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夢さえも無
夢を見た
それが転寝だったか深寝だっかのかは覚えていない
ふと見れば携帯が鳴動していた
発信者は私の初恋の人だ
そんなはずは無いのに、そんな事が起こり得るはずなんてないのに、
私は慌てて電話を取ろうと手を伸ばす
するとそれがまるで当然の帰結だったかの様に、電話は鳴り止んだ
それでも私は慌てて着信履歴を呼び出そうと携帯を開く
するとそこにはびっしりと名前が連なっていた
それは初恋から今に至るまでの私の想い人の名前達
それが縦一列にびっしりと連なり、私の神経を麻痺させていく
何を想うも何も無い
私はその光景に戦くわけでも恐れるわけでもなく
ただ……見惚れてしまったんだ
何がそんなに嬉しかったというのか
何をそんなに落ち込む必要があったというのか
覚めればそこには何も無かっただけだというのに……
それでもゼロからゼロになっただけの現実は、私の心を切り裂いたのだ