お父さんが死んだ
小説を見て下さりありがとうございます。小説を書くのは初めてで国語も苦手なのですが挑戦したくなり投稿を始めました。1話目は短いですが…。どうかお手柔らかにお願いします。
春の心地のよい日差しが私を照らす。今日は、「ーーーの日」つまりお祭りらしい。
なんだろう胸騒ぎがする。そう思ってると父さんが私を呼んだ。
「アリス、エリス。水を汲みに行ってくれ、祭りまでには帰ってくるんだぞ」
「うん!じゃあ、エリスはバケツを持ってきて」
「お姉ちゃんに言われなくてももう持ってきてるわよ」
エリスが私に言った。エリスは私の妹なのになんだか私の母さんみたい。
そう思ってると
「お・ね・え・ちゃ・ん?」
「はっ、はひ!」
どうやら私はぼーとしていたようだ。怖い顔のエリスが私を見下ろしていた。
母さんの写真に手を合わせてから扉を開けた。
「私、お母さんみたいになりたい。」
「それ、いつも言っているけどお姉ちゃんはお姉ちゃんらしくしてればいいよ」
「私は私らしく、か」
そんな雑談をしながら森を歩く。ここの森はなんだか不思議な感じがする。
なんていうんだろう、心地よい。
「やっと着いたよ。結構距離があるんだよね。この湖」
「文句言わないで早く汲まないと時間なくなるよ」
「ごめんごめん。でも都市の方ではもっと便利に水を汲めるんだって。この前村に来た旅人のおじちゃんが言ってたよ」
「どうせ迷信よ。お姉ちゃんこんなこと信じるの?馬鹿じゃない」
そう、私たち村人はこの森の外は知らない。どうやら都市の偉い人の命令で私たちを閉じ込めているって死んだ母さんに教えてもらったことがある。
でも、ほかの大人は何も教えてくれなかった。父さんも教えてくれなかった。なぜだろう。
「よし、これで最後ね。」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
「うぁっ!」
音と同時に大きな揺れが村と森を襲った。そして湖のそばにいた私たちは
すぐに村に帰った。
「エリス。大丈夫?」けがは無い?」
「うん。私は大丈夫。それより家を見に行こう」
「お父さん…。お願い無事でいて」
「大丈夫よ。絶対に父さんは無事よ。こら、泣かないでとりあえず家に帰ろう」
村の姿は跡形なく火の海となり家が次々と倒れていった。私はお父さんが心配だった。
いつもクールで可愛いエリスも涙を流しながら私についてくる。
「アリス!エリス!無事だったかっ。本当に良かった。けがはないか?」
「父さん、私たちは大丈夫よ」
「お父さん!それより腕の怪我、どうにかしなきゃ」
エリスは安心したのかうれし涙を流した。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!
音と同時に私たちの家が崩れ瓦礫が降ってくる。
「あ」
私は絶望した。もう死ぬんだ。覚悟したその時。
「エリス!アリスッ!」
「えっ?」
父さんが一瞬で目の前からいなくなった。でも、私とエリスは生きてる。
ふと、下を見ると。たくさんの瓦礫に押しつぶされた父さんがいた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「父さん!父さん!」
「あ、っ、アリス、エリ…ス。元気……に育つ……ん、だ…z」
父さんが力のない声で私たちに言った。これが父さんの最期の言葉だった。
あんなに元気だった父さんが一瞬のうちに。私は何度も後悔した。
「うっ、うああああああああ。ゲホッ」
「お姉ちゃん?!大丈夫?」
「め、めまいが…」
バタッ
その音と同時に私は倒れたらしい。目を覚ましたのは2日後だった。
次回は、アリスが倒れている間に起こった出来事をエリス目線でお送りします。