1/4
color
紅色は望む。
金色の帰還を、ただただ望む。
紅色は金色を誰よりも信じていた
金色は自らの、そして世界の為に自ら道を切り開いていた
黒色は金色を信じ切れなかった
迷彩は自分が楽しければ他はどうでもよかった
白色は自分の言葉の意味を忘れてしまった
赤色は他者の想いを理解する気がなかった
黄色は金色を信じるつもりがなかった
桃色は金色を主と定め、裏切ることを良しとしなかった
橙色は自らの正義を貫いた
空色は金色だけを信じていた
そして群青色は自分の為だけに他者を欺き、世界を掌の上で転がしたんだ
群青色は嗤った
世界を、人間を、己を嘲笑った
「一体何度目だ?」
群青色の手で淡く光る蒼の石は、まるで主の代わりに泣いているかのようだった