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説明回は好みが分かれる

 ヤハウェの少し悩んだ末、言葉を紡ぐ。

 

「まだ気にする段階ではないが、レベルもどこまで上げるか決めないといけないな」

 

「ああ……レベル上限(笑)ね」

 

 レベルの上限は100である。

 となれば、当然100まで上げる、と言いたいところではあるが、この運営は違う。

 ヤハウェ曰く、50を超えた当たりから著しく必要経験値が高くなり、丸一日適正な狩場でレベリングしても経験値バーが一ミリも増えない。つまり1%も上がらないのだ。

 それでも頑張ればレベルは上がるのだが80近くになればそれはもう酷い事になっている。

 もうボスモンスター、エクストラモンスター、エクストラボスを倒すしか増えないバー。そしてボスモンスタークラスという事は当然強く、そして全滅した暁には蘇生する人間がいないため完全死亡でアカウント削除。糞だな。

 

 ちなみに、ボスモンスターはマップに一定時間でポップするボスキャラクターであり、エクストラモンスター、エクストラボスはランダムで出現する。その際はクエストにもなるらしく、一応ポップした事は教えておいてやろうという運営の良心かと思いきや、その強さは並大抵ではないらしい。他のゲームであるような簡単に倒せるなんちゃってボスではなく、運営の死の鎌との事。 

 

 しかし、スキルを習得するにも成長させるにもスキルポイントを使う必要がある。

 その為にはレベル上げをするかボス以上が持つレアドロップであるスキルアップ書を使うしか無い。

 つまり、どの道ボスからは逃げられなくなる。

 

 かと言って、ナメクジ以下の速度の経験値バーを見て、レベリングに使う時間を考えると途中で切り上げて装備集めや仲間集めをしたほうが効率がいい。

 だからこそ、どこまでレベルを上げるか、と言う選択肢が生まれるのだが。

 

「まずはレベル10までは上げておきたいな。そこまでなら時間もかからないし、この狩場で上げれる最大レベルだろう」

 

「わかった。……おっと、言ってる側からレベルがあがった」

 

 ようやくレベルが2に上がる。

 レベリングを始めてからおよそ30分のことだ。

 

「……1から2のレベル上げに30分っておかしいだろうがよ」

 

「百理有る」

 

 同意見のヤハウェ。これは並大抵の努力ではレベル上げは難しい。

 

「はあ……ん、これステータスはどれを振れば良いんだ」

 

 レベルが上がると自動でステータスが上がる他にスキルポイントと、もう一つステータスを自分で上げる事が出来るステータスポイント、と言う物がもらえる。

 

「一番多いのはバランス振りだな。ついで得意分野を伸ばす振り方。一番少ないのは極振りだ」

 

「へえ、極振りは少ないのか」

 

 極振りとは、あるステータス1つだけにポイントを割り振る超特化型の事だ。

 メリット・デメリットが大きく分かれるが、大概は強い為、一定数は存在する振り方ではあるが。

 

「死んだら下手すればアカウント削除される様なゲームで、極振りする勇気はあるか?」

 

「ですよね」

 

「蘇生薬も貴重だからな。そんな奴を仲間にしたいか?」

 

「ぼっちは完全死亡フラグ」

 

「そういう事だ」

 

「おっと、そう言えばステータスについては話をあんまり聞いてなかったな。簡単に説明を頼む」

 

「そういえば説明してなかったか。画面を見るとHP、MP、攻、防、魔、抗、技、速の8つがあるだろう」

 

「ああ。何となく文字面でイメージは湧くが、このゲームだからな……認識違いが怖い」

 

 わかるわ、と言わんばかりに無い胸の前で腕組みをして頷くヤハウェ。

 銀髪だけあって、何となく格好いい。

 

「大体はイメージどおりだ。HPは体力、MPは技とか魔法を使うエネルギー。攻、防は物理的な攻撃。剣とか槍とか敵の爪とかそういった攻撃力と防御力だ」

 

