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卓球ノート  作者: 誠也
31/40

中国中学卓球大会

会場に着くと何台もバスが停まっていた。島根ナンバーに鳥取ナンバー、それに岡山ナンバー。本当に各県から集まってきてるんだな。周りの人がストレッチを始めていたので俺達もさっさとストレッチを済ませよう。


「よ!徹、それに山本くんも。」


赤沢さんだ。


「調子はどう?」

「まあまあですかね。でも、全国には行く気ですよ。」


おっ珍しく徹が強気だ。徹も強い相手と戦えるってテンションが上がってるようだ。


「そっか、まあお前なら間違いないさ。山本くんはどうだい?」

「俺もしっかり力を付けてきたんで全国行きますよ。」

「うん、この前の練習試合した感じだと山本くんもいいとこ行きそうだし、三人で全国行こうぜ!」

「おいおい要、俺も入れてくれよ。」


井口さんもやって来た。


「悪い悪い。でも雅紀この前山本くんに負けてただろ、どうかな?」

「ひでーな。山本くん、今日もし当たったら今度は負けないよ。」

「こっちだって。」


やっぱ、知った人が居るのはいいな。それから会場が開いて中に入り、練習を始める。練習台は各県ごとに割り振られていたので周りの人はなんか見たことのある人ばっかりだ。会場の二階の手すりには各中学の横断幕がかけてある。なんかかっけーな。俺達のも欲しいけど作ってもらえるかな?今日の大会は88人の内12人が全国に行ける。俺はノーシードだけど強い外シードからは離れてる。4回勝てば全国、でも県大会と違って一人一人が強い。やってやるぞ!

コールが入り、第7コートに向かう。一回戦の相手は山口県周南中学の河野さんだ。右利きのシェークでフォアが裏、バックが粒高のカットマンだ。河野さんのカットは回転量はそれほどだが丁寧で安定していてる。切ったり、切らなかったり混ぜてくるが、慣れてくると癖が見えてくる。判断が付けばこっちのもの。切れてないカットをスピードのあるドライブで返したり、切れたカットを角度打ちしてみたりと攻め込む。結果11-9、11-8、11-7の3-0で勝利した。

その後の二回戦を3-1、三回戦も3-1で勝利し全国まであと一勝とした。徹も赤沢さんも勝ち上がってる。皆で全国行くぞ!

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