※前回までのあらすじ(前作を読んだ方は閲覧不要)
アリシア・ティリスはグランディリア王国ティリス男爵家の長女。王立学院に通う三年生で、茶色の髪に茶色の目というモブらしい容姿の地味子である。
彼女のクラスにメルティ・アレンドラという少女が編入したことから、アリシアの人生は変わっていく。
メルティはアリシアが前世でプレイしていた乙女ゲームの主人公。ちなみにアリシアは、ゲーム中では「クラスメイト」「ある知人」などと表現されるのみで、名前すら登場しなかった生粋のモブである。
アリシアは極力ゲームストーリーにふれないようにメルティ観察をしていたが、元々悪役令嬢だった同級生二人や、名前だけ登場するモブだった第三王子と親しくなっていく。反面、なにかとメルティとは衝突し、ついには本来なら悪役令嬢が受けるべきだった断罪イベントにまで巻き込まれてしまう。
メルティの周りには、親衛隊と化した攻略キャラたち。話もいっこうに通らず、絶体絶命のアリシアを救ったのは、元悪役令嬢二人と元モブ王子。
辛くも断罪イベントから解放されたアリシアだが、これ以上は学院にとどまる理由がないと判断し、自主退学することに。
出発の日、なぜか元悪役令嬢二人も自主退学の旨をあかし、三人は第三王子に見送られて、新しい生活を歩むことになったのだった。