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メイズ・ラビリンス  作者: サッソウ
SEASON1
5/13

第五章 怪盗ゼロの正体(前編)

 マックスらが事件の調査をしている時も尚、刻一刻と犯行時刻に近づいていた。ようやく、ルーズらがホテルに着いた。

「なんだか騒がしいな……」

 ルーズは、少し気にしたがまずみんなに

「取り敢えず、ビルやチャルロット警部には気付かれないようにな」

 と言った。だけど、騒がしいのが気になって、

「何かあったんですか?」

 と、観光客に訊く。

「何でも、殺人事件があったとかさ」

 それを聞き、ルーズは少し心配になり、皆には

「部屋で休んでいてくれ。俺は、事件のあったところに行ってみる」

 と言って、ルーズは現場に急いだ。残された人達は、部屋に行った。


「君ら、先生の友人、マックスさんの助手だろ?」

 研修生の一人がマックスの助手と話ししようと、きっかけを作ろうとしている。

「それが?」

 助手の少年は、本当は少し性格が悪いのか。

「マックスさんはどうなんだ?」

「マックスさんねぇ……、あの人、3年前の事件でなんかあったの?」

「先生が言うに、3年前、このホテルに偶然居たマックスさん、当時のビル名探偵が……


 3年前

 偶然そのホテルに泊まった、ビル。そこで殺人事件が起こった。その事件現場に駆けつけたビルは、現場を検証し、推理をした。その時、通報で来たチャルロット刑事達は、この時も協力し合った。そして、犯人が分かったのだが、決定的な証拠が無く困っていた。ビルは、何となく地下の駐車場を歩いていると、巡査がこんなものを見つけたと渡した。しかし、その巡査はこの事件に全く関係ないものを渡したんだとか。その偽りの証拠で犯人が変わり、チャルロット刑事が逮捕した。しかし、真犯人はビルの予想していた犯人だった。その真犯人が、その後殺人事件を起こした。


 ……その犯人の名前がブロダイク・タブース。そして……」

 研修生は気付いた。

「あれ、あの子は?」

 話し相手の少年が居ない。

「あぁ、あの子ならトイレに行ったわ」

 と、二番秘書が言った。


 助手の少年は迷子になっていた。

(あれ? ここはさっき通ったような……。

 このホテルは、3回に分けてリフォームをした事があるため、複雑に入り組んでいるところがある。しかも、廊下が坂になっているところがあり、1階にいると思っていたら、いつの間にか3階にいたという事がよくあり、迷子になる客が多い。ちなみに、マーク警部とマックスも3年前、現在地が分からなくなった事もある。

 本人は知らないが逆に部屋から離れている。

「あれれ?」

 また、ここのホテルは3分の1が何号室と書いてあるが、残りの3分の2は号室名が無く、宿泊者の代表者名が書いてあるだけである。つまり、余計に現在地が分からなくなる。

 右往左往していくうちに、扉に"宿泊者名 ポリスン・ハード様"と書かれた扉を見つけた。

「ポリスン・ハード? あっ、確か……」

 少年は、マックスがマークとの電話の最後で「ポリスンは?」と訊いていたことを思い出した。

「……僕が訪れたときに電話で言ってた人かな?」

 ノックする。だが、返事はない。

(一か八か、入ってみよう……)

 戸を開けると、

「だっ、誰だ!?」

 なぜか、そこに怪盗ゼロがいた。


 ついにゼロの犯行予告時間になってしまった。

「チッ、犯行時間じゃないか!」

 マーク警部は、苛立(いらだ)っていた。

「ニックさん、この花瓶から指紋は採取できましたか?」

「いえ、まだ……。現場写真を撮り終えていないので」

「警部!」

 マックスは、マーク警部を呼ぶ。

「なんだ?」

「この花瓶から、もしかすると指紋が出るかもしれません」

「しかし、手袋をはめているだろ。普通は」

「そうですが、バラバラになり、血が付着することを……」

 マックスも(あせ)っていて、何が何だか。そこへ、救世主(?)ルーズが来た。

「なにやってんだ。ほらよ」

 差し出したのは、花瓶の破片や血の付着した手袋。

「これをどこで? あと、どうしてここへ?」

 マックスがそう訊くと、

「ここへ来る途中、怪しげな行動をしていたヤツを見た。跡をつけたらゴミ箱にこれが。犯人かどうかは、その時点では分からなかったから手放したけど……」

 どこで手に入れたかは言ったが、どうしてここにいるのかは言わなかった。

「そうか……。ニックさん、すぐに調べてください」


 ニックが調べた後、

「この手袋をはめていた人物が分かりました」

「さて、この事件の犯人は誰だ?」

 マークはそう言った。

 ニックが袋に入った手袋を出し、こう言った。

「持ち主は、ブロダイク・タブースだと判明しました」

「何!?」

 驚くのも無理はない。ブロダイク・タブースは、3年前の事件の真犯人だ。行方をくらまし、指名手配しても捕まらなかった犯人である。

「こいつ……」

 マーク警部がさらに苛立つ。

「あっ!?」

 マックスが急に叫んだ。

「一体、どうしたんだ!?」

「警部、被害者のローム・クロクシンは、3年前の事件の時、ブロダイクを(かば)っていた人では!?」

「じゃぁ、動機はおそらく口封じか……、何てことだ……」

 点と点が新たな点へと結ばれていく。

 あれ? そう言えばポリスンはどこへ?


To be continued…


まとめて後書きを書くと、どの話に対する後書きかこんがらがって、よく分からなくなる。他の作品でもまとめて投稿するときに、同じようなことがあるけれど。さて、これは第五章だから、何書こうか。

『メイズ・ラビリンス』って、感嘆符が多いですよね。この後の作品では、感嘆符はあまり使ってないですね。(むし)ろ、三点リーダーが増えた気がします。

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