失恋の神様
神様と
――この地には、神様がいるのです――
それは、ありえない事故でした。
それは、起こるはずのないものでした。
それは、まだ少々若さの残る少女に、無慈悲に、否応なく、唐突に、襲いかかりました。
歩行者用の信号は青でした。
なので少女は横断歩道を渡っていました。
そこに、一台のトラックが突っ込んできました。
自動車用の信号は赤でした。
運転手は、ブレーキを踏んでいました。
けれど、トラックは止まる気配はなく、少女めがけて前進しました。
唐突に起こる理不尽。飛ばされる少女。
少女は、頭から地面へとたたきつけられました。
幾ばくかの時間が経過し、救急車とパトカーが少女と運転手の元へと駆けつけました。
救急車に乗せられ、病院へと運ばれていく少女。
それは、まだ少々若さの残る少女に、無慈悲に、否応なく、唐突に、襲いかかりました。
それは、起こるはずのないものでした。
それは、ありえない事故でした。
それは、奇跡でした。
それは、望んだことでした。
トラックに轢かれた少女は、すぐに手術室に運ばれました。
医者はあらゆる手を尽くしました。
しかし、もうほとんど手遅れでした。
致死量に近い血が流れ出た後。
弱くなっていく心拍。
確保できない気道。
もうなす術などありませんでした。
医者は家族に頭を下げます。
泣き崩れる家族。
しかし、その時奇跡は起こったのです。
鼓動を止めた心臓が不意に動き出しました。心拍計が安定した数値を示しています。
失った血液も、正常な量、流れを取り戻しました。
肺も活動を始め、呼吸を始めます。それは、寝息のような、静かで安らかな呼吸でした。
〝信じられない。さっきまでは、本当に死んでいたのに〟
医者は驚きの声を上げました。
〝奇跡としか言いようがありません〟
家族のものは、さらに激しく泣き出しました。
それは、喜びの涙でした。
少女はその日、目を覚ましませんでした。
すぐに目を覚ますだろうと医者は言いましたが、その日は眠ったままでした。
意識がいつ戻ってもおかしくない状態でした。
数日たっても、目を覚ます気配はありませんでした。
起きないこと以外の異常と言えば、傷がありえない速さで治っていくことでした。
裂傷の痕も、なにも残らず、自然な状態と言えるほどに治癒していきました。
ある日、少年が少女の元へとお見舞いに来ました。
少年は、少女の事が好きでした。
少女も、少年の事が好きでした。
お互いの想いを、二人、共に知っていました。両思いでした。
少女の家族が見守る中、少年は、目覚めない少女の手を握りました。
〝……〟
少年は、少女の手が、少し動いたように感じました。
少年は、より強く、少女の手を握りました。
〝いつまで寝てるんだよ。授業についていけなくなるぞ〟
震えそうになる喉を抑えながら、なんとか言葉を紡ぎました。
〝なあ、起きろよ。起きてくれよ。お前が寝ぼすけなの、知ってるよ。知ってるけど遅すぎるよ〟
必死に、呟きました。何度も、名前を呼びました。
〝愛実……〟
その声に反応するかのように、
〝赤木……一心……くん?〟
少女は、事故以来初めての声を出し、
初めて、瞳をさらしました。
初めて、少年の姿を見ました。
〝起きたのか。起きたんだよな。よかった〟
初めて、暖かい声を聞きました。
初めて、少年の手の温もりを感じました。
そして初めて、
〝こんばんは、一心くん。それから、お父さん。お母さん〟
目で、耳で、肌で、世界を感じました。
