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鈍感な少年

聖・ルーベルハイスクールは、形容すると、城のような学校だ。

 東校舎、西校舎、南校舎、北校舎に区切られた広大な敷地エリアの学校の中では五番目に大きい。付属校の敷地をふくめれば、だが。(ちなみに、一位から四位は全て、大学のキャンパスである)

 校舎までの道は、茶色白、グレーのレンガで彩られており。

 更に、塀の周りには沢山の木々が植えられている。

 校舎は大理石で出来ていると思われ、屋根は西洋の城を思わせる形だった。

 聖・ルーベルハイスクールの初等部がある西校舎で、レナは、兄を待っていた。

 白い髪、白い肌、フランス人形を思わせる顔立ち。

 西校舎の入り口で、たたずむそんな少女は目立っていた。

 人の目を引かずにはいられないのだった。


「あ、レナちゃん?誰か待ってるの?」


 そんな中、レナに話しかける東洋人の少女がいた。

 結構勇気のいる行動だったかもしれない、だが、その少女は臆さない。


「えっと、紅龍(コウロン)、さん」


 レナは、他人行儀だと思いながらもその少女をさん付けで呼んだ。


「さん付けはやめて?レナちゃん、紅龍って気安く呼んでもらっていいから」


 この少女、名前の通り、中国人だ。

 割と可愛らしい容姿をしており、頭の後ろで髪を結び、ポニーテールにしている。


「お兄ちゃんを待ってるの」


「へえ、レナちゃんのお兄さん、きっとかっこいいんだろうな~」


「うん!優しいし、強いし、最高のお兄ちゃんだよ!!」


 レナは、胸を張った。


「自慢のお兄ちゃんなんだ?はあ、私のお兄ちゃんもそんなだったらなあ」


「お兄ちゃんがいるの?」


「うん、といっても、双子の兄なんだけどね」


「そうなんだ」


 レナは大分打ち解けた様子で、紅龍との会話を楽しんでいた。


「おーい、レナ!」


 そんなレナに声が掛かった。

 兄の声だ。

 レナはバッと振り返った。そこには兄が居た。


「お兄ちゃん!」


 そして、小走りで近寄っていき、その胸に飛び込んだ。

 士郎も、それを受け止め、頭を撫でた。


「よしよし、大丈夫だったか?いじめられたりしなかった?」


「うん、大丈夫、あ」

 ん?と、突然振り返った妹を見て、士郎は妹が見た方向に視線をめぐらせた。

 当然のことながら、そこには、紅龍がいた。


「やあ、君は・・・」


「士郎、さん?」


 紅龍の口から、そんな声が漏れる。


「生きてたっていう話は聞いてたけど、レナちゃんのお兄さんが士郎さんだったの?」


 士郎は、一度死んでいたことになっていた、(この場ではその事情は割愛するが)

 紅龍は、突然後ろを向いた。


(わ、わ、どうしよう?レナちゃんのお兄さんがずっと前に私を助けてくれた士郎さんで、その士郎さんが私の前に居て、どうしよう、何か言わなきゃ・・・)


「こ、ここ、こんにちわ!士郎さん、お元気ですか?」


 緊張のあまり、しどろもどろになる紅龍、言っている内容も、少し場にそぐわない内容だ。


「うん、元気だけど?」


 士郎は笑顔で紅龍に近付いた。

 紅龍は二歩三歩と後ずさりする。


「どうしたの?気分でも悪い?」


「い、いえ、あの、すいません!!」


 そう言って、紅龍は、顔を赤くしながら学校の中へ駆け出した。


「あれ、やっぱり嫌われてるのかな?」


「お兄ちゃん、鈍感すぎ」


 レナが、ジトッとした眼で兄を見つめる。


「え?どういうことだよ?レナ」


「別に?帰ろ?」


 ちょっと冷たい態度の妹を首を傾げながら、追いかける士郎だった。

 

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