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8 グランドギルド

あらすじ

魔法の力は偉大

「うわあ...でかいな...」


街の中心にあるとてつもなく大きい建物、よく東京ドーム何個分とかで表されるが、大体上に連なって二個分程だろうか。とにかく大きい。


「ここがグランドギルドで合ってんのか?」


さっき掲示板に貼ってあった地図からするとどうやらここの様だ。


「これ、どうやって建てたんだ?」


素材の大体は木造の様だが、この巨大な建物は一体誰がどの様に建てたのだろうか。これも魔法の力かもしれない。


「と、とりあえず中に入ってみるか」


建物の中から聞こえる声を察するに、とても賑わっている様だ。建物の入り口には、数十台ほどの馬車が止まっている。


「馬車なんて、初めて見たな...」


俺はそんな事を言いながら、建物の中へと入っていった。







中はデパートにあるフードコートみたいな様で、中心が談話場の様に椅子とテーブルが並べられていた。椅子に座りながら多くの冒険者が話しているのが見える。飲み物も飲めるらしい。

壁に沿う様に掲示板や受付の様なカウンターも見えた、あそこでクエストを受注したりするのだろうか。


「あれ、酒か?」


完全に未成年が酒を飲んでいる姿が見える。流石異世界、未成年飲酒が許されているのだろうか。


「俺も、また飲んでみるか?...って、阿保か」


ここが異世界でも俺はまだ未成年。飲酒をするのは一応禁じられている。まあ、飲んでみたい気持ちは嘘ではないが、後3年だ。


「えっと、とりあえず...」


俺はここに来たもう一つの目的。冒険者への登録を済ませようと思い、登録できる場所を探した。


「うーん...おっ」


辺りを見渡しすぐに見つかった。『冒険者登録カウンター』なるものが俺の視線の先にある。


「冒険者か...楽しみだな」


職業は何だとか、強さはどれぐらいだとかを考えると、心が踊ってしまう。


「ここに並べば良いのか?」


カウンターの前には三人が並んでいた、俺はその最後尾に並ぶ。

少し待っていると、ガッチリとしたおっさんが俺の後ろに並んで来た。偶然目が合ってしまい、会釈をする。


「ここに並ばせて貰うぜ...坊主も冒険者に登録するのか?」

「あ、はい」


突然声を掛けられ動揺したが、なんとか返事は返せた。


「俺はナバルってんだ、ナバル・アルバート、よろしくな」

「僕はマコト・シラカワって言います、ナバルさん、よろしくお願いします」


生まれて初めて他人と自己紹介した気がする。小学校の時の自己紹介は俯き続けて先生に自己紹介勝手にされて終わりだった。


「そんな堅苦しくなくていいぜ、気軽に呼び捨てで」

「...こんなもんか?ナバル」


突然の注文に多少戸惑ったが、大丈夫だ。この程度のことは予想済み、よくある光景だ。


「おおお...逆に清々しいなお前、余りの変わり様にびっくりしたぜ」

「まあ、切り替えは早いと自称しているからな」

「自称かよ」


なんか、普通に会話している。異世界に来て初めて世間話している気がする。アーリエとも話はしているが、ほぼ説明とか研究の為だった。


「ナバル、結構な年に見えるけど、仕事とかしてないのか?」

「馬鹿言え、これでもまだ二十四だ。まあ、妻子持ちだが」


二十四で妻子持ちだと...。嫁さんがいるなら分かるが、子供までいるのかよ。そんな事を言われると、ナバルが結構イケメンに見えてきた。


「おい、列進んでるぞ、進め進め」

「おっと、ごめん」


ナバルに促され、俺は空いた列を進んだ。進んでいった人は、隣にある扉を奥へ進んでいった。


「あれは何処に行ってるんだ?」

「職業適性検査を受けたんだろう。一人一人に適している職業を検査してくれるんだ」

「職業適性検査か、ナバルは戦士とか前衛職が似合いそうだな」

「まあ、かなり鍛えたからな、前衛職になる予定だが」


なるほど確かに鍛えていると言えるほどの筋肉を持っている。かなりのガチムチだ。あの人が見たら『ウホッ』とか言うかもしれない。


「俺は後衛職とかが良いな。魔法とか使ってみたいし」

「魔法か、俺には縁の無いものだが」


ナバルと他愛もない話をしていると、とうとう俺の番が回って来た。


「お客様、本日はグランドギルドへの登録で宜しいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「分かりました。ではまずこれにご記入を宜しくお願いします」


渡された紙には、名前、年齢、生年月日など、自分についての情報を書く欄があった。


「えーと、名前はマコト・シラカワ、年齢は十七歳...」


俺はプロフィールを用紙に記入していき、受付の人に提出した。


「ありがとうござ...お、お客様?これはなんて書いてあるのでしょうか?」

「え、いやいや自分のプロフィールですけど...」


受付の人の反応に首を傾げる。俺はちゃんと書いた筈だ、ちゃんと、日本語を。ま、まさか?


「し、失礼ですが、なんて書いてあるのか私には分かりません...」


如何やら俺は、俗に言う異世界語が、話せたり読めたりはするが、書けない様だった。


第8話です。おっさんが出て来ます。個人的にお気に入りのキャラです。

ヒロインは未だ出て来ません。

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