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卓球ノート  作者: 誠也
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33/40

対青戸

広島県から準々決勝に残ったのは、俺、徹、赤沢さんだけとなった。あとは徹が昨日言ってた外シードの青戸さん、浅村くん、田辺さん、それから内シードの山口県川北中学の大谷さんと岡山県中山中学の原野くんだ。この中で無名なのは俺だけのようで観客席から「あいつ誰だ?庄原北なんて聞いたことないぞ?」とか聞こえてくる。無理もないか、俺は今年始めたばっかだもんな。


「準々決勝のコールを行います。・・・庄原北山本くん、出雲北陸青戸くん、第17コートに入ってください。」


真ん中のコートだな。コートに向かう途中青戸さんと鉢合わせた。長身で見上げてしまう。175くらいかな?それに、ものすごい集中してる感じで完全に試合モードだ。コートに着き荷物を置く。青戸さんはシェーク裏裏のカットマン。徹から昨日少し情報をもらって対策は考えたけど、やってみないことにはわからない。とにかく粘り強く行こう。

試合が始まり、サーブは俺からだ。青戸さんのラバーは裏と裏、粒高じゃない分横回転系サーブも出しやすい。ロングサーブと横回転系サーブで組み立てる。俺は右に左に前に後ろに、さらには緩急を付けてみるけどなかなか決まらない。一本一本が30球以上はかかってる。体力が要りそうだけど集中して行こう。


「タイム。」


ラリーの途中だけど審判が止める。なんだ?


「今から促進ルールを適用します。」


促進ルール?なんだそれ?慌てて審判に聞きに行く。何でも一ゲームの両者の得点の合計が18点未満くらいのときに10分経過すると適応されるようで、レシーブ側が13回返球できればレシーブ側の得点となるらしい。これ以降のゲームで全て適応されるようだ。俺がサーブのときはなるべく早い段階で決めにいかなければいけないのか。ちょっとリスクを負わないといけないな。ラリーのカウントをする審判がやって来て試合が再開する。慣れないルールに少し焦る。リスクを負って攻めていくがミスが出てしまう。でもそれは青戸さんさんも同じだ。青戸さんも自分がサーブのときはカットだけでなくドライブも混ぜて揺さぶってくる。それでも耐えて耐えてお互いレシーブのときはなかなか譲らない。そのまま一ゲーム目は24-24に。タオルを取り、汗を拭う。ふぅ、こんなに一ゲームが長いことなんて初めてだ。毎日走り込んで体力は付けてたつもりだけどちょっときついや。喉もカラカラだ、早くスポーツドリンクを飲みにベンチに戻りたい。でも集中を切らす訳にはいかない。もうひと踏ん張りだ。

俺のサーブ、バックにナックルロングサーブを出す。あっ!ネットに当たり、自分のコートに球が落ちる。くぅ~やっちまった。切り替えろ。

青戸さんのサーブ、バックにぶちギレの下回転サーブが来る。周り混んでミドルに短くループドライブ。バックに深くブロックが来る。少し下がって、バックハンドドライブをクロスに。フォアにカットが来る。飛び付いて・・・。バタン。足がもつれて転けてしまった。


24-26


一ゲーム目を落としてしまった。ラケットを台に置いてベンチに帰る。ドスン。座り込んで、スポーツドリンクを飲む。ぷはー。今の一ゲーム目取れなかったのは痛いな。二ゲーム目どうするか?う~ん・・・。


「時間です。コートに戻って下さい。」


えっマジ!?もう1分たってたのか!?疲れ全然とれねーよ。立ち上がりコートに戻る。二ゲーム目は一ゲーム目落としてしまった焦りと、体力が持たず7-11で落とし、三ゲーム目はさらにひどく、2-11。結果0-3で負けてしまった。

はあ、はあ、はあ。もう動けねー。にしても青戸さん最後までパフォーマンス落ちなかったな、スゲー体力だ。体力が課題だな。徹はまだ残ってるし、ベンチコーチ行くかな。荷物を持ってゆっくりと徹のもとに向かった。

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