 ふむふむ。まあそうだろうな。

 

「魔、抗も同じだ。こっちは魔法や敵の魔法、ブレスとかだな。ただ、抗だけは状態異常の耐性も持っているから上げておきたい所だ」

 

 なるほど、状態異常は怖いからな。ある程度上げておくのが安全だろう。

 

「このゲームの状態異常は強いから気を付けろ。その分使える奴も少ないが、当たったら悲惨だ。毒とか安易に考えるなよ。某迷宮レベルだと考えろ。最大HPから容赦なく割合で削ってきて、勿論0になったら終わりだ」

 

「止めて下さい、死んでしまいます」

 

「技はスキルの威力や成功率だな。速はそのまま行動速度だ。この二つは相手ステータスと対決になる事も多いから上げておかないとハメを食らう事もある」

 

「ハメと言うと?」

 

「技勝ち、速勝ちで先手確定でスキル使われ行動不能。以下ループだ」

 

「お前が死ぬまで殴るのを止めない、か。全ステ結局重要じゃねえか」

 

「ああ、だからバランスが一番死ににくい。死ににくいという事は強くなれるという事だな」

 

「うーん、だが得意分野を伸ばしておきたい所ではあるな」

 

 バランスより極振り派の俺である。が、このゲームで極振りするほど勇者ではないので、得意分野に多めに振ると言う形で妥協をすることにした。

 

「そのレベルならステータスで一番高いので良いだろう。ステータスポイントは5もらえるから、得意分野2,次に得意に2,あとは順番に振る、が一番か。ちなみにどんなステータスだ?」

 

「えっと……」

 

 画面を見てステータスを確認する。

 

 NN:Yuu

 ジョブ:盗賊・【シャドウウォーカー】

 

 レベル:2

 HP:30 MP:15

 攻:5 防御:1 魔:1 抗:1 技:8 速:8

 ユニークスキル:影渡り

 習得スキル:【暗殺】

 

 

「防御紙すぎぃ!」

 

 盗賊職とは言えなんですかねこれ。吹けば飛ぶようなステータスですね。極振りかな?

 んで、ああ、このユニークスキルってのがこの前言っていた個人個人で違うって言ってたスキルの事か。

 影渡りねえ。ワープでも出来るのかな。

 つーか盗賊に格好いい名前つけんなよ。なんだシャドウウォーカーって、1/3で守護でも持ってんのか。

 で、暗殺と。あーこれがあれか。あの男をぶっ殺した原因か。

 ……ん、でも俺まだスキル習得してないはずだが、なんでだ。

 

「その口ぶりからして極端なステータスだったのか? まあ序盤だし数値が低いからそう見える」

 

「あ、そうなんだ。てっきり極振りしとけよってステかと」

 

「ジョブによって得意不得意があるからな。このゲーム最初からジョブが決まってる当たり楽しませる気はないと思うが」

 

 職を選ぶ自由を勝ち取りたい。

 

「そういえば、何もジョブとか決めてないのに盗賊って出てるな」

 

「これも最初から決まっている。一応イベントで転職も出来るが、レベルも落ちるしスキルも使えなくなるから実質リセットと変わらん。使える装備も変わるしな」

 

「今まで上げたスキルとか装備がリセットか。この運営は世界をクリアにしたいの?」

 

 否定はできないなと、青い目が青い空を見上げる。

 うーむ、ゲームグラフィックでも凄え可愛いわ。SS(写真)いいっすか?

 

「君は盗賊と言ったな。技、速が高く、攻がまあまあ、それ以外が低めのステのはずだ」

 

「低めとかそういうレベルじゃないんですが」

 

「序盤だからな。ちなみに、私のジョブは魔法使いだ。魔、抗がかなり高く、それ以外は低めだ。レベルが低い時は防御が3とかしか無かったぞ」

 

「えぇ……魔法使いに防御負けるんすか」

 

 魔法使いでも3なのに1ですよ。

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