ステージ8 ハプニングは当たり前
依頼はランクが高ければ高いほど危険、または困難だ
そして自分と同じ以下のランクの依頼しか、
冒険者は受けることが出来ない
死んだら終わり、灰になって、はいさようなら
いかん、親父ギャグだ
そして、Eランクの依頼報酬は一人がその日食う
だけの金にしかならない
つまり、ティファだけでは、行方をくらまして
やっていくだけの資金を稼ぐ事が出来ない
実家からの追ってが来たら、即連行だ
PTに入るにしても、信用できない人間が多いのは
どこも変わらない
俺に会えたのはある意味ラッキーだったな
俺のランクは最高なので、提示されている
すべての依頼を受ける事が出来る
だが、今俺は一人では無くPTリーダー
なので、慎重に選ばなくてはならない
最優先はティファのLVUPと資金稼ぎだ
それを考えるとCランク以下で報酬が高めのものを選ぶ
必要がある
次に優先するべきは遠くに行くこと、足の確保
足の確保は急ぐ必要はあまりないので
遠くに行くことを重視する
となると、護衛系の依頼がよさそうだ
ランクD
種類 護衛
内容
王都デブリジングに向かう
行商隊の護衛
応募人数
二PT
報酬
各PTに二千コルずつ
この依頼がよさそうだ
安めの宿を使えば、一週間は食っていける
最悪、野宿でもなんとかなる
「この依頼を受けたい」
「かしこまりました、登録書を提示してください」
何故、俺は・・・・
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依頼を受け、護衛に就いてから早二日
今のところ盗賊も強力なモンスターも
来ない
「何事も無く済みそうですね」
あと二日で王都に付く安心感からか、
ティファが微笑む
別PTの男共もチラチラ見てやがる
確かに周りは何もない草原だが
「ティファ、この世界にはフラグって物がある」
「ふらぐ?」
「こうするとこうなるってな感じのお約束
みたいなものだ、
そんな事言えば何か起こるぞ」
「お、脅かさないでください」
「この辺の地下にはダンジョンがある、
Bランク以上に危険な、な」
本当のことだ
大量のトラップと強力なモンスターという
最悪コンボ
おまけにボスキャラまでいる
土が崩れ落ちる音がした
どうやら俺がフラグを立ててしまった様だ
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最近の大雨のせいで地面が崩れたらしい
直径五メートルの穴が空いている
転落を免れたのは俺だけだ
高さから計算して重傷にはならないだろうが
落ちたのは最悪コンボのダンジョン
俺でもソロは危険だ
「見捨てるか」
その選択肢は、ある意味最善だ
俺自身の最優先は生き延びることだ
そうすれば、元の世界に帰れる確率は上がる
だが・・・・
脳裏にティファの笑顔が浮かぶ
四日前に関わったばかりの
別に助ける義理も必要もない少女
盗賊から助けたのは、自分も殺されそうになったからだ
だが俺は面倒を見てやろうと思った
放り出す機会などいくらでもあったのに
屈託の無い笑顔を俺に向けた彼女を・・・
守ってやりたいと、思った
惚れたのか、そうかもしれない
あんな顔して俺に接してくる人間なんて居なかったし
家族との仲さえ冷えているのだ
新鮮だった
ふと、空を見上げる
どこまでも済んで、雲ひとつない
この世界はRPGと似ている
努力すれば必ず報われる
才能が無いと悩む必要は無い
平等にチャンスをくれる
夢を見ることを許してくれる
なら
はーい
グダグダです