〝よかった……よかった〟
少年は、喉の震えをもう抑えることはせず、大粒の涙を流しました。
〝よかったねえ愛実。医者の先生にダメって言われた時はそりゃあショックだったけど〟
少女の母は、満面の笑みで語りだします。
〝あんな状態から回復して、眠ったと思ったら、今日やっと起きて。これはもう奇跡としか言えないねえ〟
〝奇跡?〟
〝そう、奇跡。ここ、乎咲市には神様がいるっていう噂があったろう。その神様が、特別に奇跡を起こしてくれたんだよ。きっとね〟
少女の母は、目に涙を浮かべながらも、必死に笑顔を浮かべています。
〝……そう、かも、しれないね〟
少女は、微笑みを返しました。柔らかで、優しくて、心地よく眩しい。いつもの少女の微笑みでした。
それは、望んだことでした。
それは、奇跡でした。
そう、この地には――
――この地には、奇跡を起こす神様がいるのです――
――事故前、いつもの日常――
「起きろ。愛実」
俺は、寝ぼすけの愛実を、いい加減寝顔を見るのも飽きたので、起こしてやる。今日の授業はすべて終えていて、放課後だ。だと言うのに愛実ときたらこのありさま。
「ん? ああ、一心くん。おはー」
「おはーじゃないよまったく。今何時ですかー?」
愛実は鞄の中から携帯電話を取り出して時刻を確認する。黒板の上にも時計はついているんだけどね。
「んー……五時。朝の五時だね。まだ早いよ」
「早くねーよ。夕方の五時だよ。いつも言ってるように二十四時間表示にしておきなさい。ルーズなんだから」
学校に備えてある時計は十二時間のアナログタイプ。こっち見ててもだめだったみたいね。がっくし。
「いやー、どーもめんどくさくってさ」
言いながら、照れ隠しなのか、後ろ髪をいじる。ああ、変える気ないんですね。
「俺がやってやるから、貸してみ?」
「いやー、この前ね、それ試してみたんだけど、二時間ほど待ち合わせに遅れてしまったことがありまして。苦手なんですよ。はは」
言いながら、ケータイを鞄の中に押し入れる。
女の子のケータイ覗くなんてサイテー。とかいう言葉が返ってこないことに、安堵半分、不安半分。じゃなくて、もう手の打ちようがないときた。
「外見てみ」
窓のほうを指差して、視線を誘導する。
「あ、雪だ。きれいだね」
「はあ。そうじゃない。そうじゃないだろ」
注目してほしかったのは月と太陽である。月が出ているのである。まあ冬だから、朝にも見えるかもしれない。でも太陽、沈んでいってるんです。だから、おはよーじゃないって、感覚でわかってほしかったんです。
「目覚めたらもう全部おはよーでいいと思うんだ、私」
「うん。もうそれでいいよ。ちゃんと俺の言いたかったことはわかってもらえたみたいだから」
俺は、床に置いておいた鞄を肩に下げる。
「じゃ、早く帰ろっか」
承諾の返事の変わりに、俺は小さくうなずく。〝早く帰ろう〟というのは俺の台詞である、と思ったことは心の片隅に置いて。
教室を出て、階段を下り、靴箱へ。
帰り道の途中、思い出したことがあったので、愛実に尋ねてみることにした。
「あのさ、この街について調べなさいって感じの宿題あったじゃん。あれ、なに調べるの?」
「ああ、あれね。私もう決まってるんだ。乎咲市の神様について調べる」
そんな話があったと俺も一応知ってはいる。
「そっか。でも、本当に神様なんているのかな?」
別にどっちでもいいかな。なんて思いながら、愛実の返事を待つ。
