妄想で異世界を救う!
突然フードをかぶった人達に囲まれてびっくりした彼はその場で腰を抜かす。
それもそのはず、出かけようと思いドアノブに触れた瞬間に目の前が真っ白になり、怪しい方々に囲まれているから誰でも同じリアクションになるはず。
翔太の目の前に立っていた怪しい人が突然フードをめくり始めた。
「あなたは選ばれたのです。」
両手を広げ翔太に言った。
翔太はアホずらした状態で固まっていた、少し経って意識が戻った。
「あ……あの、選ばれたってどういう事ですか?」
翔太が問いかけた、この状況知っている、なぜなら部屋で引き篭もってゲームや妄想で何回も見てきたシーンだからだった
でも翔太は心の何処かではそんなはずはない、そんな日現実的なことが起きるはずが無いと思っていたのだ。
「貴方は地球とは別の惑星……バベル・プラントと言う星の住人たちが貴方を勇者として召喚の儀式を行ったのです! そしてここは召喚される際に通るゲートの間と言ったところです」
翔太は驚かなかった、こんな非日常なことが起きてもなんとも、翔太は地球に住んでいた時すでに存在が死んでいた、誰にも助けられず、相談できる人は居なかった地球では生きていても意味がない存在だったのだ、一度は自殺しようと考えていた時期もあったが流石に自分の命を捨てるのは馬鹿らしいと考え止めていた。
翔太は口を開いた。
「ならここでチートみたいなものが貰えるんですか?」
ド直球に質問を問いかけた翔太、囲んでいた人達がびっくりしていた、最初にフードをめくった人が口を開く。
「なんと、直球なことを話されるとは…… まぁ…確かに貴方には異能力を授けるつもりでおった。
授ける前に自己紹介をしておこうか」
そう言ってフードを脱ぎ始めた、しわくちゃで爬虫類のような肌触りしそうな皮膚、無法地帯となった大地から大量のススキが生えたようなヒゲ。
「私はイザ…ちょっと待ってね! こんなしわくちゃじゃない!!」
そう言って何か呟いた、するとみるみる彼の姿が変わった、カサカサの皮膚がツヤツヤのモチモチに、ヒゲは抜け落ちていった。
「よし! これでいいかな!! 私の名はイザナギだ!」
翔太はびっくりした、それもそのはず伝説のお方が目の前に現れたからである。
「さて、本題に入ろうか! バベル・プラントの中で一番でかい大陸、デン・ブラン大陸、その大陸の左側に位置するラ・トゥール王国」
バベル・プラントは70パーセント海、残りの30パーセントは陸で水の惑星とも呼ばれている。
大陸は大きく分けて2つ、左側にある大陸がデン・ブラン大陸、海を挟んで右側がミ・レンダ大陸、それぞれ大陸にも国境があり種族事に暮らしている。
「そこの方々が勇者の召喚儀式を始めてねぇ! ランダムで呼ばれるんだけど君が選ばれちゃったのだ」
能天気なイザナギに呆れる翔太は溜息をつく。
「呼ばれちゃったら仕方ないからいいけど、異能力がもらえるって言ってたけどそれは選べるの?」
それもそのはず、バベル・プラントは地球とは違い、剣を交わり、魔法で生活をサポート、空にはドラゴン、地には悪魔が這いつくばる、ファンタジー満載な星である。
丸腰の状態で放り出されたら1日持たずにゲームオーバーになるくらい環境は最悪。
「もちろんだよ! むしろもう決まっている」
翔太は驚きのあまり声に出てしまう。
「え…… えぇぇぇぇ!!!」
「それはね……」
唾を飲み込む、翔太の第二の人生はイザナギが発言する異能力によって生きていけるかどうかが決まる。
「君が、想像した物を具現化する能力を与えよう!!!」
「はぁぁぁ?!!! それでどう戦うのさ!!」
具現化と言っても物を作るだけかもしれない能力につい怒鳴ってしまった。
「て、ことは…… 俺は妄想で異世界を救うってこと?!」
これで翔太の能力が決まったのであった。