ここが異世界?!
ついにイザナギによって召喚された翔太、彼はどう動くのか……
ふと翔太はあることに気がついた。
「あれ?さっきまで周りにいた方々は?」
イザナギはニコリと笑って口を開いた。
「さっきの人達は僕の分身だよ!」
そう言って両手を広げた、イザナギが言うには極稀に自分の死を認めない者が暴れだすことがあるそうだ、それを取り押さえるために自分の分身を何体も作り出したそうだ。
「長話もなんだから、自分の見た目とか名前を設定してもらおうかな」
イザナギがそう言うと、翔太はびっくりした顔で
「何かRPGみたいだな!」
「それもそうだよ、今のままで異世界に召喚されたらみんなに笑われるかもよ?」
笑いながらイザナギが言うと翔太は少しムッとした顔で答えた。
「それは僕の見た目がだめってことなのか?」
イザナギが首を振りこう言った。
「別にそういうわけじゃないけど……何ならそのまま行くかい?」
翔太は少し考えた、今持っている物が異世界には無いものだから以外と使えるかもしれない、よくある異世界物では役に立っている、なら持っていく価値はあるんじゃないか、そう考えた。
「なら名前を変え、今の状態で召喚してくれないか?」
イザナギはびっくりし、手を口元に持っていき少し考えた。
「いいでしょう!なら名前はどうしますか?」
翔太は少しニヤッと笑った。
「佐々木小次郎で」
そう言うとイザナギが笑いだした、佐々木小次郎は空想上の人物でしかない、ましてや能力と全然合わない。
「プッ……ハハハ……いやぁ、久々に笑ったよ!まさか佐々木小次郎だなんて思わなかったよ!」
翔太はムッとした、翔太にとって佐々木小次郎は憧れの人であり好きなキャラでもあったからだ。
「べ…べつにいいだろ!!」
「まぁそんなにピリピリしないしない!!名前も決まった事だしから早速召喚されてもらおうかな!」
そう言うと翔太の足元に魔法陣らしきものが浮かび上がり光りだした、翔太はテンパっていた。
「何か分からないことがあれば頭の中で僕を呼んでくれたまえ!」
翔太はうなずき敬礼をした。
瞬きをしたら目の前の景色が変わった、地面には赤い絨毯、天井にはシャンデリア、周りに沢山の兵達が立っていた、そして目の前にキラキラした金色の王冠をかぶった大柄のおじさんが立っていた。
翔太は彼が王様だってことに確信づいた。
「よくぞ我々の願いに答えてくれた!選ばれし勇者よ!」
よくある台詞に思わず笑ってしまった、すると周りの兵達が翔太に槍を向けた。
「ご……ごめんごめん!ありきたりの台詞に思わず……」
ズンッと槍が迫りくる。
「やめないか!!!……申し訳ない!我が兵達が……」
「大丈夫ですよ!それから僕を呼んだのは魔王軍が迫ってきてるからだろ?」
そう言うとその場にいた皆が驚いた。
「まさか、貴公の能力は予知能力なのか?!」
翔太はキョトンとして首を振った。
「いや、違いますよ!」
「お…おぅ…そうなのか!……改めて貴公の名を教えてもらえぬか?」
王様が翔太に問いかけた。
「僕の名はしょ……佐々木小次郎だ!」
翔太は本名をいいそうになった、ついさっき名前を解明したから間違えそうになったのであった。
「おぉ!!佐々木小次郎と申すか!」
「はい!」
「いいなだな!」
翔太はびっくりしていた、ここの人たちに驚かれるのかと思ったからだ。
ここで翔太は確信をした、この人は良い人だと。
すると後の方から扉が開く音が聞こえた、足音がこちらに近づいてくる。
「お父様!彼が勇者様なのでしょうか?」
女性の声だ。
恐る恐る後ろを振り向く、そこには防具を身に着けた女性が立っていた、なんと美しい女性なんだと翔太は思った。
「そんなに私をジロジロと見ないでくれないか…」
そう言って恥ずかしそうにしていた、それもそれで可愛くて顔が少し赤くなる翔太。
「ハッハッハ!仕方あるまいアイリスが美しすぎて見入ったのであろう小次郎よ?」
小次郎はあたふたして、顔を赤くしながら言った。
「え……あ……はい!美しい女性だなと思いました!」
王様は高々く笑っていた、とても嬉しかったのだろう。
「もぅ……お父様ったら……立ち話もなんですからお部屋の方でお話をなされてはいかがでしょうか?……あっ!申し遅れました!私はアイリス・フェレクシーと申します!あそこで笑っている方が私の父であり王のガリウス・フェレクシーです!」
「あ!!はじめまして僕は佐々木小次郎と言います!末永くよろしくお願いします!?!」
アイリスは笑いながら頷いてくれた、小次郎は心の中でこの世界を救おうと思ったのであった。
王のガリウス、その娘のアイリスこの二人の口から出てくるのは?