「いたら面白いかもね。どっちにしても、資料とか聞き込みとか結構な作業になりそうだなー。一緒にやる?」
「そうだな、俺もそれやるよ」
やることをまだ決めていなかった俺は、正直その提案が嬉しかった。やったね。
「じゃ、明日図書館に集合ね」
明日は休みなので、時間をフルに使うことができる。その日のうちに、出来るだけやっておかないとな。
その日は、それで別れた。
翌日昼ごろに、俺たちは図書館に来た。
その日は半日くらいかけて資料を作成した。完成しなかったけど、そのめどはついたかな。
調べたことの要点をまとめると、
・乎咲市というのは、神座、という言葉が元になっているのだということ。
・この地には、実在するかは定かではないが、神がいると強く信じられていたこと。
・信じられていた要因としては、不自然に物が動いたり、流行病が治ったり、等々のことが頻繁にあったからということ。
大体、こんな感じだ。
俺も愛実も、最終的には乎咲市にはそういう根強い神様信仰があったのだろうということで結論づけるつもりだ。
「お疲れ様。いやー、今日はよく頑張ったねー。がんばった私にご褒美をください」
「それなら俺も頑張ったから、俺にもご褒美をください」
見つめ合う俺と愛実。視線がぶつかり合い、火花を散らす。お互い譲る気はない模様。
「じゃあ、お互いがご褒美を用意するってことで」
妥協案が見つかったところで、二人、共に同じ帰り道を帰った。ご褒美はなんになるだろうと、期待に胸を膨らませながら。なんにしようと、曖昧に考えながら。こんな日がずっと続くと思っていた。
でも、予想もできない理不尽が、翌日愛実を襲うことになるのだった。
――事故後、いつかの「非」日常――
あの事故の後、ようやく愛実は目を覚ました。当初は嬉しさだけが舞い上がって、ただただ泣いて、喜んで、浮かれていた。
回復してから数日たたない内だけど、課題の提出期限が近づいてきたので、手伝ってもらう日々だった。
それが何日か続いていくうちに、いつからだろう、俺は愛実に、何とも言えない違和感を抱くようになっていた。
仕草も、声も、同じだと思う。でも、何かが違うような気がするんだ。でもそれはきっと、まだ回復したばかりで、愛実自身が馴染めていないだけだと、混乱があるんだと、そこからくる違和感なんだと納得しようとした。
「言われたとこまとめておいたよ。一心くんはできた?」
「ん。できてるよ」
俺たちは、互いの資料を交換して、チェックする。紙を捲る音だけが二人を包む。暖かな静寂。心地よい空白の間。
「いやー、終わったねー。そういえばご褒美なにくれるの?」
「あ、考えてなかった。愛実は?」
上の空の気持ちのまま、生返事で答える。
「私はちゃんと考えてるよ」
「ん、どんなの?」
と、資料を置いて顔を上げてみると、すぐ近くに愛実の顔があった。近い。びびる。
「――」
何かツッコミを入れてやろうと開こうとした口は、愛実の唇に封じられていた。頬に愛実の掌の温もりを感じる。
その唇からは、指からは、なんというか、遠慮のような、気恥ずかしさのようなものを感じた。初めて異性と手をつないだ時のような、そんな初々しさを。
やっぱり違う。何かわからないけど、何か違う。いやきっと、俺は混乱しているんだ。愛実じゃなくてきっと俺が変になったんだ。動揺してるだけ、事故にショックを受けただけ。愛実は普通じゃないか。最初に比べて、最初から。……最初から、普通だった? 目覚めた時から?
