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ロールプレイングハント  作者: 閃光 眩
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第6話:武器と神話

あの二つの事件から一週間が経った。その中で良いことが二つあった。一つ目は、あの事件の後に無事、ジーク幻将軍とキュリア麗剣士がそれぞれの女を村まで連れて行った事。二つ目は、ユーリアの頭の傷が完治した事。完治したが体は鈍っているため、なんとジーク幻将軍直々に訓練をしてくれることとなり、今日も朝から頑張っているそうだ。

そんな中ジャストロは、朝の散歩に出かけていた。散歩といっても村をぐるっと一周するだけだが、それでも、村の雰囲気の違いがわかったり村の人々と挨拶を交わす事が出来たりと、それなりに楽しめる。

その散歩を終えたところで、ふと郵便受けの目印が立っているのに気がついた。

中を見ると、手紙が三枚届いていた。二枚はジャストロ宛、一枚はフレード宛の計3枚だつた。そこから察するに、二枚はこの前の事件で助けた二人だと思われるが、ジャストロの一枚は本人も身に覚えがなく、全く分からなかったが、中身を確認するためにとりあえず家に入った。

居間に行くと、フレードが台所で調理をしていた。

「おっ!お帰りか!ちょうど朝飯できたぜ!」

そこには、相変わらずボリューム満点の料理が並んでいた。

フレードが来てからというもの、毎日の食事は二人で当番制で作っている。ジャストロはバランスのとれたヘルシーな物が並ぶが、フレードは肉や魚などの、いかにもカロリー高がすぎる物が並ぶ。

そんなフレードの食事にジャストロは毎回引きつった笑みを浮かべ、本人は満面の笑みで席に着く。そして…

「いただきます」

…と、二人で声を合わせ、一礼してからいただく。自分たちの人生のために命を狩られた動物やドラゴンなどへの感謝は、狩人であれば当たり前の行為である。これを忘れてしまっては狩人失格である。

「どうだ?今日はちょっと油とか塩気押さえてみたぜ!」

フレードが自信満々に言う。

「ん、本当だ。素材の味がいつもより強いな」

ジャストロは、そんな自信満々なフレードに感心しながら言った。いつもよりとても優しい味で、噛めば噛むほど肉や魚の旨味が染み出してくる。

「だろ!いつの間にか塩とか油とかが自然に多くなっちまって、身体に蓄積したんだか身体がダレちまってよぉ。お前の料理のおかげでなんとか保ってたらしくてなぁ!」

そう言ってフレードは苦笑した。

それにつられ、ジャストロも歪んだ笑みをもらした。

そんな他愛もない話をしながら、料理をよく味わった。

「いただきました」

料理が綺麗になくなった皿に向かい一言、二人は手を合わせ、一礼しながらいった。

そのあと、二人で皿洗いなどをしているときにフレードが、ふとこんなことを言った。

「俺ずっと気になってんだけどよぉ、俺のあの神器ってどんな神様が使ってたんだろうなぁ?」

その問いに、ジャストロは手を止めて考え込んだ。そして、ひらめくことが一つだけあった。

「確か、蔵書館に神話についての本があったと思う…」

「マジか!んじゃ、これ終わったら行こうぜ!」

ジャストロは、フレードの言葉に無言で頷いた。

そのあと無事洗い物が終わったところで、蔵書館に行く支度をした。まだ狩りにはでないため、二人とも鎧は外して行った。

蔵書館に入ると、ジャストロの案内のもと神話の本の前にたどり着いた。そこは、禁書の隣というきわどい所だった。二人は神話の本を取ると、禁書にはなるべく近づかないところで本を読み始めた。

まず、惑星ライアスを作ったのは、全能神ラウトという神様で、外見年齢は26歳と記されていた。神器は金の装飾が施された豪華な緑色の双剣だった。ページを見てみると、そこには、謎の微笑みを浮かべたラウトがいた。

「なんかちょっとこの笑顔怖ぇなぁ…」

フレードは、少し身震いした。ジャストロも、なぜか冷や汗をかいてしまうほどに力を持った笑みだった。

次のページには、ラウトは二人の神と一人の天使を創造したと記されている。

一人目の神は、光炎神(コウエンシン)レギンいうキリッとした表情で、ロン毛とちょび髭の神様だった…が、そこまで年は上ではなく、外見年齢は27歳だった。太陽と炎と光を司る神だという。そして、そのレギンが持っている神器が、フレードの物と全く一緒だった。

