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aRIA  作者: 旅人
10/13

約束否定-破綻

最後の嘘の為、貴方を待つ

「この繰り返しを終わらせる。彼女との約束のために」


潰れた面が無数の世界に姿を変える

眼前に何処までも広がり続ける

全ては濁りくすんだ記憶の結晶

aを救えなかったこれまでの私

これこそが「それ」の正体


「「ARIA」が最後、私に与えた世界は、aを救えず消されて行くはずの私達の記憶を全て拾い上げていった。どんなに自身を恨み、憎しみ己が何かも分からなくなった記憶ですらも」


ひまわり畑を覆うほどに展開された「それ」は再び集結していく

辿って来た同じ末路を積み重ねながら


「初めの私を基準として「後悔」の元生まれた無数の私は全て、根底に自身への後悔と怒りを抱いていた。私がaを殺さなくてはならなかった時の感情そのものだ」


記憶に埋もれた自身への憎しみ

aがそれから私を守ってくれていた

だが今、彼女は何処にもいない


結びつく

目的を果たす事ができず、ただひたすらに我が身を呪う

そのあり方が姿を得る

2つの「刃物」

本来持っていた自我を我こそはと繰り返し表面に晒す

形が定まらない

「刃物」と言う前提だけ残した「それ」その物



「「後悔」の元生まれた無数のaは、全て根底に贖罪の意志を抱えている。きっと「ARIA」が私に最後感じた事なのだろう。彼女の後悔は繰り返しa生み出し回収し続けた。だがその繰り返しが暴走と言う形を再び招いた」


私の知っているaは自身のを許せたのだろうか

自身の成れの果てを見つめて思う


もはや形容することすら出来ない「刃物」が私を指す


「そして最後の事実だ。私達は既に死んでいる。現実で初めて「 」が顕現したあの日に」


自身の体から何かが落ちた

私が私である為の唯一のもの

約束

aの託してくれた祈り

姿を変え今、呪いへ変わる


彼女との約束は全て初めから破綻していた



「それこそが彼女がこの世界を終わらせない理由。私達に繰り返しつき続けた嘘。贖罪から来る優しい嘘。私達を終わらせない為の。

だからこそ「ARIA」を私の手で終わらせなければならない」


無限を束ねた2つの刃物

終わりを迎える準備が整う

記憶が2人の私を試す


aを守る事など出来なかった

aと共にいることも、進むことの約束も

全て

失ってしまった

私に意味は既にない

ならもうどうなってもいい

自身なんて

人類なんて


「モウドウナッテモイイ」


目的を無くした意思

それは目の前の私を否定する為

自身の記憶をこの構造に全て喰らわす


天を覆い尽くしたはずの記憶の残骸は、私達の上空だけ空を残して空いていた





記憶を無数に繋げ合わせた「刃物」

両手に持つのは私が始まりとなった後悔

「ARIA」を救えなかった自身が受ける当然の罰

手にした刃物は私を食い殺すが為、握るこの身を黒く蝕んでいく

唯一彼女の記憶だけが、私が私であると証明できる物をこの体につなぎ止めている


そして正面に立つ「あれ」は私なのか?


目の前の者は約束が初めから矛盾していた真実で狂気に染まる

残す思考はただ1つ


「aを苦しめるもの全て消し去る」


ただそれのみ

純粋な「 」それそのもの姿

自身の記憶を貪り喰らい自らに貸した目的を果たす

それが世界を滅ぼす事になろうとも


崩れ落ちそう体を維持しながら

標的を私に定め、世界を狂わす


「あれ」は既に私の正面

もはや空間の転移と同然

現実を変えるその力は、既に奴の外界にまで変換を及ぼす


距離を詰めた後、狙いもなく私に拳をふるい落とす


間に合わない

回避も守りも許されない

宛もないその怒りは顔を少し掠めて外れる

「あれ」は触れた物全てを飲み込み食らう

触れた一部は元から無かっかのように消えていた

一撃は空間を歪ませ衝撃を放つ


この場にいる事すら許さない

空に打ち付けられ

地面に叩きつけられる


地面に咲き連なるヒマワリは、優しく私の顔を撫でる

苦しむ表情をすることすら許されない私に対して慰めるようにして


約束

それは私だって1つだけある

「ARIA」を殺す

何をしてでも

何度自身を殺そうとも

何度貴方を殺し損ねようとも


幾億もの世界を振り下ろす

両手で「それ」全てを握りしめ

一振は何度もの死に値する

脳裏に過ぎる私でない私の記憶が、この数秒に何千年もの苦痛を与える

その程度今の私には安い

「ARIA」との約束に勝るものは初めから自身にはないのだから


世界を飲み込みどれほどにも拡大した2つの刀身

狙うは「あれ」ただ1つ

犠牲は全て私達

振り下ろされた一対の「刃物」は自身の記憶と世界を削り取る

響く断末魔

自身の声か

「あれ」の声か

区別など党につかない


できた僅かな隙を逃すことも無く「あれ」に目掛けて走り出す

初めから加速し終えたこの足を

壊れ行く度再生させつつ

限界をねじ切りさらに加速させて行く


「あれ」は記憶を投げ捨て私を拒む

手から溢れるその閃光は、迷いもなく標的を定め

放たれた

膨大なエネルギーその物となった記憶は、ひまわり畑事私を焼き払う

もう引く事を知らないこの意思

正面から熱を切り裂く

足を一切止めることも無く

「あれ」に一手を加える距離まで迫り続ける


ようやく捉えた

この瞬間に全てを賭ける


「開始」


風化した記憶を自身の世界に巡らせる

この瞬間に圧縮した、いく億物記憶を放つ

1秒は無尽蔵に価値を増していく

この途方もなく長い一瞬で「あれ」の記憶を全て切り落とす


この数秒は私にとって、無限に等しい物になるだろう

手に持つ2丁の刃物

それで切り裂く私の姿は誰も捉えることすらもうできない

無尽蔵に早めた無数の斬撃は、世界と時間の流れが変わる


原型を一切残すな


何千もの一振は、過去の私の記憶と共に今の私を削り取る

まるで道ずれにでもするように

消費した物の代償を要求する


蘇生を間に合わせる暇を与えるな


この身は既に法則を無視し、現実を何度と繰り返し蝕む

それに耐える事のできない体は、破壊と再生を繰り返す

彼女の記憶が唯一私を繋ぎ止める


隙を1度でも許すと死ぬぞ


この世界を置き去りにした

色が歪がんだ「ARIA」との記憶を全てつぎ込む

約束さえ残ればいい

使い捨てろ

自身を


1秒に詰め込まれた記憶の数々

それは人類全てにでも勝るだろう彼女と私だけのもの

体を侵食しつつ「あれ」を喰らう「刃物」

まるで消費しきるのがどちらが先かと他人事のよう見定めている

自身では「それ」を使い切ることが到底できない


既に「あれ」は人の形状を保つので精一杯となった

私と距離を取る為に体を引きずり動くだけでも体が徐々に欠けていく

未だに原型を残すだけでも普通とはかけ離れている

「あれ」の記憶1つが何十億分ものaと私の記憶に勝る

ただそれだけで十分だろう

もういいだろう…


「彼女を終わらしてあげてくれ」

男の悲痛な声を両手の「刃物」と「あれ」だけが聞いていた


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