side ミズカ
久々の投稿です
次の日、ミズカは宿で朝食をとった後、ヤマキと別れ、昨日気になったお店を目指しあるいていた。
(ヤマキ君大丈夫かな?)
実のところを言うとミズカもヤマキと一緒に図書館に行きたいというのが本音だが、どうしても昨日見かけたお店が頭から離れず気になっていた。なぜと?、ときかれると答えに困ってしまう。外見はこの世界ではよく見かけるようなお店とさほど変わらず、これといった特徴もなく、なぜこんなににもミズカの中で残っているのかミズカ自身不思議だった。
言ってしまえば「なんとなく」が一番ぴったりとはまる。
しかし、ミズカにとってその「なんとなく」はとても強いかった。
たとえば、好きな男性と一緒にいる時間をつぶすほどに。
ミズカが周りの景色やようすを楽しみながら歩いていると、やがて昨日見かけたお店にたどり着いた。
やはり、昨日見かけたとおり何の変哲もないこの世界では、よく見るお店だ、ミズカが気になる目新しさは見かけられなかった。
ドアノブをひねりドアを開けると、同時に扉についてた鈴がチリンチリンと音を鳴らした。
「いらっしゃいませー」
姿は見えなかったがお店の奥から声が聞こえた。
お店の中は幾つのもの棚がならび、多くの商品が綺麗に並べられていた。
(あれ・・?今の声聞いたことがるような?)
そう思っていると奥から最近であった少女が店の奥から出てきた。
「いらっしゃいま・・って、ミズカさんじゃないですか、来てくれたんですね」
少女、エルナはミズカだとわかると少しオーバーに喜んだ。
「たまたまですけどね。このお店ってエルナさんのお店なんですか?」
「そうです、そういえば言ってませんでしたね、すいません急いでいたので言いそびれてしまいましたね。この店は、私、ジャルナクリトロ・ルーファ・・・っと、二回目でしたね。では、私、エルナの自慢の店です。改めてあの時は助けて下さってありがとうございました」
エルナは深く頭下げながらそう言った。
「いえ、実際に助けたのはヤマキ君ですから、そんなに頭を下げなくていいですよ」
「そうですか、わかりました、・・・そういえばヤマキさんは?」
「ヤマキ君なら、図書館に行くといってました」
「なるほど、なら旦那さんにサプライズのためにこの店に来たんですね!」
エルナは急に楽しそうな表情になったが、
「だっ・・・、!?ま、まだそんな関係じゃないです!」
ミズカは、顔を赤くし大きく動揺した。
「えっ、本当ですか!!とても仲が良かったので夫婦で旅をしてると思いましたよ」
実際、エルナが言ったことはこの世界ででは珍しくない、旅が好きな冒険者二人が結ばれた後も一緒に旅にすることも普通にある。
「では、夜の経験もなしですか?」
「ーっ」
エルナのいきなりの質問の内容にミズカは顔がボっと赤くなった。
「その様子だと、まだのようですね。では、ミズカさんが私の店に来た理由は、ヤマキさんと中を深めるためですね」
「えっ?」
「まってくださいね今すぐ当店一押しの媚薬を用意しますよー、使えば効果覿面、この前なんて間違えて私が使ってしまったときなんて死ぬかと・・・」
「まって!まってください!いきなりなんですか?!媚薬!?」
「あっ、もしかしてミズカさんは道具派ですか?それならどんな女性も一瞬で出来上がる道具があるのでそれで自分から行っちゃいましょう、大丈夫ですミズカさん綺麗ですからヤマキさんもいちこ・・・」
「そうじゃなくて!なんで媚薬やら誘惑云々の話になってるんですか!」
顔を真っ赤にしながら大きな声でミズカが言うとエルナは一瞬ポカンとした顔になったがすぐに納得したような顔になった。
「ミズカさん、私の店なんの店か知らずに入りましたね?それもなんとなくの気持ちで」
「・・・」
ミズカの事情を的確に当てる発言に少し冷静になった。
そのことを知ってか知らずかエルナは言葉を続ける。
「この店はですね、ミズカさんのような奥手の方が関係を進める為の道具を取り扱っている店です」