sideヤマキ
次の日ヤマキは朝食をとった後、ミズカと別れ昨日いくつか見かけた図書館の内の一つを目指し歩いていた。
(珍しいなぁ・・・ミズカさんがお店に行きたいって言うなんて・・・)
昨日話したときはあまり気にしていなかったが、ミズカが自分からお店に行きたいといったことはヤマキが知る限りでは聞いたことが無く今になって少し疑問に思った。元の世界ではミズカはヤマキがどこかに誘わなければ基本どこかに出かけようとしなかった。
(まぁ、異世界だし何か珍しいものでも見かけたんだろな、後できいてみよう)
しばらく歩くと昨日見かけた図書館についた。
大分前に建てられたのだろうか全体的に少し汚れている大きな建物があり入り口の上には『中央森の図書館』と書かれている。
ヤマキがドアを開けるとかすかに心地の良いやわらかな匂いを感じた。
「こんにちは」
声がしたほうには受付がありそこにエルフの男性がいた。
「君、旅人かい?この図書館を利用するんだったたらギルドカード見せてくれれば大丈夫だよ」
ヤマキは懐からビギナの街で作ったギルドカードを取り出しエルフの男性に渡した。
「どうぞ」
エルフの男性はヤマキからギルドカードを受け取ると軽く表面をこするとギルドカードから文字が空中に浮かび上がった。
「うんうん、まだ新人者だね、はい、返すよ。じゃあ図書館を利用していいよ」
もう一度軽くこすり空中の文字を消した後ヤマキにギルドカードを返した。
「あの、何をしていたんですか?」
目を輝かせながらヤマキはさっき起こった現象について問い詰める。
「ああ、さっきやったのは、そのギルドカードに書かれている犯罪歴とか功績とかを見たんだよ、大切な本が守る為にね」
「なるほど、ありがとうございます」
「じゃあ、ゆっくりしていってね」
奥に進み大きな扉を開けるとそこには多量の本が宙に漂っていた。