第三話 ティティアンエボリューション・パピヨン!
人生で初めて、ネット小説初投稿となります!!
ライトノベルと児童文学の間くらいの感じで、気楽に読んでいただければ!!
あらすじ:主人公の飛鳥川 鈴は、フォッサ女学院中等部生物部に所属する中学一年生。
動物と特殊能力系のマンガが好きな、ちょっと中二病の女の子(中一だけど)。
ある日友人の親が経営するネットカフェで、不思議な声に導かれて「ティティアンノート」という本を発見する。
【実物の動物を見ながらこのノートにスケッチをすると、不思議なことが起こるであろう】
その言葉通りに、部活の友人たちと共に動物をスケッチをすると、なんとー!
翌日の放課後になり、さっそくわたしたちは部室へと向かった。当番となっている飼育小屋や水槽の動物や魚たちのエサやり、観察記録などを
終えた後、昨日の本の話題になる。
「ねえ、早速ためしてみようよ、昨日のノート!ちゃんと持ってきた?」
話を切り出すのは、部活で最も好奇心旺盛な楓ちゃんだ。
「ちゃんと持ってきたよ。500ページ近く?もあるから重くて大変だったよ~」
かばんからノートを取り出すと、部室中央の机に置いた。
「じゃあ、何から描いてみましょうか?動物だったら何でもいいのかな?」
彩先輩が質問をすると、
「私はとりあえず可愛い動物がいいかな」
と、パフィンちゃんが飼っていて、飼育記録を付ける目的で学校に連れてくることを許されているパピヨンという犬種の「パピ」ちゃんを描くことにした。
名前の由来はパピヨンだかららしい。シンプル。
ペンケースからシャープペンと消しゴムを取り出し、早速スケッチに取り掛かる。
このノートの、記念すべき最初のスケッチだ!
かきかき、かきかき。
かきかき、かきかき。
かきかき、かきかき。
「うぅ、わたしあまり美術は得意じゃないんだよぉ・・・・」
それにパピちゃん、じっとしてくれなくて動き回るし。描いてる最中もわたしや他の部員にじゃれついてきたり、部室を走り回ったり、水を飲みにいったり。
1時間ほど経って、ようやく犬?と分かるまで出来てきた。この調子だと部活終わるまでかかっちゃうかな・・・・。
最初は部員全員がノートに興味を示し、描き方についてアドバイス?余計な口出し?をしていたが、
描き進んでいるうちに時間は進み、わたし、楓、彩先輩、チャチャ、パフィン以外の部員たちは帰ってしまった。
それでも何とか最終下校時刻までには仕上げようと、気持ちを集中させてシャープペンを走らせる。
かきかき、かきかき。
かきかき、かきかき。
かきかき、かきかき。
最後に瞳の部分を黒く塗り、
「で、できた・・・・・できました!!パピヨンのパピちゃん、完成ですっ!!!」
「おおー!!」
わたしがスケッチをしている間、スマホをいじっていたり本を読んだりしていた子たちが、やっとですかという思い半分に歓声を上げる。
「で、何が起こるのかナ?お宝の地図は??異世界召喚ハ???」
パフィンちゃんがわくわくした顔を向けてくる。
「やっと出来たかー。これだけ待たせたんだからさぞ素晴らしい名画かな?」
チャチャがからかい半分に覗き込んでくる。
パピちゃんも雰囲気を察してなんだか楽しそうだ。
その時、突然わたしの目の前が真っ白になった。
「ん・・・どこここ?目が見えない?あ、見える・・・。これはパピちゃんが産まれたばかりの頃の風景なの?」
パピちゃんと思わしき子犬が産まれてから、育てられ、パフィンちゃんの家に引き取られて、この部にやってくるまでの記憶??が
頭の中に流れ込んできて、映像として見える。とても長い時間だけれども、一瞬のような、不思議な感覚で。
それらの映像がらせん状のフィルムのようなものに吸い込まれ、宙に浮かんだたくさんのらせんが1つに束なっていく。
しばらくすると、胸に言葉がこみあげてくる。その言葉は・・・・。
「ティティアンエボリューション、パピヨン!」
その言葉が認識できると同時に、私は声を上げていた。
するとノートが宙に舞いあがり、激しく回転し、光を放つ。わたしの身体が今まで体験したこともない熱に包まれていく。
「鈴!!ちょっと!?」
まわりの子たちがうろたえているのが分かる。なになに?一体何が起こっているの??
光が収まると、何だか周りのイスや机が大きくなっている気がした。