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第二十四話 VSハヤブサ③

事情があり、間が空いてしまって申し訳ございません。これからは最低、週に1話投稿できるよう頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします。

 わたしたちはハヤブサから離れた位置から、じっと目を凝らしてみる。


「ねえ、あの奥でモコモコしてるのって、もしかして」


「やっぱりそう思う?」


 わたしたちはさらに近づいてみる。するとハヤブサは振り返り、警戒してこちらを見てくる。



「だ、大丈夫だよ、わたしたち敵じゃないから」


 わたしがそう言うと、ハヤブサなぜかこちらへの威嚇をやめてくれた。


「あれ、通じたのかな??」


「そっと近寄って、イルカちゃんを取り返さないと」


 わたしはハヤブサの目をじっと見つめながら、じりじりと少しずつぬいぐるみのイルカちゃんの方へと近づいていく。


 ハヤブサもじっとわたしの方を見たまま、動かない。よし、これならあと少しでぬいぐるみを取り返せる!


 あと少し、あと少しでぬいぐるみまで手が届く!その指先が、あと数ミリでぬいぐるみに触れようと、




 ――その時、急に目の前が虹色に輝いた。



 きらきらと視界をおおう視界の虹色の光は、まるで夢の中を何十秒か続いたように思われ、少しずつその光が薄まっていく。そして、光が消えた先に見えたものは――



「これは―、空?」



 気が付けば、わたしは空を飛んでいた。さっきまで飛んでいた景色と似た、森林と山と崖の風景。


 わたしは何かを探しているようだった。辺りを注意深く見回してみる。すると、スズメかな?小さな鳥が飛んでいて、それを捕まえようとする。ものすごいスピードで飛びかかるけど、なかなかうまく捕まえられない。


 すると、今度は突然、森の中を飛んでいた。遠くに小さな動物が見える。ネズミかリスの仲間だろうか。今度はそれを捕まえようとするが、やはりうまくいかない。


 わたしは落ち込んだ気持ちで空を飛び続け、さっきまでみんなで入ったハヤブサの巣穴に戻ってきたようだ。


「「「ピー、ピー!!」」」


 巣穴の奥に入ると、さっき見たはずのハヤブサのヒナたちががいた。大きく口を開けて、エサを求めて鳴いているようだ。


 わたしは、そのヒナたちに何もしてあげられなくて、とても申し訳なくて悲しい気持ちになってしまった。


 そして時間が経ち、外が暗くなり、わたしは眠りについた。


 目が覚めると外が明るくなり、朝になっているのがわかった。


 そしてわたしは、また外へエサを求めて飛び立つ。今度は、虫などがいないか、森の地面近くを探して見る。でも、見つかったのはわずかなミミズやダンゴムシといったものばかり。


 そのわずかながらの小さな虫を、巣穴まで何往復もしてヒナな与えている。でも、エサこれだけでは全然足りないと分かる。


 完全にハヤブサの身体になりながら?も、人間としての意識を持っていたわたしは、ある事を思い出した。


(そういえばこのあたり、集中豪雨が続いていたって、テレビのニュースで見た気がする。地滑りなんかも起きたって)


 ―それで、巣のまわりの場所の環境が変わっちゃって、エサが取れなくなっちゃったのかな??


 そしてまた空が暗くなり、夜が明けて―、と、そんな日々が四~五日間くらい続いた気がした。


 このハヤブサの絶望に暮れた感情が、痛いほど伝わってきた。そしてまた、あたりが暗くなっていく――。



「……ん、りん、りん!!」


 あれ、わたしの名前を呼ぶ声が聞こえる。どうしたんだろう、何かあわてたような呼び方で。

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