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メイズ・ラビリンス  作者: サッソウ
SEASON1
1/13

第一章 予告状

これを書いたは10年以上前で、懐かしく思いつつも、慣れてないところがあります。2010年のブログ掲載時に、そこそこ改訂をしてたので、誤字脱字ぐらいの軽微な修正で掲載します。『黒雲の剱』や『紅頭巾』よりも前で、かつ初めて小説にチャレンジしたオリジナル作品がこれでした。ブログ終了に伴い、小説家になろうへ移します。よろしくお願いします。

 ”マーク警部、惜しくもゼロを捕まえられず……。先日、予告状を出すという大胆なところがあったが、怪盗ゼロは大金持ちのアシトス家からアメジストを盗んだ”

 そこまで新聞を読んだとき、一通の手紙が届いた。新聞を机の上に置き、手紙を開封すると、その手紙には

 ”マックス・ヴィルソン、私は大富豪の長女ジェネリー・ディロと申します。実は、私達のところに怪盗ゼロから予告状が届きました。先祖代々受け継いでいるもの宝をいただく"と。御話ししたいことが御座いますので、こちらまでお越しください。 ジェネリー・ディロ”と書かれていた。


 大富豪邸着

 マックス・ヴィルソン探偵は依頼主の家に着いた。

(ここか──。"城"みたいだな)

 そんなことを思いながら呼び鈴を鳴らして扉を開ける。中は豪華なシャンデリアや赤いカーペットがある。正面、サイドに階段、その間に古時計がある。しかし、玄関には誰もいない。それどころか騒がしい声がする。

「誰かいませんか~?」

 後ろからパトカーのサイレン音がする。玄関の外は庭になっていて、円形の道路の真ん中には噴水がある。一般道路からパトカーが三台ほど庭の舗装道路をものすごいスピードで走ってくる。そして、華麗にドリフトを決める。

