表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/142

第118話 『食うか食われるか、それとも飢え死ぬか』

「はぁッ? じゃあ、僕は何を食えばいいんだよ?」

『さあ?』

「さぁって……そんなの死んじゃうじゃん」

『だから死ぬつってんじゃん、さっきからさぁ』


 マジかよ。


「いつか死ぬとは思っていたけど、この飽食の時代に、まさかの餓死エンドとは……」

『ねぇねぇ、今どんな気分? 人生ギブアップって感じ? ねぇねぇ、ねぇねぇ』

「いや、まだだ」 礼二郎はサッとサナダを捕まえると、

『ぐぇッ』 再びイライアへメッセージを送った。


 From:レイレイ(※礼二郎のRINEネーム)


《緊急事態!! 緊急事態!! (^_^;)

 なんと、僕は、この世界の、食べ物を、たべられないみたい! ガビーン\(^o^)/

 このままじゃ、お腹ペコペコで、バタンキューだヨ〜! ショボーン(´・ω・`)

 イライアちゃん、たっけてぇぇッ! help me (>_<)》


 送信ボタンを押して、待った。


 イライアは、今までにどんな難問も解決してくれた

 そのイライアなら……。


 待つこと15分。

 ようやく(慣れない携帯操作に手こずったであろう)返信が届いた。


 From:至高の美人魔導士イライア=ラモーテ


《それは、大変だ〜。∑( ̄。 ̄ノ)ノ

 礼二郎ちゃん! すぐに、奇跡ポイントを、貯めるべし!! (^_-)-☆

 そんで、奇跡を使って、ご飯を、頼んじゃえば、いいんだヨ! (^o^) 》


 打てば響く。

 さすが痛いや……こほん、イライアだった。

 なるほどそうか。


 さっそく礼二郎はステータスウィンドウに願い事をした。


「コーヒーおねしゃ〜す!」


 間をおかずステータスウィンドウに文字が現れた。


 《コーヒー:1500kp》


 礼二郎は我が目を疑った。


「はぁッ!?」

『あら〜。趣向品は割高ねぇ。やっぱり贅沢は神の敵なのよ』

「割高なんてもんじゃねぇだろ! なんだよ、1500kpって! こんな値段、ありえんだろ! 詐欺だ! ぼったくりだ! 価格操作だ! 蟹工船だ! 消費者センターに訴えてベーリング海沖でストライキしてやる!」

『弱ってる相手の足元を見るのは商売人の基本なのよ。とはいえ、このぼったくり価格には、さすがのアタシもドン引きだわ』


 ならこいつはどうだ。


「じゃあ〝牛丼〟だ! 庶民の味方〝牛丼〟を頼む!」


 で、現れた文字《牛丼:280kp》


「んだとぉぉッ!」

『さすが価格の優等生。良心的なお値段ねぇ』

「どこが良心的だぁ、ふざけんな! なんだこのクソ価格設定! この一月の稼ぎでも、牛丼一杯しか食えねぇじゃねぇか! こうなったら……」


 それから礼二郎は、ありとあらゆる料理を注文した。


「マジかよ……」


 だが表示された価格は、すべて500kpオーバーだった。

 唯一毎日でも手が届くのは《水1リットル:3kp》だけだ。


 ちなみに野菜や果物など、食料や素材になる物(※トマトやリンゴやハチミツなど)も頼んでみたが、なぜか軒並み1000kpを超える地獄価格であった。


『ほらね、やっぱり牛丼を超える優等生なんて、存在しないのよ、この世には』

「終わった……今度こそ詰んだ……毎日水しか飲めねぇ……」


 がっくし膝を落とすと、浮遊携帯がわざわざ顔の前まで来て、ニヤニヤと笑っている。


『ピンポーン! そんなチェリーに朗報で〜す!』

「……んだよ? くだらねぇ事だったら食っちまうぞ」

『あら、その目はガチのガチね。こんな場面でからかったりしないわよ。さすがのアタシもね。だから、お願い。後生だから食べないでもらえるかしら?』

「内容による。話せ」


 携帯はコホンと咳払いして、


『たった今、ある方から情報が送られてきました!』

「どうせクソ女神だろ(ゴワンッ※タライ音)」

『だとしても、君には選択の余地がないと思うけど?』

「くっ……なんの情報だ?」

『ふふふ、それは……〝超激安kp食品リスト〟よ』


 そうきたか。

 否応なく恩を着せようってんだな。あのクソ女神め。


『……あのねぇ、女神様に思うところがあるのは、今までの君の態度から、わかってるけどさぁ。今しなきゃいけないことは何? プライドや意地より優先しなきゃいけないものがあるでしょうが』


 悔しいが携帯の言う通りだった。


「……そうだな。確かにその通りだ。すまん。リストを見せてくれ」

『いい子いい子。ほら、ご覧なさい』


 携帯生物の画面に文字が現れる。


 メガミーメイト(チョコレート味):1kp

 メガミーメイト(フルーツ味):1kp

 メガミーメイト(プレーン味):1kp

 メガミーメイト(メープル味):1kp

 メガミーメイト(チーズ味):1kp

 メガミルク(濃縮還元):1kp


「なんだこりゃ! パチモンじゃねぇか!」


 クソッ、うまいことパクりやがって。

 危うく笑いかけちまったじゃねぇか。

 

(後書き)


続きが気になる方は、ブクマお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品を読んで頂きありがとうございます!
少しでも気になった方は、一度作品の評価をしてくれると、うれしいです、うれしいです、うれしいです!(☆☆☆☆☆をタップするだけです)

★★★★★で、応援していただけるとすごく励みになります!


ブクマもうれしいです! 超うれしいです!
気に入らなくなったら、遠慮なく評価を取り消して構いません(※同じ場所をタップすれば簡単に取り消せます)
script?guid=on<
『転生したら悪魔ハーレムでした!?~愛弟子に毒殺された錬成術師は魔人となり7人の美女悪魔を仲魔にして王族に転生する』
こちらもブクマ&評価で応援いただけると大変励みになります。
 小説家になろう 勝手にランキング

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