俺は思い出そうとした。あの時。愛実が起きた時――
「へへ。ぼーっとしちゃってどうしたの。照れてるのかそっかそっか。じゃあまたね」
ご褒美待ってるからね、という愛実の別れの言葉に、俺は現実に引き戻される。俺も帰ろう。帰ってから考えよう。
帰宅して、ほとんど何も置いてない俺の部屋で夢想する。とりとめのないことばかり思いついてはそれを否定する。そもそも、あの事故は……いや、調べようがない……わけでもないか。
「聞いてみるか」
父は警察だった。だから頼めば教えてくれるかもしれない。
そして聞いた。起りえない事故だったと、原因不明だと。俺はそのためか、愛実を疑わざるを得なくなった。疑惑ばかり湧いてきた。
課題の資料の結論は、神様はいるのかもしれないという趣旨が読み取れるものになっていた。過程も少し変わっていた。俺も愛実も、そんな結論に持っていくつもりはなかった。多分俺は、これを読んだときにはもう確信していたのだろう。
――事故後、最期の(非)日常――
それは、残酷なご褒美でした。
少年が、悲痛な声で少女に問います。
「なに言ってるの? 私は私。愛実だよ」
「そうだよな。そう、だよな」
そう言いながらも、少年、赤木一心は、何かを訝しんでいる様子。納得していないみたいです。
「なんで、そんなこと言いだすの」
少女は、いえ、私は気になって聞き返してしまいました。そんなことしなければ良かったのかもしれません。
いいえ、でもきっと、いずれは……
「ああ。お前が奇跡みたいに起き上がった時の事とか思い出してみるとさ、なんか、違和感があるんだ」
それはどんな、と私は聞き返します。一心くんの顔は見えません。背中しか見えません。
「最初に起きた時、お前、こんばんはって言ったんだ」
「それはおかしいことなの? 夜だったからでしょう」
一心くんは首を振ります。
「お前はねぼすけでな、夕方まで寝てたとしても、起きた時はおはよーって言うんだ。それ以前にお前、ずっと寝てたのに、起きてすぐなのに、混乱もしないで、状況も時間も一瞬で把握できるなんておかしいんだよ」
いずれ、聞かれるかもと思っていたこと。言い訳も用意していました。でも、今は何も思い浮かびません。何故でしょう? 彼が必死だからでしょうか。
「そんなの、偶然か思い過ごしだってば」
胸がきゅっと締め付けられます。酷い言い訳だと思います。
「そうだな。偶然かもしれない」
言いながら、振り向いて私を見つめてきます。涙目で、拳を振るわせて。右手には、何かのプリントを持って。
ああ、一心くんは、もうほとんど確信してるんだ。わたしはそう思いました。
「じゃあそもそも、なんで愛実のけがは治ったんだろう」
「奇跡って、お母さんは言ってたよ」
「ああ、愛実の母さんは、そんなこと言ってたな。まあ、ありえないことだったし。そういえばその時、お前ちょっと口ごもってたな。なんでだ?」
そんなこと、覚えてたんだ。私は、私のした、一つ一つの動作、喋った、一言一言を覚えてもらっていて、嬉しいと思いました。こんな時でなければ、もっと嬉しかったはずでした。
「細かいなあ。そんなこと、忘れちゃったな」
「罪悪感が、あったんじゃないのか」
「!」
私は、思いもよらない言葉に虚を突かれました。だって、あの時は
「奇跡っていうのは、ありえないことだ。愛実が、死の淵から回復するのはありえないことだった」
私は、口を開くことができません。心臓が早鐘を打ちます。
「それは、神の起こした奇跡だったのかもしれない。人の領域じゃ説明がつかない」
その後に続く言葉を、私は予想できてしまいました。だから、聞きたくない。聞きたくないよ。でも、それは勝手なことだって知っています。だから耳は塞ぎません。
「ありえないことは、それだけじゃないんだ」
一心くんは一息吸って、それから
「愛実が大けがをした、あの交通事故。ありえないんだ。愛実を轢いたあのトラック、ブレーキを踏んだ形跡があるんだ。信号前で十分とまれるはずだったらしいんだ。でも、タイヤは、車体は、それとは関係なく動き、愛実を轢いた。ブレーキの故障は、認められないらしい」
激しく打ちつける鼓動は、追い詰められ、責められているからというだけのものではありません。きっと私は、知ってもらえることが嬉しいのです。区別されることが嬉しいのです。