「んおぉ!この神様が持ってた武器なのか!すげぇや!!」

フレードは、自分の武器が本当に神様の持っていたものなんだと、自分の目で初めて知ってかなり興奮していた。

ジャストロも、前までは少し信じられなかったが、今真実を目の前にして、心の中で驚いていた。

二人目の神は、水氷神(スイヒョウシン)リレという少し濃い水色のロングヘアーで、キリッとした表情に冷たい美貌をもつ女性だった。外見年齢は25歳だと記されていた。水と氷を司る神様らしい。リレは、どうやらレギンの妻らしい。神器は青色の刀だった。その刃は、あらゆる物を凍らせるらしい。そして、ジャストロとフレードの目がどうしても捉えてしまうのは、リレの剥き出しのお腹だった。二人とも特に年上の女性のそういった部位は見たこともないので、どうしても見てしまっていた。

「ほぉ…すげぇなぁ!こりゃ興奮するぜ」

フレードは鼻息荒く、その本を見ていた。ジャストロも、表では冷静で、神様に対してそんなことは考えてはいけないと、心の中では思っていたが、やはり異性には興味があるため、頰が蒸気するのを感じていた。

そんな気持ちを鎮めるために、次のページをめくった。

そこには、大天使カリエルが描いてあった。クリーム色のショートヘアーで、性別の分からないくらい整っている表情、少し幼くみえる顔をしていた。性別は男らしく、中性的な顔立ちの美男子だ。武器は、クネクネと曲がった片手剣だった。

「おいおい、こいつ男なのかよ⁉︎」

フレードはびっくりして素っ頓狂な声を上げた。ジャストロも、カリエルを凝視し、そのあまりに整った顔に驚きと羨ましさを感じていた。

次のページからは、各神々がどうやって生まれたか…などが物語として描いてあった。








はじめに全能神ラウトが宇宙空間に生まれ、その場でライアスを創造した。その後ラウトは、それぞれライアスを守らせる者を創造した。それがレギン、リレだった。レギンは太陽と炎と光を守り、リレは水と氷を守ることにより、ライアスはさらに良い場所となった。そして、レギンとリレはラウトに命じられ、天界には神々をはじめ、神獣などの生物をどんどん生み出した。下界には、普通の獣やドラゴンを生み出した。その時に、はじめて男と女の狩人が1人ずつ生み出された。一通り生き物たちを生み出したところで、神々は自分たちをより強くするために「狩り」をはじめた。それは、神々がライアスに降り立つわけではなく、天界にて生み出された神獣たちを狩るものだった。神獣はとにかく豪華で、宝石などが体に埋め込まれているドラゴンなどもいた。神獣は恐ろしいほど強いため、神々はそういった神獣達を自分専用の武器「神器」を使い、協力しながら狩猟をして毎日を生きていた。その際、下界でも狩人が子孫を増やし狩りが行われていた…が、狩人の中には人の獲物を奪ったり、無意味に生き物を傷つける者がいた。そのため、ラウトは下界を裁く審判が必要だと思い、大天使カリエルを創造した。カリエルは、下界に住む者たち全員に責任があるという連帯責任の考えを持ち、狩人が罪を犯した場合、持っている剣で地界に雷を落とし、そこにいる生き物の命を奪い、生贄に捧げてる。そして、その罪人の罪を償うというものだった。雷は雨の時にしか降らないが、それは恵みの雨を降らせることで、生き物たちの悪い感情が体の外に出ようとする。そこに雷を落とし、命を一つ奪うことで、人々は雷を恐れて、その恐れと驚きから悪い感情を体の外に逃がすことができるという。









ここまでが神話の主な内容だった。そのあとは他の神々についての物語などがずらずらと描いてあったが、あまりの多さに二人は飛ばし飛ばしで読み、やがて最後のページにたどり着いた。

「あー!やっと終わったぜ!なんか難しくてよくわかんねぇ部分も多かったなあ」

「そうか?俺は勉強になった」

二人とも、感想を述べてひと段落したところで、最後のページに目を通した。そこには[このライアスの主な神話部分については、STCにて見ることができます。見たい方は下に書いてある暗号を書き写し、STCで入力して下さい]と、書いてあった。