「ここだ」

 パトカーから警部と思われる人、1人と部下か鑑識の人かは分からない5人が出てきて、同時に"城"の奥の部屋から女性が出てきた。

「刑事さんですか?」

 マックスを一瞬見たが気にせず、警部と話しする女性。女性が警察の人たちを奥へと案内する。マックスは玄関に1人ぼっちだ。ちょっとしたあと、奥から男性が出てきた。

「何かあったんですか?」

 マックスが訊く。

「誰ですか?」

「あぁ、申し遅れました。私、ここのジェネリー・ディロさんという方に依頼されて来た、探偵のマックス・ヴィルソンと申します」


 男性はここの三男でバイオレントという。バイオレントの話によると、先程、次男のリークが風呂場で射殺されていたのを警察に通報し、警察の人を現場に案内したのだという。


 一方、警部の方はというと……

「現場の物には触れていませんね」

「はい」

「私は、警部のマーク・バロットといいます。あなたは?」

「私は、この家の長女ジェネリー・ディロといいます」

「リークさんとはどういった関係で?」

 マーク警部が質問を始めた。

「リークは、ここの次男です」

「第一発見者は?」

「バイオレントです」

「その方は、今どちらに?」


「バイオレント! どこにいるの?」

 ジェネリーの声に気づいたバイオレントは

「すみません、姉が呼んでるので……」

「あっ、分かりました。では私は、一度出直します」

「いえ、姉に一言も言わずに帰してしまうと、流石に……」

 バイオレントは、頭を掻いた。

「では、こちらで待たせて頂いても宜しいでしょうか?」

「はい、そうして頂くと有り難いです。では、ちょっと待ってくださいね」

 マックスを応対室に残してバイオレントは応対室を出た。


 その夜、3階突き当たりの部屋でマックスはジェネリーと話をしていた。

「申し上げにくいのですが、私は予告状の件について来たのですが、どう致しましょうか?」

「15日の深夜12時に先祖代々受け継いでいる宝をいただきに参上する。という予告状で、こちらになります」

 ジェネリーは予告状をマックスに見せた。

「これは、また大胆ですね」

「でも、この家には先祖代々受け継いでいる宝なんて無いんです」

「無いといいますと?」

 マックスは予告状を机上に置いた。

「受け継いでいるものなど無いんです」

 廊下に、ドアに耳を当ててマックスとジェネリーの会話を盗み聞きしている人物がいた……


 翌日

 マーク警部がみんなを呼び集めた。

「皆さんに改めて事件時について聞かせてもらいたいと思います」

 その中にマックスは居なかった。

「それでは、現時点では分からないところがありますが、事件の行程を考えてみました」

 マーク警部が言うに、犯人は次男のリークを浴室に呼び寄せた。そして、リークが振り向いた後、射撃。その証拠に、前から撃たれていた。銃が見つからないのは、犯人がまだ所持しているということ。犯人が分かるのも時間の問題である。


 マックスは、すべての部屋を調べていた。流石に大富豪の家というだけあって、部屋が多い。しかし、風呂場とマーク警部がいるリビングは調べなかった。いや、調べることができなかった。何故かというと……

 リビングを退室するマーク警部とマックスが鉢合わせになった。マークは愛用の帽子を深く被り、

「何故、ここにいる?」

 マックスは、まずは挨拶と思い、

「警部とは、約3年ぶりですね」

 と言うと、マークは激怒し、

「気安く言うな! 行くぞ、ポリスン・ハード」

 と、言って去る警部とその部下ら。三年前……、それは、忘れたくても忘れられない事件があった年……。


 マーク警部は近くの喫茶店へ行った。

「警部。今後の捜査は……」

 部下のポリスン刑事が言うが、マーク警部は聞いていない。三年前の事件を思い出してしまっていた。

「警部、どうかなさいましたか?」

 マーク警部が我に返った。ポリスンは珈琲を飲み、続けて、

「退室のときに会った人、知り合いですか?」

「いや」

「じゃぁ……」

 マークは机を叩き、

「私の名誉に泥を塗った、裏切り者だ!!」

「う、裏切り者……ですか」

「ああ、三年前の事件でな」

「三年前といいますと、僕の記憶の中で鮮明に覚えているので、どこかの新聞にどでかく載っていた"冤罪!罪なき人を追い詰め!"という記事で、あるホテルでの殺人事件ぐらいしか……」

 そこまで話したとき、マーク警部は平常心でいられなかった。

「あれは、ヤツが仕組んだんだ! (わし)に……」

 マーク警部は喫茶店を飛び出した。

「け、警部!?」

 ポリスンは急いで代金を支払い後を追う。

 三年前の事件、それが全てを変えてしまった……


 事件は解決していた。結局、マックスはこの事件に首を突っ込まず、マーク警部とポリスン刑事らが解決させた。真相は、他殺に見せかけた次男のリークの自殺。リークは一年前に長男を殺害していたため、リーク自身が自ら罪から逃れようと己を殺めた。聞き込みなどにより、リークは多額の借金をしていた。そのため、金に困って長男を殺害して父親の遺産を全額奪う気だった。しかし、罪の意識のほうが大きかったんだろう。

 自殺でこちらの事件は幕を閉じた。


To be continued…


その後の『黒雲の剱』や『紅頭巾』では、三点リーダーのみですが、『メイズ・ラビリンス』はダッシュ記号を多用してました。ただ、ブログ掲載の修正で、ダッシュ記号の一部を三点リーダーに修正してました。その修正も約9年前で記憶に無いけど……。

初の小説を挑むときに、なぜこの題材にしたのかは、あまり憶えてないです。ちなみに、その前は漫画を描いてたけれど、人物の絵が描けなくて小説に転身しました。その漫画というのが、『エトワール・メディシン』の前身となる作品です。もはやジャンルも違うし原型が無いけど。


さて、12月1日はブログの開設日(15日にサービス終了で閉鎖になりますが……)で、自分の作品を初めてネットに公開した日なので、記念日として去年に引き続き、全作品が更新されます。

なお、本日より『路地裏の圏外 ~MOMENT・STARLIGHT~』が連載開始です。『メイズ・ラビリンス』からマックス探偵が登場です。そちらもよろしくお願いします。

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