「すごいね、一心くん。なんでそんなことがわかるの」
努めて、笑顔で。最後まで、それらしく。
「俺の父さん、警察なんだよ。だから、本当はダメなんだけど、教えてもらったんだ」
「そっか」
「ありえない動きをしたトラック。ありえない回復をした愛実。そして、回復がありえないのなら、今こうして生きていることだってありえない」
とうとう、来たようです。覚悟していた、その言葉を聞く時が。この会話のきっかけ、始まり、それを認める時が。
「お前、愛実じゃないよな。奇跡を起こすっていう、この街、乎咲市の神様なんだろ?」
その言葉は、思っていたよりすうっと私の中に溶けていきました。ショックはなく、むしろ楽になったかのよう。
「なんでそんなこと言うの? さっきからお前お前って。いつものように名前を呼んでよ。愛実って。優しく、朗らかに、空気みたいに呼んで。呼んでよ!」
それでも、叫んでしまうのは何故でしょう。
「白々しい。愛実を殺しておいて、何がしたいんだよ。もう消えてくれよ。愛実の声で喋らないでくれ。愛実の姿で惑わさないでくれ。愛実と同じ所作で、体で、空気で、同じ場所に居ないでくれ!」
声を荒げる一心くん。それを止めたくて、私は一心くんの手を握ろうと、その手に触れようとしました。初めて人の世に目覚めた、あの時のように。今度は私が。でも、
「やめろ。触るな」
その資格は、無かったようです。
「神なんていなければ、愛実は……」
一心くんは、ふと、右手に持っていたプリントを胸のあたりまで持ち上げて、
「……いなければ」
破り始めました。それは、
「ああ、それは、初めて……」
私と一心くんで仕上げた課題でした。私にとっては初めて彼と一緒にした作業でした。
「ああ。ああああ」
私は、私という存在を否定された気がしました。言葉で言われるよりも、よっぽど私は胸が痛みました。
一ページずつ破り捨てられていきました。私と共にやったところだけ破られていきました。私が書き変えたところを含めて、的確に、私と一心くんの作業の証が彼の手によって、引き裂かれていきました。
「もう、だめなんだね」
悟りました。私と一心くんとは好き合えない。彼が好きなのは愛実という少女ただ一人。体だけではだめだったのです。フリをしているだけでは好きになってもらえないのです。私が彼を好きなだけではだめだったのです。
「愛実を、返してくれ」
彼女を、殺してはだめだったのです。
でも、彼女がいては、彼は彼女だけの事が好きなままだったのです。
最初から、私の願いは叶わないものだったのです。神様でも、叶えられないことがあったのです。
私は一心くんが好きです。だから彼の言う通りにしなければなりません。でも愛実は私が殺してしまったので、返すことができません。できることは、私がいなくなることだけです。それ以外、できることはありません。
何故でしょう、涙が出てきます。もう既に愛実の体から離れているのに、そんな情動が湧いてきます。
私が私だと知ってもらえてうれしかった。でも、それは同時に失うことでした。彼の心は愛実のものなのです。それは変えようのないものなのです。
ならば、最後に悪戯をしましょう。命を救うことはできません。感情を変えることもできません。でも、記憶を書き換えることくらいはできます。私と過ごした時間を、彼には愛実と過ごしたものだと錯覚させましょう。そうすれば、私は彼の永遠になることができます。彼を永遠に捕えることができます。その代り、彼と過ごした刹那を失いますが。
私は神というただの思念、概念なのに、今、胸が、心臓が張り裂けそうです。そんなもの、無いのに。
ああそうか。この気持ちが、失った刹那が恋なんだ。私は初めて知りました。そして、既に失っていました。
私は愚かでした。とてもとても愚かでした。
こんな愚かな神様は、失恋の神様とでも呼ぶことにしましょう。
私は目をつむります。いつか目を開けるのか、閉じたままなのか、私にはわかりません。だってもう私は、私の全てを失いましたから。
赤木一心くんを、失いましたから……
それでも、知ってもらえたことは、私にとってはご褒美かもしれません。
少女が奇跡の復活を遂げてからいままで、奇跡は姿を消して、一度も顕現することはありませんでした。
――この地には、奇跡を起こす神様がいたのです。愚かで初心な神様が――
カミってちがうんだね