二人は顔を見合わせ、すぐにジャストロが暗号を写した。そして、本を棚にしまうと、その足でSTCに駆け込んだ。

まず、自分専用のカードを差し込んだ。その後、画面に暗号を入れ、そのあとはいつも通りゴークルをかけて待った。背もたれが倒れ、規則正しい電子音が流れる。そして、その電子音が途切れてから10秒たったので、ゴーグルを外して立ち上がった。フレードも少し離れたところにいた。そこは、神話本に描いてあった宇宙空間だった。初めて目にした宇宙空間はとても美しかった。宇宙空間を眺めていると、目の前に文字が現れた[このシミュレーションワールドは、体感型ではなく視聴型となっているため、視聴者には危害は加われませんので、ご安心ください]その文字が消えた途端、少し離れたところに全能神ラウトが生まれた。本物に近いのと、謎の微笑みにより、かなりの威圧感があった。そして、ラウトは惑星ライアスを創造した。創造時のスケールは大きすぎて、二人は只々無言で見つめているだけだった。そして、場面はライアスの天界へと移った。そこで、ラウトはレギンとリレを創造した。この二人も、本物がその場にいるかのような雰囲気で、見ていてとても心地よかった。そんな場面で、フレードが2人の神様に向かって歩き出した。ジャストロは、多分レギンの武器を見に行くのだと思っていた。しかし、フレードは、レギンではなくリレの前に行った。

「おい見ろよこの腹!すげぇリアルだぜ!めっちゃエロい」

そんなことを言っているフレードに対し、ジャストロは片手で顔を覆って呆れていた…が、やはりジャストロも気になるため、チラチラとは見ていた。

そして、レギンとリレは二人で他の狩神様や神獣、地界な獣やドラゴン。そして、狩人を生み出した。その場面はカットされており、文字で説明があった。

その後、狩神様三人の狩りが始まった。相手の神獣は、かなり大きく体に色とりどりの宝石をくっつけていた。その神獣を、三人は連携で狩っていた。観戦型なので、絶対に無傷なのだが、やはり攻撃などが自分たちの方に来ると、思わず目をつぶってしまう。地界の方に目をやると、狩人達が盗みなどを働いている場面だった。ここでいよいよ、ラウトが大天使カリエルを創造した。カリエルの顔は本当に美しく整っていて、ジャストロとフレードはとても羨ましく感じた。

やがてリレとカリエルによる、雨と落雷の生贄儀式が行われた、天界視点での落雷は、落ちたところから魂が天界にのぼってくるため、見ていて少し生々しかった。が、フレードはずっとリレのお腹ばかり見ているため、ジャストロは呆れていた。

ここまでで、神話についての全ての説明が終わった。他にやることもないため、ジャストロは、もう一度リレのお腹を見ようとするフレードを引っ張って無理やり帰らせた。ゴーグルをし、カプセルへと戻った。すぐに村の外に出て、STCで過ごした分のペナルティ狩猟をして、家に戻った。

「いやー、俺のこの武器、もっと大事にしねぇとなって今日の体験でわかったぜ!」

フレードは満足そうに言った。

「フレードが大切にするのはリレのお腹だろ?」

そこにすかさずジャストロがツッコミを入れた。フレードは動揺しており、そんな様子を見てジャストロは呆れていた。















「ほら、もうちょっとで着きますよ!頑張りましょう!」

「うん…頑張る。あとちょっと…」

あと数分で各村の門限になりそうな中、2人の少女は目的地に向かって、迷いの森の中を走っていた。一人はサラサラ金髪ロングヘアーのパッチリ緑目。もう一人はサラサラ銀髪パッツンロングヘアーのおっとり顔の青目。目的地は、ジーク幻将軍が村長の村だ。

「本当にジーク村長の村に、とっても強い狩人なんているんですかねー?」

「いなかったら向かってない…とりあえず急ご?」

そんな会話を交わしながら、2人の少女は、村を目指して走った。

そんな会話がされている時に、村にいるジャストロは大きなクシャミを一つした。

どうも、眩です!更新が遅れているのは目を瞑っていただければ幸いです。今回は、ジャストロたちの住む星、ライアスがどのように創られたかに触れてみました。神様も天使も、一癖も二癖もあるようなキャラですが、よろしくお願いします!次回はジャストロ達と同年代の女の子達が登場します!

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