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メイズ・ラビリンス  作者: サッソウ
SEASON2
10/13

第九章 疑惑

 マックスが入院して、バラエティー番組"ワールドニュースグランプリ"が、"名誉に関わる事件"という名で特集し好評な頃、ポリスンの耳にこんなニュースが入ってきた。それは、

 "警部が人を殺した"

 というニュースである。どこからどう流れたのかは知らないが、ポリスンの警部というと、やっばりあの人しかいない。そして、

「警部、最近警部の悪い噂をまた聞くんですが、どうなんですか?」

「噂はあくまで噂であって、真実とは限らない。噂に流されるな」

「もし、その噂が本当なら……一大事ですよ」

「だから、今から調査に向かう。ポリスンとコリクに問う。噂を信じるか、私を信じて付いてきてくれるか。どちらを選んでも構わない」

「私達は、警部を信頼してます」

 向かったのは、事件が起こった、とあるコンビニエンスストアである。

「ここか、(わし)が人を殺したのは」

「いきなりそんなこと言うんですか!?」

 これには、長年マーク警部の部下として過ごしてきたポリスンも吃驚した。

「それが、現時点の噂だからな」

 マーク警部はそう言った。マーク警部は、2週間前の辞表を出そうとしたときとはまるで違う。この二週間に何があったのだろうか。

「それで?」

「あっ、はい。殺害されたのは、リチューム・タブース氏」

「ということは、ブロダイクの」

「弟です」

「そこのコンビニの監視カメラをチェックしろ」

 マーク警部は自分の名誉より、事件解決を目的とする行動をとるようになった。

「警部、情報師から電話です」

 と、コリク刑事が言った。ちなみに情報師は、ニック鑑識の渾名で、インターネットや人脈を巧みに使い、的確に情報を伝達してくれることからそう呼ばれているみたいだ。

『警部、大変な事実が分かりました。ブロダイクの弟についてです』

「ニック、その弟、リチューム・タブースの死亡が確認された」

『噂は私の耳にも届いています。それで、1つ気になることが分かりました。5年前に起こった、迷宮入りのタブース家の事件で、管轄の警察署が再鑑定したところ、ブロダイクのDNAが凶器とみられるモノから検出されなかったんです!』

「何!? つまり、ブロダイクの無罪が証明されたということか!?」

『えぇ、そうなります』

「ニック、ブロダイクが関与したと思われる事件を全て再鑑定してくれ」

『全て…ですか?』

「至急、頼む」

『頑張ってみます…』

 そんなことを知らない、マックス探偵と怪盗ゼロ。まさかと思い、現場に向かっていた。マックスは、まだ車いすでの

移動しかできないが、順調に回復している。マックスは、車いすでバスに乗った。

 事件現場は、闇に包みかかる時間帯だった。マックス探偵は、警部を見つけて

「警部、何をしてるんですか!?」

 そして、堂々と、ゼロが来た。でも、実際は堂々とはいかず、多少の変装はしていた。

「チャルロット警部、私を捕まえることができなくて、暴走したんですか!?」

 迫ってくるマックスとゼロ。

「ちょっと待て。それは、噂であって真実ではない」

「どういうことですか!?」

「タブース家のあの事件に関連がありそうだ」

 とだけ、マーク警部は言った。

「そうですか……。まぁ、警部がするわけないと思ってましたが、よかったよかった」

 と、マックス。ゼロもため息をついて、無言で帰って行った。

「おい、ポリスンはどこ行ったか探せ」

 ポリスンが怪盗ゼロということを証明する絶好のチャンスだと思い、コンビニの中に入った。するとそこにポリスン

がいた。後々分かったのだが、そのコンビニのトイレの窓は大人一人がぎりぎり通れるぐらいの大きさだった。


 "ワールドニュースグランプリ"が"真実を暴け!"のコーナーの"名誉に関わる事件"を放送した。

「さぁ、大好評の"真実を暴け!"のコーナー。今回は、事件に遭遇した視聴者からハガキが届きました。なんと、このハガキによって、新たに判明した真相があります。それでは、再現映像をご覧ください」

 と言って、CMに入った。そのCMが開けると、映像に切り替わった。

 4年前─

 ホテル、当時は"ホテル ビジター"という名だった。そして、レック・ソロ氏がブロダイク・タブースに殺害された。そのホテルには、ゼロから予告状が届いていた。

 という情報を手に入れた。(当時)ビル名探偵と(当時)チャルロット刑事。そのため、殺人事件の現場に急いだ。ビル名探偵とチャルロット刑事のコンビは有名で、これまで多くの難事件を解決してきた。そして、マックス探偵は、犯人がブロダイクだと分かったのだが、決定的証拠がなく、困っていた。何となく地下の駐車場を歩いていると、警備員が、こんなものを見つけたと渡した。しかし、その警備員はこの事件に全く関係ないものを渡した。その偽りの証拠で犯人がトブリックに変わり、チャルロット刑事が逮捕した。しかし、真犯人はビルの予想していたブロダイクだった。そのブロダイクが、その後殺人事件を起こし、指名手配された。

 そして去年逮捕されたのだが、先月脱獄したことが発覚。

「さぁ、どんどん明らかになる"名誉に関わる事件"。次回は、なんと、マックス探偵とマーク警部、そして、怪盗ゼロが生放送で語ってくれます。お楽しみに!」

 そこで、急にニュース番組になった。

「速報です。タブース家の事件に進展がありました。DNAの再鑑定でブロダイクの無罪が証明されました。警察署前からの中継です」

 警察署前に画面が変わった。

「先程、警察署は会見を開き、ブロダイクが犯人ではないことが説明されました。そして、ブロダイクが関与する事件を全て再鑑定を行うとの発表もありました」


To be continued…


マーク警部は、怪盗ゼロをあくまでも現行犯逮捕するつもりみたいですが、ここで逮捕した方が良かったのでは……?

前回が長かった分、今回は短いようです。当時、各1章の長さは全く決めていなかったので、ばらつきがありました。

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