ステージ9 ヒーローはすぐ近く
お母様が流行り病で死んだのは、私が七歳の時だった
元々お体が弱い上に、仕事で
無理をされていたので、安静にしていれば治る
病気だったのに
姉同然に慕っていた侍女は
私を政略道具としか見ていないお父様に物申したせいで
首になり、会えなくなった
家のせいで友達も作れない私は二人が居なくなって
孤独だった・・・・
だから家出した
サンクワ―ル家の三女ではなく、ティファという
一人の人として行きたくて
そして
あの人に出会った
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周りの人たちより早く気がついた私は
出口を探して歩きだした
師匠が居ない状態だと何されるか
感だけを頼り進んだ
どれだけ時間が経ったのだろう
私は大きな部屋にたどり着いた
どうやら行き止まりみたい
戻ろうと振り向いた、その時
グルー~~~~
五メートルはある巨大な体
八本ある、長く、太い腕
簡単に人を踏みつぶせそうな、大きな四本足
見るからに強そうな魔物だった
「あ、あ・・・」
恐怖で動けない私に向かって
魔物は腕を振り落とした
ここで死ぬ、その事実を受け入れたくなかった
(助けて、師匠、アーシェルさん)
必死に助けを求めた私が祈ったのは
今最も尊敬する人だった
「世話焼かせるな、この小娘が」
ぶっきらぼうな、一番聞きたかった声
師匠が私を抱きかかえて(お姫様抱っこ)
魔物から離れたところに立っていた
当の魔物は
師匠に倒されていた
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「ウグ、ししょーーー」
「涙流して抱きつくな、誰が洗濯すると思ってるんだよ」
怒られても、私は師匠に抱きついて離れなかった
アーシェル、コンクリートの地面に鉄のフラグを立てる