ステージ10 欲情は誰にでも
ザシュ
刃物で肉を切り裂く音が暗闇で響く
また響く
また響く
・・・・・
気が付けばその暗闇の中で
‘生きている‘のは二人だけだ
片方の、”金色”の瞳が光る
恐怖で腰を抜かした男に
ムジヒナドクガガツキササル
俺は人に誇れるような生き方はしていない
そう確信している
少なくとも、裏社会に首を突っ込んだ奴は
だいたいそうだ
そんな人間が尊敬されるはずがない
なんだけど
「すごいです、あんな強そうな魔物を倒しちゃうなんて」
「当たりどころがよかっただけだ」
依頼完了の後、王都で俺達は宿を取った
天蓋付きのベッド、高級品の家具、センスのいい壁模様
奮発して高い宿を取ったのだ
これぐらいなければ割に合わない
「私、師匠に付いてきてよかったと思います」
少女漫画だったらバックに花が咲く笑顔だ
亜人フェチな俺にはどストライクなんだか
「もういい、寝ろ
明日も早いぞ」
小っ恥ずかしくなって、俺はベッドに潜り込んだ
一時間後
ティファが俺のベッドに潜り込んできた
貴様、俺に襲えと言うのか
エロゲーによくある展開だ
聞くだけなら踊りだしたくなるが
実際には精神衛生上大変有害だ
そっち方面に免疫が無いのでキツイ
結局、俺は寝不足になった