんだ!?


 牛乳ではない。

 山羊の乳でもない。

 なにか別のモノのミルクだ。


 味は今まで飲んできた牛乳とは、まったく比べ物にならない。

 段違いだ。

 別次元だ。

 こいつを飲んだ後だと、いかな高級牛乳でも、間違って湯切り前にソースを投入したカップ焼きそば絶望編みたいなものだった。(※味が薄いといいたいらしい)


 口内に広がる、まろやかな風味。

 濃厚かつ芳醇なフレーバー。


 脳がスパークする。

 まるでシナプスの、よさこい祭りだ。


 やばい。やばすぎる。よっさこい、よっさこい♪

 これはやばいやつだ。よっさこい、よっさこい♪

 飲むのを止められん。よっさこい、よっさこい♪


 礼二郎は腰に手を当てて、ゴッキュンゴッキュンと飲み干した。

 ミルクの一気飲みなんて、子供の頃銭湯で飲んだフルーツ牛乳以来だ。

 あれはあれで、うまかったなぁ。


『どうよ? 最高でしょ、〝メガミルク〟』

「控えめに言って――最高だ」

『でっしょー?』


 礼二郎は少しだけ感謝してしまった。

 自分を嵌めた仇である、あの性悪女神に、だ。

 くそ。

 くやしいぜ。


 そこで、ある疑問が頭に浮かぶ。


 ――待てよ。結局、なんのミルクなんだ?


 空になった牛乳もどきのパックを確認する。

 すると、このようなふざけた表記を発見した。


 《原材料:ひ・み・つ♡ いや〜ん、エッチ〜ッ!》


 おい、ちょっと待て。

 これはまさか……奴(クソ女神)のミルクじゃあるまいな?




 ↓↓ 奴 ↓↓

挿絵(By みてみん)

(後書き)


これで第11章は終わりです。

次の更新はおそらく日曜日です。


ちなみに筆者のカロリーメ○トの好きな味ランキングは


1 フルーツ味

2 チーズ味

3 チョコレート味

4 プレーン味

5 メープル味

嘔吐 ベジタブル味

全力投球 ポテト味


です。ではバイビー

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